ブルース・リーは、「考えるな、感じろ」と言うけれど、スキンケアは感じちゃダメかも・・・。

私は、ブルース・リーが好きです。もしかしたら、若い人はブルース・リーを知らないかもしれませんね。ブルース・リーは、中国人のアクションスターのことです。

父親の影響なのですが、たぶん生まれて初めて私が見た映画が、ブルース・リーの映画だと思います。

私が小学生の頃、寝る時間は夜の9時と決められており、もし破ると鉄拳制裁が炸裂していた我が家。でも、ブルース・リーの映画があるときは、11時まで起きていて良いという暗黙のルールがありました。そのため、幼少期に見た映画はブルース・リーが出演しているものぐらいしか記憶にありません。後に、ジャッキ-・チェンの映画もOKになりました。

ブルース・リーはほんとにすごい人で、ひとことで言うと、『ハリウッドに認められた初めての東洋人』です。非常に考え方が柔軟で新しい取り組みを好み、それまでのいくつもの常識を覆してきた人です。そんな人ですから、いろいろ名言を残しています。

そのひとつに、「考えるな、感じろ!」という名言があります。いろいろな解釈があるのですが、私は、「考える」という頭だけではなく、「体全体の機能(五感)で判断しろ」ということだと理解しています。実社会においては、机上の空論よりも、時に、実践の中で肌で感じたことのほうが役立つことがあります。

でも、この肌で感じる感覚というのも万能ではないんですよね。特に、化粧品やスキンケアで行う場合には、感覚で判断をすると、失敗してしまうことが多々あります。

今回は、そんなお話です。

 

スゴイの!?ニブイの!?なんだかややこしい『感じる』力

ガラリと内容は変わりますが、先日、私は鼻の手術をしてきました。アレルギーによるものですが、鼻が詰まって口呼吸がひどいため、唇荒れに悩んでいたことがきっかけです。今は、ずいぶんと鼻の通りもよくなって快適です。

実は、この手術をする際に、面白い発見がありました。それは、手術前の同意書について、医師から説明を受けていた時のことです。

同意書を見ると、「手術を行っても効果がみられない場合があります」と書かれています。

私は、不思議に思いました。

わざわざレーザーで鼻の中を焼くのに、何の効果も無いことがあるのか?と不思議に思い、医師に質問をしました。

すると、医師は、「いや、個人差はあるものの、効果は必ず出ます。でも、患者さん自身が効果を感じないことがあるのです。」と言いました。

つまり、手術をすることで鼻の通りは良くなっているのに、患者自身が以前と変わっていないと感じることがあると言うのです。

また、その逆もあって、鼻の内部の形や症状によっては、手術をしても、さほどの効果が出ない時もあります。にもかかわらず、患者は鼻が通る実感を得て、満足することがあるそうです。

実際に、鼻の通りをよくするために、私が受けた鼻の中をレーザーで焼く手術で効果が無かった場合、鼻の骨を取る手術があります。これをすれば、どんな人でも鼻通りが良くなるそうです。鼻づまり改善率100%です。

医師曰く、鼻通りが悪い理由の多くは、鼻の中の形だそうです。中が狭かったり、曲がっていたりするためです。そして、こういった要素を決めているのが鼻の骨です。だから、鼻の骨を取ってしまえば、鼻の中も広くなりまっすぐになります。鼻通りも良くなります。

でも、患者の中には、実感を得られない人が一定数いるそうです。確実に、鼻が通っているのに、以前と変わらない感覚なのだそうです。これは、空気を吸う際に抵抗が無くなることで起きる現象です。

つまり、鼻通りが良くなりすぎて、呼吸している実感を得ることができないのです。逆を言えば、鼻通りの良さを実感するためには、ある程度、空気を吸う抵抗を感じる必要があります。つまり、少しは鼻が詰まっているほうが、鼻通りの良さを味わえるということです。何だか、ややこしいですね。

ただ、こういったことはよくあると思います。人間の感覚は、すごく感度が良く、高機能なのですが、たまにポカをやらかします。私にもいくつか経験があります。

 

『感覚』が当てにならなかったエピソード

子供の頃、友達とバドミントンで遊んでいたときのことです。

友人Yは、バドミントンの羽根を拾うために、ブロック塀に頭から突撃してしまいました。少し血が出たもののすぐに止まったので、そのまま遊んでいました。

翌日、Yに会うと、頭が包帯でグルグル巻きになっていました。Yに話を聞くと、どうやら寝ている間に頭の傷から出血して、枕が血でグッショリ濡れていたそうです。「あともうちょっとで死んでた」と、得意げな顔で語っていたのを覚えています。

つまり、1度止まった血が、寝たあとに死ぬほど再出血していたのに、そのまま朝まで気づかなかったらしいのです。

また、こんなこともありました。私は以前、理美容業界専用の化粧品を開発する企業で働いていました。そのため、全国の理美容室をまわって、自社化粧品の説明会を行っていました。

大体、夜の8時以降が多く、昼間は通常業務、夜は説明会という生活をしていました。ほとんどの場合、早めに美容室に着く事があると、店内の一角でコーヒーを飲みながら店長と説明会の打ち合わせをします。たまに、店長がスタッフに講習をしていることもあります。そのときは、同じようにして講習内容を聞いています。

ある日、シャンプーのやり方の講習がありました。そのときも早く着いたので、店長から実験体になって欲しいと頼まれて、シャンプーをされることになりました。いろいろなテクニックがあったのですが、その中で「頭の頭頂部付近を洗うときは、思っているより力を入れる」というのがありました。

「頭皮というのは、非常に鈍感なため、力を入れて洗わないと、お客さんが気持ち良さを実感できない」と言うのです。

実際に、私自身が体験すると、なるほど、力を入れられる洗い方が確かに気持ち良く感じます。洗ってもらって、きれいになっているという満足感を得られます。

でも、この後、頭皮にヒリヒリ感が出てきて、しばらく痛みました。たぶん、力を入れたことが刺激になったのでしょうね。確かに、気持ちは良かったのですが、私の敏感な頭皮には良くなかったようです。

このように、頭から出血していても気づかなかったり、きつすぎる刺激を「気持ち良い」と感じたり、結構、私たちの感覚というのは当てにならないところがあります。

 

男性用化粧品に多用されるスーッとするメントールもそうですよね。多くの人は、あの感覚を「気持ち良い」と感じるんですが、私にとっては強い刺激となって、赤くなって炎症を起こすこともあります。

特に、スキンケアに関わっていると、こういった例はよく耳にします。私は、ゲルクリーム(ジェルクリーム)を開発して、販売しています。

もともと私自身が極度の乾燥肌で、自分をモルモット代わりに研究したのがきっかけです。保湿に特化しており、その割にはべとつかず、使いやすいものです。

でも、今まで10万人を超える方に使っていただいた感想をみると、3つに分かれます。

①普通
②べたつく
③物足りない

人によって違います。

もちろん肌質によって違いは生まれるのですが、私たちの化粧品を試す方は100%乾燥肌で悩んでいる方なので、乾燥の度合いは違えど、肌質は近いものがあります。当然使っている化粧品は同じなので、この違いは『感覚の差』と言えます。

では、この『感覚の差』はどうやって生まれるのでしょうか?

 

あなたはどのタイプ?化粧品選びに発揮される『感覚』3タイプ

まず、普通の人は、感覚の幅が広い人たちです。こういった方たちの多くは、先入観を持たず、ニュートラルな気持ちで化粧品を使うことのできる方たちです。だから、特に問題はありません。

次に、「べたつく」と感じる方たち。この場合は、以前使っていた化粧品との比較で感覚の違いが生まれます。

前に使っていた化粧品が非常に保湿力の弱いあっさりとしたものだと、当然べたつくように感じます。この場合、『保湿力が上がる』=『べたつくように感じる』のは当たり前のことですが、『べたつく』というマイナス面のみが印象に残ってしまいます。

最後に、物足りないと感じる方たち。この場合は、ほとんどが使用量の問題です。化粧品の中には、伸びの良いことを特長にしているものがあります。「少しつけるだけで顔全体に広がる」などと宣伝されている化粧品です。

化粧品に伸びがあると、「気持ち良い」と感じる方が一定数おられるようで、こういったタイプの化粧品は人気があります。そのため、こういった伸びのある化粧品と同じ量を使うと、少し物足りなさというマイナス面を感じます。

当社のゲルクリームは、使用感を無視して保湿機能に特化しているので、少し多めに使う必要があります。だから、適切な使用量を使うことで解決します。

 

肌トラブルを改善するなら、「考えるな、感じろ!」ではなくて・・・

このように、化粧品を使う感覚というのは、それまでの経験との比較による要素が非常に大きいです。「普通」と感じる人たちは問題ないのですが、「べたつく」、「物足りない」と感じる人たちは、そのマイナスの感覚で使うことをやめる場合があります。もちろん、どんな化粧品を使うかは、その人の自由なので異論はありません。でも、この行動パターンには矛盾を感じます。

多くの人が、化粧品を変えたり、新たなスキンケアに挑戦するのは、以前のものに満足していない場合が多いと思います。(中には、単純に飽きたり、新しいもの、流行のものを使いたいという嗜好性の強い人もいることは、ちょっと横に置いときます。)

つまり、過去に経験したものと違うものを望んでいるはずなのに、過去の経験によってやめてしまう。非常に不思議な行動パターンです。でも、感覚に頼りすぎると、こういった矛盾した決断をしてしまうことがあります。

もちろん、過去の経験を元に判断することが正しい場合もありますが、化粧品選びやスキンケアの場合、私は感覚を無視したほうが良いと思います。

それよりも、新しい化粧品を使った結果・新しいスキンケアを試した結果で判断するのが、一番確実です。それに、化粧品の場合は、使用感を人為的に作ることができますからね。また、使用感のよさと化粧品の効果には何の関連性もありません。

では、どうすればいいのか?

例えば、乾燥肌に悩んでいるなら、実際に化粧品やスキンケアを一定期間(大体3ヶ月~半年)試してみて、自分の肌がどうなったかを検証するのです。その結果に満足すれば続ければいいし、不満があるなら新たなものを探せばいいのです。そして、いろいろ試して、それらの結果を基準にもっとも自分に適したものを選べばいいと思います。ちなみに、私はこれを繰り返して、乾燥肌を改善することに成功しました。ぜひ、参考にしてください。

肌トラブルを改善するためには、「考えるな、感じろ!」ではなく、「感じるな、一定期間試せ!」です。

(著:井上龍弥

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