5月に入って、一気に気温が上がってきました。と同時に、紫外線量も強くなって、美白化粧品のCMが増えてきました。

どうやら、去年のカネボウ白斑問題は遠い記憶の彼方に追いやられているようです。

美白化粧品は、化粧品メーカーにとってドル箱なので、業界としてもなかったことにしたいのでしょう。

で、美白化粧品のCMをなんとなく眺めていると、ゲンナリします。今に始まったことではありませんが、やたら注釈が多い。1秒単位で、「※◯◯◯」という注釈が流れます。あまりの早さに、何が書いてあるか読み取ることができません。フラッシュ暗算(数字の書いたカードを高速でめくって暗算する)に匹敵する難易度です。

しかも、文字が小さい。注意してみないと、注釈の存在にすら気づかないでしょう。あなたも思い起こしてください。化粧品のCMを見て、そこに書かれている注釈って見てますか?何が書かれていたか覚えてますか?

不思議ですよね。化粧品CMの注釈って、見ている人にとって必要なことだから、わざわざ表示させます。なのに、非常に見逃しやすいように書かれています。

そこで、今回は、「一体、美白化粧品のCMにはどんな注釈が流れているのか?」これを解読してみました。すると、そこには驚くべき事実が隠されていました。では、今から見ていきましょう。

多すぎる美白ファンデーション注釈の表示

それでは、某大手化粧品メーカーの15秒CMを例にとってみましょう。

さて、ここで問題です。あなたは、この大手化粧品メーカーのCM15秒中に、何度注釈が出たと思いますか?

答えは、5回です。平均すると、3秒に1回です。

もう少し細かく見ていきましょう。

注釈を文字数にすると、全部で102文字。1つ当たりの注釈文字数は、平均20文字程度。

1つあたりの注釈表示時間は、0.5秒~1.5秒。平均すると1秒です。

こうして見てみると、そりゃあ、読み取るのは不可能だってことがわかります。画面に大きな文字や動画・演者が話している中に、小さな20文字程度の注釈が3秒単位に入れ替わり、1秒で消えていく・・・。認識できるわけがありません。

では、次に、注釈を拾い上げて、内容を見ていきましょう。

美白ファンデーションのCMの注釈内容と考察

1秒経過:
◯◯の美白と大きく表示されると同時に、『※メイクアップ効果で肌を明るく見せ、シミ、ソバカスをカバーします』と表示。

5秒経過:
シミのある肌、ファンデーション塗布後という文字とシミが消える動画が大きく表示されると同時に、『※メイクアップ効果による仕上がりのイメージ』と表示。

7秒経過:
〈光イリュージョン〉と大きく表示されて、演者が「不思議、でも自然」とつぶやくとともに、『※光と目の錯覚を利用したメイクアップ効果』と表示。

9秒経過:
透明感続く肌へと表示されるとともに、『※メイクアップ効果』と表示。

11秒経過:
美白ファンデーションの化粧品名が表示されるとともに、『※メイクアップ効果で肌を明るく見せ、シミ、ソバカスをカバーします』

それでは、それぞれの注釈について考察していきたいと思います。

まず、1秒と11秒経過した時に表示される『※メイクアップ効果で肌を明るく見せ、シミ、ソバカスをカバーします』という注釈。本来、美白効果は化粧品には認められていません。美白効果が認められているのは、医薬部外品(薬用化粧品)です。医薬部外品の範疇で認められている美白効果は、メラニンの抑制と肌の漂白・脱色です。

もちろん、ファンデーションにこういった効果はありません。ですので、薬事法違反となります。そこで、注釈の出番です。注釈を書くことで、「うちが言ってる美白効果は、化粧品での効果ではなくて、メイクアップ効果によるものですよ~」と主張できます。一応、これで薬事法はクリアとなります。

5秒経過した時に表示される『メイクアップ効果による仕上がりのイメージ』も同じで、「シミが消える動画を流してますが、本当にシミが消えるわけではなく、あくまでファンデーションを使ったあとの仕上がりイメージなんですよ~」と主張できます。

9秒経過した時に流れる『光と目の錯覚を利用したメイクアップ効果』も同様です。「美白ファンデーションの効果効能ではなく、メイクアップ効果なんですよ~」と主張できます。

こんな内容で、美白ファンデーションと言えるのか?

こうしてみると、美白ファンデーションのCMと注釈では、大きな相違があることに気づきます。

CMの趣旨は、美白ファンデーションを使うと、通常のファンデーションよりもシミ、ソバカスが消えて、不思議なくらい自然な仕上がりで透明感の続く肌に改善されることを主張しています。

一方、注釈だけを見ると、「美白、美白って言ってるけど、実際は、通常のファンデーションと同じでメイク効果なんですよ~」と主張しています。

つまり、建前と本音の関係ですね。建前を見ると、画期的な美白ファンデーションですが、本音を見ると普通のファンデーションです。

では、普通のファンデーションなのに、なぜ、美白ファンデーションと名乗るのでしょうか?

答えは、簡単です。これから紫外線量が強くなる時季、とにかく『美白』と付けとけば、山ほど売れるんです。

あれだけ白斑問題が騒がれても、多くの人は「自分は大丈夫!」と思って、美白ファンデーションを購入します。実際、よく売れます。

でも、美白ファンデーションと言っても、実際には普通のファンデーションとさほど変わらないので、メイク効果で選んだほうが賢明だと思います。

ちなみに、私は、個人的に美白効果には否定的です。以前も書きましたが、敏感肌や乾燥肌などトラブル肌の人は、むやみには使わないほうが良いと思っています。

井上龍弥

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