『抗糖化』化粧品で、肌の老化は止められる?

『糖化』という言葉を、ご存知でしょうか?

数年前から注目され始めた美容用語です。

似たような言葉に『酸化』という言葉あります。これは、『肌がサビる現象』とも言われて、シミやシワなどの肌トラブルの原因になります。

この『酸化』と同様に、『糖化』も、肌を老化させると言われており、酸化が『肌がサビる現象』であれば、『糖化』は『肌がコゲる現象』などと呼ばれます。『糖化』の現象を、ある意味、分かりやすく表現した言葉だと思います。

肌が『糖化』するとどうなるの?

『肌の糖化』が起こると、褐色の老廃物が生成されます。この老廃物が肌にたまると、「肌がくすむ」「 シミになる」と言われます。これが『肌がコゲる』と表現される理由です。

さらに、肌の土台を作っているコラーゲン線維やエラスチン線維が糖化すると、次のような肌トラブルが起こると言われています。

  • くすみ ・シミ
  • ハリの低下
  • 乾燥
  • ごわつき

要するに、『肌の老化』が起こるというわけです。

この『肌の糖化』を防ぐために、最近は、『抗糖化』を謳った化粧品がたくさん販売されています。 毎日のスキンケアで『肌の糖化』を防ぐことができるなら、試してみたいですよね。

では、抗糖化化粧品とはどういうものなのでしょうか?
本当に肌の老化を防ぐことができるのでしょうか?

商品によって『抗糖化』の方法はさまざまです。 大きく分けると3つほどに絞り込むことができます。

1.真皮(コラーゲン線維)に作用して
抗糖化する

一番多い方法は、肌のハリや弾力を担っている真皮(コラーゲン線維やエラスチン線維)へのアプローチです。

糖化によって劣化してしまうコラーゲン線維を増やすことや、劣化を防ぐことを目的にした特別な成分が配合されていることが多いです。

「なるほど~!それなら肌のハリが戻りそう!」と思われたなら、ちょっと注意が必要です。

肌の構造を見てみましょう。

コラーゲン線維が存在するのは『真皮』です。 そして、化粧品が作用するのは表皮の『角質層』までです。 どんな成分を配合した化粧品でも、真皮まで達することはありません。

これは、「その化粧品の機能が優れていないから」というわけではありません。

角質層よりも奥に化粧品が浸透しないのは、体内に異物(化粧品も体にとっては異物です)を侵入させないための肌の機能です。また、その肌の機能を壊して、化粧品が角質層より奥に働きかけることを、薬機法は認めていません。

この点から、「化粧品を肌に塗ることで、コラーゲン線維を増やす」というのは、現実的ではないと思います。

2.糖化で生まれる老廃物に作用して
抗糖化する

2つ目の方法は、「糖化で生まれる老廃物を、特殊な成分の作用によって、無かったことにする」というものです。

化粧品ですから、作用するのは角質層までです。抗糖化化粧品を販売している会社によると、角質層でも『肌の糖化』が起こっていることが、近年分かってきたということです。

これが本当であり、また、実際に、配合された特殊な成分の効果がある場合は、角質層内での抗糖化作用は期待できると思います。

ただ、ここでも少し気になるのは、『効果の程度』です。

このような機能性の高い化粧品に配合される成分は、化粧品各社や研究機関によって化粧品に配合されることになった、新しい成分であることが多いです。

この場合、歴史や実績が少ない分、「どの程度の効果が期待できるのか?」を判断するのが難しいです。

もちろん、「ほんのちょっとでも効果が期待できるならそれでいい!試してみたい!」という場合は、使ってみていいと思います。

ただ、私たち使用者が化粧品にもつ期待は、どうしても、『実際の効果』よりも大きくなってしまいがちです。

例えば、ある抗糖化化粧品の効果が『10パーセント期待できるもの』だったとしても、使用する側としては、「できれば100パーセント、それは無理だとしても、50パーセントとか、せめて30パーセントくらい」の期待をしてしまうものだと思います。

この期待値の差が大きければ大きいほど、使ってみたときに、「がっかり」した気持ちになります。使用する場合には、この点を、しっかりと理解しておきましょう。

また、気持ちの問題だけではなく、やっぱり、肌への影響が心配です。

白斑問題のこともありますので、新しい成分や、体の本来の機能と異なる作用をする化粧品の使用は、特に乾燥肌・敏感肌の方にはおすすめしません。

3.糖化を起こすきっかけ(炎症・紫外線)を防ぐ

紫外線と糖化は関係が深いと言われています。また、肌で炎症が起こることでも、糖化を促進すると言われています。

これらのことから、

  • 紫外線から肌を守る
  • 肌の炎症を抑える
  • 炎症が起こりにくい肌を作る

 
ということも、抗糖化化粧品の作用のひとつとしてよく挙げられます。

これらは、『抗糖化』に限らず、健やかな肌づくりには欠かせないことですね。

紫外線を防ぐには日焼け止めなどによる紫外線対策が有効ですし、しっかり保湿をすることで、刺激や紫外線からのダメージを抑え炎症が起こりにくい肌を作ることができます。

これだけでも十分、肌の糖化対策・老化対策を行えます。

まとめ
キレイで健やかな肌を作るためには

このように見てみると、「『抗糖化化粧品』が肌の糖化に対して、特別大きな効果を発揮する」 とは言いづらいな、と思います。

抗糖化化粧品に限らず、世の中には、抗酸化化粧品・シワ対策化粧品・たるみ対策化粧品、いろいろな『専用』化粧品があります。

でも、どんな謳い文句がついていても、『化粧品』ができることは『保湿』です。『角質層までしか作用しない』ことと同様に、これも薬機法で定められた決まりです。

ですから、どんな化粧品でも、一番注目すべき効果は、「どれだけしっかりと保湿ができるか」です。

この点を基準に化粧品を選べば、期待値の差に「がっかり」してしまうことも、高価な専用化粧品に費用をかけて後悔することもなくなります。

また、「わずかな可能性にも賭けたい!」「新しい商品はどんどん試したい!」という積極的な方にとっても、納得のいくチャレンジができると思います。

もし、しっかり保湿をしているのに肌のくすみやシワ・ハリの低下などを感じられる場合は、保湿の方法を見直すといいでしょう。『間違った保湿から、正しい保湿へ』が役に立つと思います。続けて、読んでみてください。

更新日:2017.11.15投稿日:2016.02.01

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