私は、インターネットの通販をよく使います。8割の買い物はネット通販です。国内最大の電子商店街である『楽天市場』では、プラチナ会員ランクです。

私の周りにも、ネット通販で買い物をする人はたくさんいます。私がネット通販を運営していることを知っているせいか、最近、その人達から「この前、●●で◯◯買ったけど、失敗だった・・・」「自分が思っていたのと違った」「だまされたよ~」などの相談をよく聞くようになりました。総合的に見て、「買い物で損をした」と感じた人が増えているように思います。

こういった人たちに、「何を基準に買い物をしたのか?」と聞くと、皆に共通しているのがランキングと口コミの評価の2つでした。

ランキングや口コミの評価は、初めて購入する人に商品の評判を伝えるものです。それにも関わらず、ランキングと口コミの評価を基準に買い物をして、失敗する人がいる・・・これって、どういうことでしょうか?

あの楽天の化粧品ランキングは、信用できるのか?

「たくさん売れている、多くの人が使っているものは、良い商品だ」という意識が多くの人にあるため、ランキング上位の商品はその他と比べても圧倒的に売れます。

その証拠に、楽天市場では、『楽天ランキング◯◯部門1位』と大きく表示されているサイトが無数にあります。サイトの目立つところに表示するということは、それだけ効果があるということです。あなたもこの言葉に惹かれて、思わず購入ボタンをポチッと押した経験があるのではないでしょうか?

そこで、疑問です。

この『ランキング1位』というのは、本当に信頼性の高いものなのでしょうか?

思わず購入ボタンをポチッと押すだけの価値が有るのでしょうか?

楽天のランキングは、商品によって大きなカテゴリから小さなカテゴリまでたくさん分けられており、その分野でランク付けがされています。

ちなみに、化粧品に限って言うと・・・

最も大きなカテゴリは・・・

美容・コスメ・化粧品

その下に・・・

  •  スキンケア
  • ベースメイク・メイクアップ
  • ヘアケア
  • 香水・フレグランス
  • ボディケア
  • ネイル
  • メイク雑貨・小物
  • 美容機器・脱毛
  • シェービング
  • 美容ドリンク・サプリメント
  • その他

さらに、この中のスキンケアの下だけを見ると・・・

  • クレンジング
  • 洗顔
  • 化粧水・ローション
  • 美容液
  • 乳液・ミルク
  • クリーム
  • オイル
  • パック・マスク(塗るタイプ)
  • パック・マスク(シートタイプ)
  • マッサージ
  • ピーリング・ゴマージュ(角質ケア)
  • アイケア
  • リップケア
  • 日焼け止め・サンケア
  • セット
  • その他

さらに、それぞれの下に・・・と、もうこの辺でいいでしょう。キリがないですね・・・これら化粧品がらみのカテゴリは大小合わせて、おおよそ160種類ぐらいあります。

これに、『リアルタイム』・『デイリー』・『週間』・『月間』と、期間別に分かれています。リアルタイムを入れると、天文学的な数字になるので、デイリー・週間・月間で考えましょう。

デイリーは、毎日変わるので1年で365個。
週間は、1年で52個。
月間は、1年で12個。
すべて足すと429個。

カテゴリ数と、期間別をかけると、68,640種類。

つまり、化粧品がらみのランキングだけで1位をとる商品が、MAX68,640個あることになります。

もちろん、一つの商品でずっとランキング1位を独占しているものもあるため、実際はここまで多くはありません。ただ、楽天ランキングは、流行りに左右されるため、頻繁に変動します。楽天ヘビーユーザーの私の感覚では、少なくともこの数の10分の1ぐらいは、ランキング1位商品が生まれているように感じます。だから、年間に6,000アイテム程度は、『楽天ランキング〇〇部門第一位』をゲットしていると思います。

それに対して、化粧品分野のショップの数は、1,964店舗(2014年7月現在)です。ということは、一店舗あたり3アイテムが、『楽天ランキング〇〇部門第一位』をゲットしているということになります。確かに、ほとんどのショップには、『楽天ランキング〇〇部門第一位』という文字がデカデカと表示されており、逆にどこにも書かれていないサイトを見つけるのが難しいぐらいです。

こんなにたくさんの『楽天ランキング〇〇部門第一位』が日々増産されているので、小さなカテゴリのデイリーランキング1位程度なら、広告を買うだけで簡単に取れます。まぁ、これが楽天の狙いかもしれませんが・・・。

楽天に加盟すると、ECコンサルタントという人が店舗ごとに付き、楽天での売り方のアドバイスをしてくれます。そのコンサルタントが、「『楽天ランキング〇〇部門第一位』を獲得してサイトにデカデカと貼り付けると、商品が売れますよ~」と、店主の耳元で甘くささやきます。お店側にとっても、非常に魅力的なメリットです。売上が上がることはもちろん、自分の取扱商品が『楽天で一番になる』ことで自尊心をくすぐられます。こうして、今日もまた新しい『楽天ランキング◯◯部門第一位』が生まれます・・・。

広告の他にも、大盤振る舞いな特典や、無料サンプルをばら撒けば確実に1位の称号を手に入れることができます。つまり、『楽天ランキング◯◯部門第一位』という称号は、数十万円程度かければ、確実に取れるものなのです。

さて、あなたはこのようにお金で買える評価が正しいと思いますか?
私はこんな評価を得ても無価値だと思ったので、楽天に出店しているとき(かなり昔に出店していたことがありました・・・)にはこういった手は使いませんでした。

じゃあ、楽天の口コミはどうよ?

楽天には、商品ごとに口コミが表示されています。いわゆる商品レビューですね。5点満点で評価します。

そもそも商品レビューは、商品を使った人がその商品に興味をもった人の参考になる感想を書く目的です。これによって、興味をもった人が、自分と同じ消費者の声に信頼性を感じて、商品を買うかどうか判断します。

では、実際に楽天のレビューはどうなのか?

本当に自分が買った商品についてレビューしている人もいます。でも、それ以上に多いのが意味不明なレビューです。
商品が到着していないのにレビュー書いてる人がかなりいます
「まだ到着していないのですが、楽しみです」とか、レビューの意味無いでしょ・・・。
なぜ、そんなので☆5個つけてるのか?
まぁ~、これは商品を買った人が悪いのではなく、明らかに店舗側の操作ですよね。

レビューの数は、商品検索の条件にも指定されているために、多ければ多いほど、上位に表示されるために商品の露出度が上がります。そのため、どの店舗も躍起になって、レビューを集めようとします。よくある手は、値引きや特典。「レビューを書いてくれたら、値引きするよ~、特典つけるよ~、送料無料にするよ~」と、サイトに書きます。買う側からすれば、少しでもお得な方がいいので、すんなりとその指示に従います。その結果、商品が届く前の無価値なレビューが増殖していきます。

また、レビューを書くと何らかのメリットが発生するので、そもそもマイナスのことを書くことが少なくなります。「お得にしてもらったのに、申し訳ない」という仏心が働くんですよね。だから、甘い採点になります。その結果、こういう集め方をしている店は、レビューの内容も☆の評価も、本来の口コミとしての機能を無くしていると言えるのではないでしょうか。

ランキング・口コミに対する私の見解

以上のことから、ランキングやレビューを鵜呑みにして化粧品を買うことは止めたほうが良い、と私は思います。

そもそも、ランキングやレビューは、本来は買う人のためにあるものです。でも、楽天の場合だと楽天の広告を売るためであったり、店舗が商品の露出を増やすことが目的とされています。つまり、100%売る側の理屈で成立しています。

もはやランキングやレビューは売るための手段に成り下がっています。ランキング上位、レビューの多い商品は、良いものではなく、売りたい人(儲け)が多い商品です。だからランキングや口コミを盲信して商品を購入すると、失敗してしまいます。

また、楽天ではランキングやレビューの他にも店舗の評価も行っています。これにも、『週間MVP』・『月間MVP』・『年間MVP』などに分かれていて、それぞれの1位が日々増産されています。中には、『エリア賞』という、地域別の賞まで存在しています。全国を対象とするインターネット通販でエリア別の賞の意味はわかりませんでしたが・・・。

こういった意味のわからない一位やレビューが増えれば増えるほど、楽天の利益が増えることは、ある意味ビジネスとして成功だと言えます。でも、楽天のヘビーユーザーの立場で言わせてもらうなら、もう少し楽天が我々のことを考えて、こういったくだらない機能を削減してくれることを願います。
(要望を言い出したらキリがないのですが、商品検索をしても、目当てのものではない商品がこれでもかというほど表示される機能も、何とかしてほしい・・・)

最後に余談ですが・・・

先日、私の知り合いがネット通販で、有名アパレルブランドのコートを買ったと言ってきました。私は、ブランドに興味が無かったので聞き流していたのですが、次の言葉に興味を惹かれました。「普段は値引きしないブランドなのに、めちゃくちゃ安かったんだよ~」と、得意気に語ります。で、そのサイトを見てみると、確かに有名ブランドが激安で販売されています。大体4割~5割引です。知人が買ったものも、18万円ぐらいのが9万円で販売されていました。

でも、明らかに怪しいサイトです。まず、日本語のおかしい部分が大量にありました。電話番号も、携帯電話です。振込先名も、個人名義です。また、会社概要の住所をグーグルマップで見てみたら、木々が鬱蒼と茂っていました。

「これ絶対に偽物(笑)」と教えてあげたのですが、その知人は、「そんなことありますか?偽物をこんなに堂々と売ってるわけないですやん。それに、サイトには☆5のレビューも一杯ついてますよ。」と根拠の無い反論をします。サイトを作れるなら、レビューなんて、自作自演でいくらでも作ることが出来ます。

しかし、私の日頃の行いが悪いのか(笑)、彼は信用してくれません。で、後日・・・「振り込みしたのに、連絡がこないし、メールへの返事もないんですわ・・・」とのこと。

さらに後日に商品自体は届いたものの、「・・・たぶん、偽物ですわ」と多くを語りません。本人は、「良い勉強になった。勉強代だ・・・」と言って、無理やり自分を納得させていました。私は、「9万円あったら、美味しいもんがいっぱい食べられるのにな~」と思いつつ、「だからネット通販に対して不安に思う人が多いのだろうなあ」と、とても残念な気持ちになりました。