タバコが体に悪いことは、だいたいの皆さんがご存知のことと思います。その悪影響は、喫煙者本人以外に、『受動喫煙』として周りにも悪影響を及ぼします。厚生労働省によると年間1万5000人が受動喫煙で亡くなっています。

肺がんおよび虚血性心疾患に脳卒中を加えた最近の推計結果によると,わが国で年間約 1 万 5 千人が受動喫煙で死亡している(肺がん 2,480 人,虚血性心疾患4,460 人,および脳卒中 8,010 人; 2014 年の死亡データに基づく)
引用元:喫煙の健康影響に関する検討会/厚生労働省ホームページ

具体的なり患リスクは、以下の通りです。

  • 脳卒中 1.29倍
  • 肺がん 1.28倍
  • 虚血性心疾患 1.23倍
  • SIDS 4.67倍

受動喫煙によって、それそれ3割程度、リスクが高まっています。特に悲惨なのは、1歳児未満のそれまで健康だった乳幼児が、何の予兆や病歴なく突然死するSIDS(乳幼児突然死症候群)です。いまだ確たる原因はあきらかにされていませんが、SIDS発生の大きな危険因子だとされているのがタバコです。妊娠中の母親が喫煙していた場合もそうですが、乳幼児は自分でタバコの煙を避けることができません。そのため、ダイレクトにタバコの悪影響を受けてしまいます。

このようにタバコが体に悪いのは周知の事実なのですが、そのデメリットが見た目にもっとも顕著に表れるのが『肌』です。そして、肌の中でも一番目立つのが『顔』です。

東北大学のホームページに、こんな面白い記事が掲載されていました。

喫煙で見逃していけないのは、全身の老化です。活性酸素などの影響で、全身の臓器は傷み、ちょうど老化が促進されたような状況になることがわかっています。顕著にそれが現れやすい部分の一つが皮膚で、しわ、しみ、くすみ、たるみ、などの老化現象が喫煙者に際立っています。
喫煙者の顔にシワが多いことは繰り返し医学論文で報告されているのですが、面白いことに喫煙者の顔貌の全体的特徴が smoker’s face(喫煙者顔貌)と総称されてさまざまな形で報告されてきました。
引用元:禁煙を考えている方へのサポート情報 /東北大学ホームページ

その特徴は、以下の通りです。

  • 顔面の皮膚
    凸凹が目立ち、シワが多い
    全体がくすんだような黒ずんだ色(浅黒い)     
    しみ(メラニン色素の局所的沈着)がある
    そばかす、吹き出物が多い
    まだらな赤ら顔
  • 顔貌
    年の割に老けた顔
    時に骨が浮き上がる
  • 口唇
    かさかさして荒れて、周囲に放射状に深いしわがある
    黒ずんで暗紫色になる
    肥厚し分厚く飛び出る
    (独特の口臭で非常に臭い)
  • 歯ぐき
    歯肉の黒ずみ(メラニン色素沈着、笑うと目立つ)
    歯肉炎や歯槽膿漏で歯が抜けたり、歯並びが崩れている
    歯にヤニがついて、黄色くなっている

  • 周囲に放射状のシワがある
    目の下のクマ、下瞼のたるみ、若い人のちりめんジわ

 
喫煙することによる、血流の低下・ビタミンC不足などが起こり、上記のような肌質になる要因だと考えられています。
また、シミは、タバコに含まれる発がん物質であるベンゾピレンに紫外線が当たり、肌に炎症を起こしメラニンが過剰に分泌されることで起きるようです。喫煙者の肌がくすんで見えるのも、メラニンの含有量が多いことが原因です。

スモーカーズフェイスの特徴を見て、どう思われますか?
『美肌』とは対極の肌状態で、なかなかパンチが効いてますね。

とは言え、こうなることを覚悟して喫煙している人に文句は言えません。それは個人の自由なので、私ごときがごちゃごちゃ言う権利はありません。

ただ、問題は『受動喫煙』です。
本人がスモーカーズフェイスになるのは覚悟の上でしょうけれど、そうではない人までスモーカーズフェイスにする権利はありません。タバコを吸っていないのに、スモーカーズフェイスになることは、なんとしても避けたいところです。

だから、美肌を維持したい方は、自分が喫煙しないことはもちろん、喫煙環境を避けることが重要です。ただ、これがなかなか大変なのです。タバコの煙を避けるだけでは、ぜんぜんダメです。

これぐらいは気を付けておきたいものです。

タバコを吸った人に30分間、近づかない

目に見えないタバコの成分は、タバコを吸い終わった30分程度は呼気から出続けています

例えば、タバコを吸った人と、その後、30分間、向かい合って話していると、その瞬間タバコを吸っていなくても、有害な成分を30分間浴びていることになります。
参考:受動喫煙“喫煙後30分は息から有害成分”

『三次喫煙』も徹底して回避する

三次喫煙とは、喫煙者の手や髪の毛、衣服などについている有害成分を浴びることです。他にもカーテンやソファ、壁などに付着した有毒成分です。洗えるものは良いのですが、壁やソファなんかは、簡単に洗えないのでやっかいです。車の中なんかも悲惨ですね。

特に、小さな子供はそういった環境を回避させてあげたいものです。

加熱式電子タバコは危険!要注意!

最近は、『加熱式電子タバコ』に替える喫煙者が増えているようで、よく売れています。アイコス、グロー、ブルームテックなどが有名ですね。

このような加熱式電子タバコは、それまでの燃焼式のタバコに比べて煙も出ず、臭いも少ない特徴があります。タバコ業界が出資した研究に基づいて、健康への悪影響が少ないと主張していますが、独立した信頼できる研究は存在しておらず、説得力のある証拠はまだありません。

ちなみに、日本禁煙学会や日本呼吸器学会は、「悪影響がある」という見解を発表しています。

どうやら、健康被害はタバコとあまり変わらないようです。単に、臭いと煙がマシになっただけですね。私の周りにも「アイコスに替えた」と、あたかも禁煙したかのようなテンションでドヤ顔する人がいます。一応、「それまでの燃焼式タバコと同じ害があるよ」と伝えると、驚く人が大半です。

やはり、煙がでない、臭いが少ないことで、なんとなく害がないように思えます。そう思わせるように、販売側も工夫をしていますしね。

ただ、この事実を知った時、ちょっと怖くなりました。確かに、タバコの煙やにおいは、非喫煙者にとって気分の良いものではありません。これらが無くなることで、タバコのデメリットは軽減されます。

でも、よく考えてください。
これって、恐ろしくないですか?

煙やにおいが少ないということは、タバコの毒性に気づきにくいってことです。
さらに、吸っている本人は害がないと思い込んでいるので、人前でもガンガン吸います。

だから、受動喫煙する機会が増えます。煙とにおいが少ないために、今、この瞬間、受動喫煙していたとしても気づかない場合もあるでしょう。そうなると、知らないうちに、美肌は失われて、着々とスモーカーズフェイスになっていきます。

今は、まだ若干、臭いで分かりますが、これからどんどん研究が進んで完全に臭いが無くなったら?
下手したら、柔軟剤のような匂いブームにのっかって、良い香りになっているかも?
スモーカーズフェイス爆増ですね。

美肌の敵ですね。

これに加えて、最近のタバコ業界は、加熱式電子タバコが安全っぽいイメージを植え付けようと必死です。やたら、テレビCMが流れていますよね。それに、最近では、禁煙マークの横に、加熱式タバコOKの表示を掲げている飲食店もあります。

こういったイメージにだまされて、こういったシールの貼られた飲食店に入ると、どんどんスモーカーズフェイス化が加速していきます。

こう考えると、タバコ業界もいらん研究をして、いらんものを開発してくれたな~と思います。今までなら、煙やにおいで分かりやすかったのに、加熱式電子タバコが攻勢になればなるほど、美肌を守るのが困難になります。なぜ、百害あって一利なしのタバコの販売が許可されているのか、ほんと不思議です。

ただ、希望もあります。いまや、喫煙者の割合は20%を切っています。さらに、年々、20%近く減っています。あと、5年もすれば、よほど依存度の高い一部の人しか吸っていなくなるでしょう。そうなれば、タバコ業界自体が消滅します。それを期待しつつ、私にできることと言えば、美肌を守るための正しい知識を少しでも多くの人に広めていきたいと思います。