『オイル美容』とは、2013年頃からじわじわと流行し始めた美容法で、その名のとおり、オイル(油分)を使ったスキンケア方法のことだそうです。

毎日のスキンケアにはもちろん、エイジングケアとしても人気です。

私たちのもとにも、特に肌の乾燥にお悩みの方から、「スキンケアにオイルを使うのはどうですか?」というご質問をいただくことがあります。

確かに、油分は、肌を健やかに保つためには欠かせないものです。

ということは、『オイル美容』は、乾燥肌や肌トラブルの改善に効果があるのでしょうか?気になりますね。

今回は『オイル美容』、そして、『オイル』と乾燥肌のスキンケアについて、お話したいと思います!

  • 乾燥肌対策にオイルを使おうと思っている
  • 実際にオイルを使っているけど、いまいち保湿効果を感じない
  • 乾燥肌にいいスキンケアを探している

こんな方には特に、新しい発見があると思います。

では、さっそく見ていきましょう。
 

もくじ
『オイル美容』とは?
– どんな使い方をするの?
– どんなオイルを使うの?
– どんな効果があるの?
1.『スキンケアの最後にオイル』は、乾燥肌に効く?3つの注意点
– 実は「乾燥する」
– 「乾燥しない」という錯覚がキケン
– 『保湿』ができない
2.『洗顔後、すぐにオイルを塗る』は、乾燥肌に効く?2つの注意点
– 油分は水分をはじく
– 「しっとりする」のは、浸透しているからじゃない
まとめ

オイル美容とは?

まず、ちまたで『オイル美容』と呼ばれている美容法について、基礎知識を固めていきましょう。

どんな使い方をするの?

『オイル美容』という言葉は、オイルを使用したスキンケア方法の総称です。

そのため、どんなふうにお手入れするのかは様々です。よく行なわれているお手入れのやり方をいくつか挙げてみますね。

オイルを使ったスキンケアの一例

  • スキンケアの最後にオイルを塗る
  • 洗顔後の肌に、まずオイルを塗る
  • 化粧水とオイルを混ぜる
  • クレンジング剤としてメイク落としに使う
  • ファンデーションなどのメイク用品に混ぜる
  • フェイスマッサージに使用する
  • 頭皮や体のマッサージに使用する
  • シャンプー後、オイルを塗ってから髪を乾かす
  • お風呂上りのタイミングで、オイルを塗って体を保湿する

ご覧のとおり、スキンケアにも、メイクにも使え、なおかつ、顔だけでなく体や髪にも使える便利さが、オイル美容人気の理由のひとつのようです。

どんなオイルを使うの?

オイル美容にはさまざまな種類のオイルが使われます。

よく用いられるオイル

  • ホホバオイル
  • アルガンオイル
  • マカダミアナッツオイル
  • オリーブオイル
  • ココナッツオイル

このような植物由来のオイルがよく使われます。他に、昔からヘアケアによく使われる椿油や馬油もあります。

特に、『100%天然』や『オーガニック』を特徴としたオイルが人気のようです。

どんな効果があるの?

これが一番気になるところですね。

簡単に言うと『保湿ができる』と言われています。

となると、乾燥肌でお悩みの方なら気になって当然ですね。

では、そんなオイル美容の『保湿効果』を掘り下げていきましょう。

今回は、いくつかあるオイル美容方法のうち、乾燥肌の人がよく行っている

  1. 「スキンケアの最後にオイルを塗る」の効果
  2. 「洗顔後、すぐにオイルを塗る」の効果

について考えてみたいと思います。

1.「スキンケアの最後にオイルを塗る」の効果

「いつものスキンケアの後にオイルを塗るだけで保湿力アップ!」というのが、このお手入れ方法の特徴です。

一般的なスキンケアの手順で考えると、

1.化粧水で水分を与える
2.オイルを塗る

となります。

この順番でオイルを塗ると、肌は確かにしっとりします。そして、それまでの肌の乾燥も気にならなくなります。

それもそのはず!

元来、油分(オイル)は肌との相性がとても良いものです。

肌の表面には、皮脂と汗が混じった油膜があるためです。肌に水分を与えるとこの天然の油膜がはじいてしまいますが、油分(オイル)だと、抵抗なく油膜となじみます。

そのため、オイルを塗ると、比較的短時間で肌になじんで、表面はしっとりサラサラになります。このような肌の変化から、「しっとりした」という実感を得やすいのです。

また、肌表面にある油膜は、肌の角質層(水分をたくわえている部分)から水分が蒸発することを防いでいます。

オイルを塗ると、この油膜の働きを助けることができます。つまり、角質層の水分を守るんですね。この点で、「乾燥を防ぐ効果がある」と言えます。

「なんだ、やっぱり、オイル美容はすごいな!」という感じですが、実は、この話には続きがあります。

しかも、それがすご~く大切!かつ、世の中ではほとんど注目されていない『注意点』です。

『スキンケアの最後にオイル』
3つの注意点

注意点1
実は、「乾燥する」

まず、オイルを塗っても、肌の水分蒸発を100%防ぐことはできません。蒸発を少し抑えられる程度です。

極端な例を出すと、肌が乾燥するまでの時間が、オイルを使わない場合が3時間、使った場合は4時間という感じです。乾燥するまでの時間を少し延ばす効果といえます。(時間の差は、あくまでもイメージです)

注意点2
「乾燥しない」という錯覚がキケン

さらに気をつけなければいけないことは、オイルを塗った後の『しっとり感』です。

先ほどお話したとおり、オイルを塗った後も、肌の水分は蒸発していきます。でも、肌の表面が油分でしっとりしていると、『蒸発による乾燥を感じにくく』なります。

これは、実はとても危険なことです。

もし痛覚が無かったら、骨が折れていても気付きません。それと同じで、乾燥しているのに乾燥を感じないと、適切な対処をすることができません。

その結果、知らない間に乾燥肌が深刻化して、肌トラブルを招く・・・ということが起こりやすくなるのです。

注意点3
『保湿』ができない

3つ目の注意点は、オイルを塗ると、肌に水分を与えられなくなることです。

先ほど、『肌表面の油膜は水をはじく』という話をしました。とはいえ、人の肌が作る油膜は、水分(汗)と油分(皮脂)が混ざったものです。

一方、オイル美容で使用されるオイルの多くは、油分100%です。肌が作る油膜よりも、水をはじく力が強いです。

だからこそ、角質層からの水分蒸発を防ぐわけですが、逆に考えると、『オイルの上から水分を補うことができない』ということでもあります。

「朝、スキンケアをしたら、夜まで水分を補ったりしないから問題ないじゃない?」と思わるかもしれませんが、大問題です!

乾燥肌の方は、年齢を重ねると、『水分を維持する肌の機能』がどんどん衰えていきます。これはつまり、時間の経過とともに肌が乾燥するということです。

この状況を放置していると、シワやシミ・たるみなどの肌の老化現象を目立たせることにつながります。ですから、朝・晩に限らず、『日中も保湿ケアをすること』が、エイジングケアの基本です。そして、このように常に水分を与えるスキンケアが『正しい保湿』だと言えます。

ところが、オイルを塗ってしまうと、水分が蒸発して肌が乾燥しても、水分を与えることができません。さらに、注意点2でお話した『乾燥している事実に気付きにくい』ことが肌の水分不足を悪化させます。これは乾燥肌の人がオイル美容を行う上で、必ず知っておいていただきたいことです。

では、続いて2つめのオイル美容について考えてみましょう。

2.「洗顔後、すぐにオイルを塗る」の効果

乾燥肌・敏感肌の正しい洗顔方法は?

「洗顔したての肌にオイルを塗ると、その後に使う化粧品が浸透しやすくなる」。これが、このお手入れ方法の効果だと言われています。『ブースター』や『ブースト効果』とも言われます。

その一番大きな理由は、「オイルを塗ると肌が柔らかくなるから」です。ここから考えてみましょう。

オイルを塗ると、
本当に、肌は柔らかくなるのか?

ズバリ、オイルを塗ると肌は柔らかくなります。

皮革のカバンや靴を、ワックスやオイルでお手入れすると、なめらかになりますよね。他にも、カラカラに乾燥した手にハンドクリームをつけると、手指を動かしやすくなります。

このように、オイルは肌を柔らかくします。

先ほどお話したように、オイル(油分)は、肌になじみやすいからです。

肌が柔らかくなると
化粧品が浸透しやすくなるのか?

柔らかい肌は、化粧品が浸透しやすいです。

乾燥した肌は、角質層(肌の一番表面にあり、水分をためこむ場所)が、未熟な細胞で形成されています。十分に成熟していない不完全な細胞であるため、細胞自体が縮こまり、肌全体が硬くなります。

このような肌には、水分や保湿成分がなかなか浸透しません。ですから、「肌が柔らかくなると、化粧水を浸透しやすくなる」というのも正しいです。

と、いうことは、「オイルを塗ると、化粧品が浸透しやすくなる!」ということになりそうですよね。

でも、ここでも注意が必要です。

洗顔後、すぐにオイルを塗る
2つの注意点

注意点1
オイルを塗ると
水分ははじかれてしまう

油分100%のオイルには、水をはじく性質があります。「水と油は混ざり合わない」というのは、自然の法則です。

ですから、単純に考えて、油分を塗った後に水分を塗ると、はじかれてしまいます。

これは、スキンケアでも同じことが言えます。つまり、オイルを塗った後に化粧水を塗っても、はじかれてしまうということです。

でも、現在、人気のオイル美容では、「先にオイルを塗っても化粧品をはじかない」と言われたりするんですよね。

その根拠は・・・というと、オイルを塗ることで肌が柔らかくなるから、肌になじみやすいから、と言われることが多いです。でも、もちろん、『肌が柔らかくなること』『肌になじみやすいこと』は、『水をはじかない』こととは関係ありません・・・。

他に根拠として挙げられるのは、「実際に、オイルを先に塗ったほうが、肌がしっとりするから」です。これは本当でしょうか?

注意点2
「しっとりする」のはただの感覚
肌の奥まで浸透したからじゃない

乾燥肌や敏感肌の方が、オイル美容として、洗顔後、まずオイルを塗ったらどうなるでしょうか?

化粧水や乳液・美容液を塗った直後よりも、「肌がしっとりする」と感じられることがあると思います。

先ほどお話したとおり、水分や保湿成分よりも、油分は肌になじみやいからです。

そのため、肌に塗ると短時間でなじんで、肌は柔らかくなります。つっぱりやかさつきも和らぎ、「しっとりした」と感じるようになります。このしっとり感は、化粧水などの保湿化粧品をつけた後も続きます。

ここまでお話するとお気づきかもしれませんね^^

そうです、『スキンケアの最後にオイルを塗る』でお話した『注意点2』と同じようなことが言えます。

「しっとりしている」というこの感覚が、「洗顔後の肌にオイルを塗ると、化粧品が浸透しやすくなる」というオイル美容効果を生み出しています。簡単に言ってしまうと、錯覚のようなものです。

ですから、オイルを先に塗っても、以下のような効果は期待できないと考えたほうが良いでしょう。

    △期待できない効果

  • いつもよりたくさんの水分や保湿成分が肌に浸透する
  • いつもより肌の奥まで化粧品が浸透する

まとめ
オイル美容でできる『保湿』は一時的、
肌をうるおすには『正しい保湿』を

オイル美容は、一時的に水分蒸発を防ぐことにはなるけれど、根本的に乾燥肌を改善できません。それどころか、乾燥肌を悪化させる恐れがあります。

そして、このことから、乾燥肌にとっては重要なことが学べます。

そうです。オイル美容で「効果がある」とされる『保湿』とは、正しい意味での『保湿』ではないのです。

    △オイル美容でできる『保湿』とは

  • 肌表面をしっとり感じさせること(感覚)
  • 肌の水分蒸発を防ぐこと

◎『正しい保湿』とは
肌に水分と保湿成分を与え、かつ、その水分蒸発を防ぐこと

『保湿』や『保湿効果』という同じ言葉でも、意味がまったく異なるわけですね。

「肌の乾燥を応急処置的にやわらげたい」という場合にオイルを使うのはいいと思います。

ただ、乾燥肌や肌トラブルを根本的に改善したい場合には、ぜひ『正しい保湿』を行ってください。正しい保湿の方法は、今すぐこちらをクリック!