顔のたるみを改善する『フェイスリフト』のリスク

化粧品に携わる仕事をしている関係から、知り合いからもよく美容に関する質問を受けます。 中でも、「最新の●●って機械を使った、シワ取りって効果ある?」など、いわゆる整形の範疇に含まれることもよく尋ねられます。

インターネット広告や雑誌でもよく見かけますので、興味を持つのもわかります。でも、基本的に、私は体にメスを入れることには反対です。

たとえば、昨年にはこんな訴訟がありました。

『フェイスリフト』に関する訴訟

顔のたるみを改善すると誘われて「フェースリフト」という美容医療を受けた後に痛みが残ったなどとして、「品川美容外科」と「品川スキンクリニック」を全国47カ所に展開する医療法人社団翔友会(東京)に損害賠償を求める集団訴訟が相次いでいる。
(引用元:『品川美容外科をさらに40人提訴へ 顔の手術で痛み残る』/朝日新聞デジタル)

記事中では、『フェースリフト』と書かれていますが、一般的には『フェイスリフト』と言います。一般的には、皮下に特殊な糸を通し、それを引っ張ることでたるんだ顔を持ち上げる手術法のことです。

メスを使う・使わないの違いや、その手術法から簡単にできるもの・複雑な手術になるものなど、さまざまにあります。

とある美容外科の『フェイスリフトの流れ』を見てみると・・・たるみを引き上げ、余る皮膚を切除し、筋肉も引き上げ、切除部分を縫合、とあります。こうなると、完全に外科手術ですね。

『簡単』と書いているフェイスリフトの方法を見ても、「トゲトゲしたものが付いた特殊な糸で、皮下組織を引っかけ、抜けにくくしたもので引っ張る」とあります。皮下を通るわけですから、当然痛みもあるでしょう。また、目立たないように、糸を頭皮まで通すこともあるようですから、当然、その部分は脱毛のリスクもあるでしょう。

詳しくは分からないものの、「肌の中に糸を通して肌を引き上げる」と聞いただけで、とてもではないですがやる気にはなりません。まぁ~、私が男だから、特にそう思うのかもしれませんね。

女性なら美しくありたいという気持ちがあるのは分かります。男性側も、女性に美しさを求める面もありますし。しかし、体の中を触るのは避けた方がいいと思います。事故や病気などでどうしても必要な場合は、リスクを冒す価値があるかもしれませんが、単に「若く見られたい」という欲求だと、リスクが大きいように感じます。

私の周りでもこのような美容整形ではなく、事故などにあって体にメスを入れた人がたくさんいます。 手術自体は成功しても、術前のような動きや生活ができなくなった人がたくさんいます。

ちょうど、今日も趣味のボクシングに行った際に話していたのですが、ボクシング仲間のMさんはお酒を飲んで帰り道に自転車で転倒してしまい、鎖骨を折ってしまいました。手術はうまくいって3か月前に完治したのですが、いまだにすごい違和感が残り、以前より肩が上がりにくくなったため、「日常生活はもちろんボクシングもままならない」と嘆いていました。このように、何か手術をするということは、必ずリスクがあります

記事によると、

弁護団は「施術前に、合併症の説明が十分でなかった。多くの人が現在も痛みに苦しんでいる」と主張する。

とあります。

今回のフェイスリフトを行って痛みや合併症が起きることも、一定の確率で起こるリスクです。どれだけの確率だったのかは公表されていないので分かりませんが、誰にでも起こりうることです。

それに、効果も一生続くわけではありません。フェイスリフトの場合、レーザー治療と比較すると長いと書かれていますが、いずれまた、顔はたるみます。そのたびに、リスクを冒す必要があります。

時として、そのリスクは取り返しがつかなくなり、一生苦しむことになるかもしれません。ですから、せいぜい体の表面(例えば、脱毛程度)に留めておいた方がよいと思います。月並みですが、見た目よりも、健康が一番です。

投稿日:2015.02.22

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アースケア代表・化粧品開発者

井上龍弥

2000年アースケアを創業。保湿に特化したアクシリオの開発・販売を手掛ける。起業家ならではの人生観や自身の超がつく敏感肌・乾燥肌の経験談が愛用者に人気。

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