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韓国の化粧品メーカー大手、アモーレパシフィックが同社の高級ブランド「アモーレパシフィック」の日本における百貨店での販売を終了することが分かった。 韓国アモーレパシフィック 日本百貨店での販売終了(引用元:『韓国アモーレパシフィック 日本百貨店での販売終了』/聯合ニュース

先月、こんな記事を目にしました。

高級化粧品ということで興味がわき、アモーレパシフィックの公式サイトに行ってみました。すると、ホームページは終了している・・・。試しに、『アマゾン』で検索してみたところ、『アモーレパシフィック コントゥアー リフト RX アイクリーム』という並行輸入された化粧品がかろうじて掲載されていました。そのクリームは内容量が15mllで、15,295円です。これは、高級な化粧品ブランドですね!

高級化粧品は、売れないのか?

化粧品を好む人の中には、一定数ではありますが、「高価格の化粧品ほど美肌効果が高い」と思う人がいます。

大手化粧品メーカーが10万円超の化粧品を個数限定で販売することがありますが、ウソか本当か、いつも完売しています。これこそ、値段のみで判断する人が少なからずいる、という証拠でしょう。

でも、実際は、『価格』と『効果』はあまり関係がありません。もちろん、安すぎる化粧品は安かろう悪かろうであるものの、高い化粧品だから特別効果が高いというわけではないからです。

高い化粧品のほとんどが、高級な容器やキラキラとしたパッケージ、テレビCMや雑誌広告、百貨店や販売店での膨大な人件費に消えていきます。高級化粧品を作るメーカーは、本来感じてもらうべき化粧品の効果を与えるよりも、満足感・優越感を使用者に与えたいのでしょうか?高級化粧品メーカーは、膨大なコストをかけて、そのような演出を行います。有名芸能人をふんだんに使い、露出をしまくって、高級な場所で豊富な人員をそろえて販売する・・・なかなか大変そうです。

しかし、今はインターネットのおかげで、今まで一般の人が知りえなかった化粧品業界の裏側がかなり暴露されているので、今後は、高価格な化粧品は売れなくなっていくと思います。今回のアモーレパシフィックも高級な故に撤退することにした、と説明しています。現在の日本経済が不景気なことも高級品が売れない要因ですが、それだけでは無さそうです。

韓国コスメは、実は人気がなかったの?

韓国化粧品と言えば、数年前にとあるBBクリームが大当たりしました。韓国は、自国の商品を売ることを国策レベルで行うので、非常に爆発力があります。その団結力は、すさまじく、韓流ブームも国を挙げての戦略のようです。

くだんのBBクリームまでが国策だったかどうかは知りませんが、韓流ブームに乗って、当時、日本のマスコミでの露出量は半端じゃありませんでした。韓流ドラマをきっかけに韓国ブームが巻き起こり、それに便乗してそのほかの韓国コスメも日本に入ってきました。

テレビを見ていても、芸能人や美容研究家と呼ばれる人たちが、そのBBクリームなどを「愛用しています」と推しまくっていました。まさに、韓国ブームが日本を席巻していたと言えます。

でも、もうブームは終わったようです。というよりも、「ブームそのものがねつ造だった」とも言われています。

もちろんブームに乗った人もいるのでしょうけど、芸能人が推していたのは、お金をもらっての広告の一環だったのでしょう。自分が愛用していた訳ではないようで、今では全然推していません。まぁ~ステマ騒ぎでもわかることですが、芸能人が本当に良いと思っているものだけを紹介しているわけではないのでしょうね・・・。

私の知り合いもブームにあやかろうとして、韓流グッズ専門のネットショップを開店して、広告をガンガン打ったところ、まったく売れませんでした。当時、本人は不思議がっていましたが、今から思うと、ブーム自体が無いも同然であれば、売れないのも当たり前ですね。ちなみに、彼は1年ほどで韓流ブームが終わる前に撤退しました。

現在の韓国コスメ事情は?

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私は、化粧品やスキンケアの情報を集めるために、定期的に色々な場所に出かけています。先日も500を超える世界中の化粧品製造業者や化粧品メーカーがブースを出展する展示会に行ってきました。

その中には、韓国ブランドの化粧品メーカーや製造業者もブースを出していました。ブースの目立つ部分には、来場者の目を引くために色々な商品や技術が紹介されているのですが、目新しいものはなく、少し前に流行った「かたつむりのなんとか」とか「●●パック」とかぐらいでした。残念ながら、私は興味をひかれませんでした。

ちなみに、金額によって出展ブースのサイズが決まります。韓国の業者が出店しているブースは小さく、あまりお金をかけていないようです。儲かっていないのか、もう日本にそれほど力を入れていないのかは分かりませんが、一番小さなサイズのブースばかりでした。

ただ、ブースの大きさ(出展費用が高い)だけで判断するのもいかがなものかと思ったので、中でも一番元気そうな韓国メーカーのブースに立ち寄ってみました。そこは、化粧品の製造をしている韓国企業で、過去に開発した化粧品を展示していました。その中で、一番興味があったのが、『軽いマスカラ』です。

マスカラを使ってまつ毛が伸びるのは、まつ毛にファイバーをくっ付けているからです。だから、ファイバーを配合すればするほど、まつ毛の伸びがよくなります。その反面、重量が重くなってしまうので、まつ毛が下に垂れ下がります。

でも、ここで見たマスカラは、ファイバーが既存の半分の軽さとのこと。だから、たくさんつけても垂れ下がらないと説明されました。その他にも、私がゲルクリームを販売していると言ったら、『塗ると冷たく感じるクリーム』『塗ると暖かく感じるクリーム』『塗る前と塗った後の色が変わるクリーム』などを自信満々に紹介してくれました。

私が、「これにはどんな肌に良い効果があるのですか?」と聞くと、韓国企業の営業マンは、「ん~、別に肌に良い効果はないけども、面白いから目立つでしょ^^」とのこと(笑)。まぁそんな感じだろうとは想像していましたが・・・。私の個人的な印象では、誤った差別化に特化したような化粧品が多かったです。

そのマスカラは、実際にスタッフに試してもらいました。「どうだった?ファイバーが軽いと、持ちがいいとかある?」と聞くと、「すみません、よくわかりませんでした・・・もともと、マスカラを塗っても重いと感じていないので、半分の重さと言われてもわからず・・・(*_*;」とのこと。なるほど、理論的には正しくても、実感には至らないようです。

ちなみに、こういった製造業者には、素人の化粧品メーカーが寄ってきます。目新しいと売れると思っているんですかね。でも、現実は逆です。一度は売れるかもしれませんが、リピートされないので、在庫になります。その結果、創業した化粧品メーカーの約半数が1年ほどで潰れてしまいます。

しかし、その展示会では特に人がむらがっていた、ということもなく、なんだかヒマそうでした。もしかしたら、日本人は白斑問題などから経験を積み、見た目重視の化粧品から脱却しつつあるのかもしれませんね。最近はテレビでもあまり韓国コスメを目にしませんし。見かけるとしても、せいぜいテレビショッピングぐらいでしょうか・・・。

以前のように、マスコミに露出すれば、また売れるかもしれませんが、このままだとどんどん衰退して行くと思います。今後は、アモーレパシフィックのように日本から撤退していく韓国コスメメーカーが増えるかもしれせん。

流行は危険!

流行が起きるとそれに乗っかろうという気持ちが働きます。私が大学生の時、ちょうど世の中はバブルまっただ中で、当時は『株ブーム』が巻き起こっていました。みんなガンガン株を買っては、儲けていました。大人たちは、猫も杓子も『株』を買っていました。その後、その人たちがどうなったかは、皆さんもご存じの通りです。

もしかしたら、韓国の化粧品メーカーや、それを取り扱っている日本の化粧品販売店も、流行に乗ってしまったのかもしれません。もしそうなら、残念ですが結果は見えています。見せかけだけで、中身を伴わないものは、いずれ淘汰されます。

流行というのは、自然発生するものではなく、そのほとんどは誰かが仕掛けています。自然発生したように見せかけているだけです。以前、芸能人のステマが問題になりましたが、あんなのは氷山の一角だし、今でも某大手ブログサイトでは公然と行われています。

流行の多くは、中身が伴っていません。むしろ中身がないために、そのままでは売れないから流行らせるのです。ファッションのように実害のないものは良いかもしれませんが、化粧品、特に基礎化粧品は肌をケアするものなので、注意してください。流行ではなく、中身を重視したものを選びましょう。それが、美肌への近道です。

 

余談ですが・・・

日本では、以前ほどの勢いがない韓国コスメですが、全体の消費量は伸びているようです。

韓国化粧品市場が外国人観光客による購入増加で拡大している。金融投資業界や統計庁によると、7~9月期の化粧品小売り販売額(付加価値税など間接税を除く)は、4兆1696億ウォン(約4395億円)で四半期ベースでは初めて4兆ウォンを突破した。前年同期(3兆7795億ウォン)に比べ10.3%増加した。(引用元:『拡大する韓国化粧品市場 外国人観光客の需要増で』/聯合ニュース

それぞれ前年の韓国コスメの売り上げと比べて、、、
2011年:10.3%アップ
2012年:5.3%アップ
2013年:5.7%アップ
です。

主要な顧客は、中国人で、今年も前年度よりも売れているようです。観光客も以前は日本人が中心でしたが、今では中国人が一番多いです。 どうやら、主要な外国人顧客を日本人から中国人に変えたようですね。

あと、もうひとつ気になるデータが・・・
韓国の小売販売増加率は、
2011年:9.4%アップ
2012年:4.2%アップ
2013年:1.2%アップ
です。

どんどん右肩下がりなのですが、それでも昨年は1.0%を超えていました。 でも、韓国・統計庁の家計動向調査(2人以上の世帯基準)の結果、化粧品が含まれる美容に使った月平均支出額4~6月期は0.9%の増加にとどまっています。 韓国人は愛国心が強いとされているものの、自国の化粧品はあまり使わないようです。

これは、車にも同じ傾向が出ています。

2014年8月26日、韓国・朝鮮日報によると、韓国自動車産業協会が発表した韓国国内の今年上半期の新車登録台数で、現代自動車と起亜自動車を合わせたシェアは69.5%にとどまり、7年ぶりに70%を割り込んだ。27日付で中国経済網が伝えた。(引用元:『韓国の新車販売、現代・起亜のシェア7割切る=7年ぶり、輸入車人気で―韓国紙』/Record Japan

7年ぶりに韓国車メーカーのシェアが7割を切りました。 韓国車よりも輸入車(残念ながら日本車ではなく欧州車)に人気が集まりつつあるようです。

今まで韓国人は、無条件に自国の商品を選んでいた傾向にあったのですが、最近は中身を吟味する人たちが増えてきたのかもしれません。

国策でブームを作り一時的に売れたとしても、中身が伴っていないと、自国の人すら使わないという結果を招きます。このままだといずれ中国人にも売れなくなってしまうのでは・・・化粧品・車などの韓国メーカーは、今以上に質の高い製品を開発する必要に迫られていると言えます。

井上龍弥

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