紫外線の基礎知識から肌への影響まで徹底解説。紫外線によるダメージを防ぐ方法を専門家が分かりやすく指南。日焼けを避け、健康な肌を保つための必読情報をお届けします！”
多くの人が肌の大敵と認識している紫外線、しかし実際のところ「紫外線とは具体的にどのようなものなのか」と疑問を抱えている方々も少なくないでしょう。
そうした疑問を持つ方々に向けて、この記事では紫外線の正体と肌への影響について明らかにします。また、肌を紫外線から保護する手段についてもご案内いたしますので、紫外線対策に頭を悩ませている方は是非参照してください。
紫外線の基礎知識をおさらい！
紫外線とは、太陽からの光の一部であり、私たちの目には見えないけれども、強大なエネルギーを秘め、物質に化学変化を引き起こす性質があります。波長の長短によりUV-A、UV-B、そしてUV-Cの3種類に区分けされています。
UV-Cは波長が短いため、大部分がオゾン層で吸収されます。地上にはUV-AとUV-Bが主に届きますので、これらから皮膚を守ることが紫外線対策には不可欠です。
紫外線が与える肌への影響って？
UV-AとUV-Bは波長が異なるため、肌に与える影響もそれぞれ異なります。ここでは、それぞれの影響について詳しく見ていきましょう。
UV-Aの影響
UV-Aにさらされると、メラノサイトが活性化しメラニン色素の生成が促され、肌の色が濃くなります。これは紫外線の深部への到達を抑える自己防衛の一環です。
ただし、UV-Aが招く影響は日焼けに留まりません。その波長は肌の深層部分にも届き、シワやたるみの原因となる光老化現象をもたらします。
特筆すべきは、UV-Aが窓ガラスも容易に透過するため、「室内にいれば安全」との思い込みにより、無意識のうちに被曝している場合があることです。加えて、UV-Aは皮膚に痛みを感じさせることなく影響を及ぼすため、知らず知らずのうちにダメージを受けている可能性があります。
直ちに肌への影響が顕在化するわけではありませんが、時間をかけて徐々に肌への悪影響を与えるのが、UV-Aの特徴と言えるでしょう。
UV-Bの作用
UV-Bに曝露されると、肌は赤く炎症を起こし、まるでやけどをしたかのような状態に陥ります。日焼けによるヒリヒリ感や水ぶくれがUV-Bの作用によるものです。
波長が短いUV-Bは、UV-Aと違い、肌の深層まで到達することは少ないです。
UV-Bは主に表皮に影響を及ぼし、その結果、細胞を損傷し炎症を引き起こします。これがシミやそばかすといった皮膚の問題を招く原因となります。
紫外線量の変動パターン
紫外線は天候や季節に関わらず降り注ぎますが、その量は季節、時間帯、そして天候によって変わります。季節や時間、天気に応じた紫外線量の変動について詳しく見ていきましょう。
紫外線と季節の関連性
強烈な夏の日差しと比較して冬はやや穏やかですが、「夏場のみ紫外線対策をすれば十分」と思うのは誤りです。年間を通じて紫外線は存在しており、季節に関わらず油断大敵です。
紫外線量が季節により変わるのは確かで、特にUV-Bは4月から9月にかけて増え、冬季は夏季の約5分の1です。
UV-Aも季節変動に応じ、冬には夏の50％程度にも関わらず降り注いでいます。紫外線に無防備でいると、徐々にその影響を受けてしまいます。寒い季節でも紫外線対策は怠らないようにしましょう。
時間別紫外線指数
一日のうちで紫外線の強さは変動し、朝7時を境に増加し始め、9時頃には急激に高まります。
特に紫外線が多くなるのは10時から14時の時間帯で、この間は可能な限り外出を控えることが肌を守る秘訣です。
とはいえ、夕方ともなれば紫外線が完全になくなるわけではないので、日中だけでなく、日が沈むまでは紫外線防御策を心がけることが重要です。
天候による紫外線量の変動
快晴の日は紫外線対策をしっかりとしていても、曇りや雨の日はつい怠ってしまうことがあるかもしれません。
晴れの日の紫外線を基準にすると、曇天では約65％、雨天でも20％の紫外線が地表に届きます。
UV-Aは雲を容易に通過し、UV-Bでさえ薄い雲ならば約80％が地上に達するとされています。天候が芳しくないからと日焼け防止策を怠ると、思わぬ日焼けのリスクを招くことになりますので、気をつけましょう。
肌を紫外線から守る秘訣
どのようにして肌を紫外線の害から保護すれば良いのでしょうか。普段の生活で手軽にできる紫外線ケア方法をいくつかご提案します。
日焼け止めの選び方と使い方
紫外線保護策と言えば、まず思いつくのは日焼け止めが一般的です。日焼け止めは紫外線から肌を守る働きがあり、その性能は「SPF」や「PA」という指標で評価されます。
SPFは主にUV-Bに対する保護能力を数値化したもので、この数値が高ければ高いほど、UV-Bから肌を守る力が強いとされ、最高値は50+とされています。
PAはUV-Aをブロックする力を示し、+から++++の4段階で、プラスが多いほど防護効果が強いことを意味します。
日焼け止めは塗布する際にムラがないようにし、十分な量を使用することが重要です。不適切な使用では、表示されている保護効果を充分に得ることができないためです。
耳たぶや首筋、胸元など、塗り残しがないよう注意深く塗り、汗や摩擦で落ちやすいこともあるため、定期的に再塗布することも重要です。
日焼け止めの詳しい使用法については、以下の記事で確認してください。
「1日焼け止めの効果的な塗り方と避けたい誤った使い方」
目も紫外線対策を
紫外線が目に入ることで、脳がメラニンの生成を促す命令を出すことが、肌の日焼けにつながるとされています。
目に紫外線が届くのを防ぐためには、サングラスを活用して目を保護しましょう。レンズが濃い色であれば紫外線防御効果があると誤解されがちですが、色の濃淡は紫外線カット性能とは無関係です。紫外線カット効果が確認できるサングラスの選択が重要です。メラニン生成を抑えることで、シミやくすみのような肌トラブルを未然に防ぐ効果が期待できます。
紫外線防御に、UVカット傘の使用を
紫外線から身を守るには、日傘の使用が効果的です。サングラスと同じく、紫外線防止効果を表記した日傘を選択することが重要です。顔や首筋、デコルテ部分に直接紫外線が触れるのを遮ることで、紫外線によるダメージを軽減できます。
ただし、地表から反射する紫外線には日傘だけでは対応できないため、日焼け止めをしっかりと塗布することを併せて推奨します。
紫外線についてもっと知ろう！Q&Aで学ぶ
これからは紫外線についてよく寄せられる疑問に答えていきます。疑問を解決し、紫外線の知識を深めていきましょう。
Q.人によって紫外線の肌への影響は違うのでしょうか？
A．紫外線への感受性は肌のタイプによって異なり、日焼けにも個人差があります。
紫外線に晒されると、黒くなりやすい人もいれば、赤みを帯びるだけで色が濃くならない人もいます。これは肌のタイプ（スキンタイプ）ごとの紫外線に対する反応の違いによるものです。
スキンタイプは、肌の色や日焼けのパターンに基づき、次の6つに分類されます。
- 容易に赤くなり、黒くなることはほとんどない
- 赤くなりやすく、その後わずかに色が濃くなる
- 赤くなり、ある程度色が濃くなる
- あまり赤くならずに色が濃くなる
- もともと肌が褐色で赤くなることが少ない
- もともと肌が黒褐色から黒色で赤くならない
日本人では2から4のスキンタイプにあてはまる人が多いです。肌が白く、日焼けしても赤くなるだけの人は、メラニン色素があまり生成されないため、紫外線による光老化に特に注意が必要です。
Q.室内でも紫外線防止策は必須ですか？
A.室内にいてもUV-Aは窓越しに入ってくるため、紫外線防止策は欠かせません。オフィス等で窓際にいると、思った以上に紫外線にさらされがちです。室内だと油断しがちですが、日焼け止めを塗る等の対策を心がけましょう。
Q.子どもの紫外線保護にはどのように対処すればよい？
A.身長が低い子どもは、地面からの反射による紫外線を大人以上に受けやすいです。子どもの肌を紫外線から守るためにも、しっかりとした対策が必要です。特に、子ども用の低刺激性日焼け止めがおすすめで、使用前には皮膚の柔らかい箇所に試し塗りして異常がないことを確かめましょう。さらに、帽子を使って直射日光を避ける工夫も効果的です。
総括
UV-AとUV-Bという地表に到達し肌を害する紫外線は、それぞれが肌に与える影響と地上に到達する量が異なります。これらの効果を知っていれば、紫外線対策がより手際よくできるでしょう。
季節や時間帯、天候にかかわらず紫外線は常に降り注いでいます。日焼け止めをこまめに塗り直すなどして、光老化やシミ、そばかすのリスクを減らしましょう。
更新日：投稿日：2024.03.02
