化粧品の無料サンプルには3つの弱点があります化粧品はもちろん、様々な業界で、『無料サンプル』があります。

『無料サンプル』とは、読んで字の如しで、自社の商品を使ったことのないかたに無料で試していただくことが目的です。試すほうにとって、無料なのでリスクがありません。そのため、有料サンプルよりも、無料サンプルの方が抵抗無く使っていただけます。使ってもらえるその差は、場合によりますが約3~10倍ほどになります。

例えば、ある化粧品の1,000円程度の有料のサンプルが100個申し込まれたとします。これを無料にすると、おおよそ300~1,000個ほど申し込まれます。数に開きがありますが、これは広告手法および、化粧品そのものの特性によって変わるためです。

このように化粧品メーカーから見れば、たくさんのお客さんに自社の化粧品を使っていただけます。一方、使う側のお客さんも無料なので、仮に自分に合わなかったとしても痛くもかゆくもありません。化粧品メーカーから見ても、使う側であるお客さんから見ても、双方にメリットがあって、なんてすばらしい方法なんでしょう。すごいぞ!無料サンプル。

ですが、私はお試しセットを有料にしています。無料サンプルは用意していません。「こんなにすばらしい方法なのに、なぜ採用しないのか?」と思われるかもしれません。実際に、たまにこういった質問を受けることがあります。答えは、一つです。

確かに、無料サンプルは、化粧品メーカーにとってもお客さんにとってもメリットのある手法だと思います。でも、三つの弱点があります。私は、その弱点がどうしても納得できません。

だから、私は無料サンプルを採用しませんでした。

無料サンプルの弱点①

一つ目は、『無料サンプルは無駄の塊!』だということ。

化粧品の無料サンプルは使うほうにデメリットがないため、「とりあえずもらっておこう」という心理が働きます。確かに、もらってくれる人は増えるのですが、その反面、サンプルを使ってくれる人は減ります。

あなたも経験がないでしょうか?

無料でもらったものを使わなかった経験が・・・。下手をすると、もらったことすら、記憶のかなたに忘れ去った経験が・・・。

私は、山ほどあります。

私だけではありません。

私は、サラリーマン時代、美容室専用のシャンプーや化粧品を卸していました。その際、新商品が発売されると、無料サンプルを持って営業に回ります。私だけではなく、他のメーカーでも同じようなことが行われています。

そのため、美容室側も慣れていて、「新商品が出たので持ってきました!」と入っていくと、慣れた口調で「あ~、そこの物置に入れておいて~」と言われます。で、物置に入ると、いろいろな化粧品の無料サンプルがドッサリ。その中には、私が前回持ってきた化粧品のサンプルもそのままの形で積んでありました。その頃から、「もったいなぁ~、使わないならいらないと言ってくれればいいのに・・・」と感じていました。

このように、無料サンプルは手にしてもらいやすくても、忘れ去られてしまう可能性があるので、結果的に愛用してもらえる確率も減ります。すると、無料サンプル代や送料などの費用を大量にかけているにもかかわらず、誰も使わないという状況になります。

そして、使用期限が過ぎたら、すべて破棄されます。最近は、破棄するにも費用がかかります。サンプルのコスト、配送するための人件費、破棄するための費用、完全に無駄ですよね。誰も得をしません。

無料サンプルの弱点②

二つ目は、『無料サンプルは、化粧品メーカーの手抜き!』だということ。

無料サンプルって、何か化粧品メーカーが手を抜いているような気がするんですよね。無料サンプルは、本当にたくさんの人に使ってもらえます。確かに、これはメリットなのですが、ただの安売りのように思えてしまいます。

使う人は、そのサンプルが使いたいからもらうのではなく、タダだからもらう場合が多いと思います。極端に言えば、タダにすれば、どんなに価値のないものでも受け取ってもらいやすくなります。

でも、これって、「その企業の存在理由がなくなっているのでは?」と感じます。「いくらお試しだとしても、タダにしないと使ってもらえないものを作って、果たして、そのメーカーの存在意義はあるのだろうか?」と疑問に感じます。

企業というのは、「この商品をお金を払っても使いたい!」という商品を開発してこそ存在意義があると思えてなりません。

(ただ、まったく新しいものや既存の概念からは想像できない商品の場合は、この限りではありません。)

信じられないかもしれませんが、本当に何も考えずに、無料サンプルをばら撒いている化粧品メーカーも多いのです。

私は、独立して会社を創った当初は、OEMを行っていました。OEMとは、簡単に言うと、化粧品メーカーになりたい企業や個人に対して、化粧品のブランドを開発・製造をすることです。今までいくつもの化粧品ブランドを作ってきました。

その中には、「○○と同じ化粧品を作ってください」と言う人がたくさんいます。いわゆるパクリですね。もちろん、私も少なからず開発者としてのプライドがあるので、いろいろと付加価値をつけた化粧品に仕上げます。

苦労して納得できる化粧品ができたのもつかの間、次に相談されるのが販売方法です。そこで、第一声に言われるのが、「まずは、無料でサンプルを撒いたらいいですよね~」という言葉。

化粧品の中身は、パクリ。売り方は、適当。最初の頃は本当に驚きましたが、そんな人が多かったので、いつの間にか慣れてしまいました。化粧品のことを表からしか見ずに、化粧品に対する憧れだけでメーカーになる人がそれだけ多いのです。結局、こんなことの繰り返しが嫌になって、OEMそのものを辞めてしまいました。

私の個人的な経験からですが、無料サンプルをまいている化粧品は中身も、売り手もあまり信用できません。もちろん、すべてがそうではないことはわかっていますが・・・。

次回は、最後の弱点をお届けします。

今まで書いた二つの弱点よりも、この最後の弱点が一番許せません。

何と言っても、使う人が損をするのですから。

(著:井上龍弥

この記事があなたのお役に立てたならうれしいです。
下記をクリックしてもらえたらもっとうれしいです。
この記事があなたのお役に立てたなら、おなたのお友達にも教えてあげてください。
下記をクリックするだけでOKです。


ページトップへ