ボトックスでシワを消したら

『ボトックス』とは?

ボトックス』とは、アメリカの製薬企業であるアラガン社が開発したボトックス注100(A型ボツリヌス毒素)のことを指します。本来、ボトックスと呼ばれるものはアラガン社製のものだけなのですが、今ではA型ボツリヌス毒素を用いた治療や美容法を総称して『ボトックス』と呼ばれています。

ボトックスで使用されるA型ボツリヌス毒素は、ボツリヌス毒素を加工したたんぱく質の一種です。ボツリヌス毒素は、その名の通り人体に多大な悪影響を及ぼす猛毒です。第二次世界大戦時に研究が進み、あのオウム真理教も研究を進めていました。こう言われると非常に恐いですが、A型ボツリヌス毒素は安全性も高く、医薬品として使われています

日本国内では、A型ボツリヌス毒素製剤が注射剤として、1996年に眼瞼けいれん、2000年に片側顔面けいれん、2001年に痙性斜けい、2009年に2歳以上の小児脳性麻痺患者における下肢痙縮に伴う尖足、2010年に上肢痙縮・下肢痙縮で承認されています。2012年には、重度の原発性腋窩多汗症の適応も認められています。筋肉の動きを抑制する特性上、けいれんに関する病気に使われています。

 

『ボトックス』の美容目的

今では、美容にも使用されており、主にシワを目立たなくする目的で使われています。そもそもシワは、繰り返し表情を作ることで、皮膚の折れた部分が癖になった結果です。紙の同じ部分を何度も折り曲げていると、深い折り跡ができます。これと同じ原理です。

シワは、日常的に表情を作る私たちにあって当然のものですが、老けた印象を与えるために嫌われています。無いに越したことはないでしょう。ちなみに、乾燥することでできるシワもありますが、これは小さなもので、表情でできるシワに比べれば目立たないものと言えます。これに関しては、保湿を行うことで改善が期待できます。

シワができないようにするためには、表情を作らないことです。そうすれば皮膚が折れることなく、跡も残りません。でも、これは不可能です。何の表情も作らずに生きていくことはできません。

そこで、『人為的に表情を作らないようにしよう』という考えの下に、ボトックスが生まれました。ボトックスで顔の筋肉の動きを抑制します。その結果、顔の表情筋によって生まれるシワを無くすことができるのです。また、顔のたるみは筋肉の衰えによって生まれますので、たるみの解消にも用いられます。

肌には伸縮性があるために、筋肉が抑制された状態を維持することで、シワの跡が戻ります。もちろん、それぞれの肌の特性や生活環境、年齢にもよります。人によって効果はさまざまです。

とは言え、美容整形に比べてリスクも少なく料金も安価なため人気です。芸能人やモデルの方たちもたくさんしているようです。

注射を打つだけで、シワが消える。美容整形のようにメスを入れるリスクもなし。3日~10日で効果が現れる。3ヶ月~半年程度持続する。

こう言うと、良いこと尽くめですが、世の中、そんなに甘くはありません。しっかりとリスクも存在します

 

『ボトックス』治療のデメリット

まず、ボトックスの施術そのものの失敗。医師の腕によって結果が変わります。

これは、どんな治療にも言えることかもしれませんが、顔の表情という目立つ部分であるためその違いが明確に出てしまいます。打つ場所やA型ボツリヌス毒素の量を間違うことで、シワを無くすどころか顔の部位が変化してしまいます。

また、粗悪な薬剤も出回っているようで、期待する効果が発揮されない場合もあります。こういったところは、外部からでは判断しずらい部分で、流行すると金儲け主義の輩がウヨウヨと大量発生します。最近は、インターネットの口コミも当てになりませんしね。

次に、成功しても違和感が残ります。そもそも筋肉の正常な動きを抑制するものです。だから、シワを目立たせないことに成功したとしても、表情に違和感が残ります。腕の良い医師はその違和感を最小限に抑えるのでしょうが、やはり分かります。特に、以前のその方の表情を知っていればなおさらです。シワが減ったことと同時に、表情の異質さを感じることでしょう。

最後に、ボトックスは何が起こるかわからない。ボトックスには、いろいろ制約があります。例えば、妊婦はボトックスを受けることができません。妊娠の計画をたてている方や、出産後の授乳期間の方への施術もほとんど行われません。

その理由は、妊婦へボトックスを与えたために、胎児が死亡したという報告が、海外であったこと。さらに動物実験でも問題があったという点が指摘されていて、注意を促す医師も多いためです。

特に胎児は、一般的に薬剤などの影響を受けやすく、ボトックス治療を妊娠中に行うのはやめたほうが賢明です。また、治療したあとは3ヶ月程度、避妊をしたほうがいいと言われています。

他にも、1度注射したら3ヶ月ほど間隔を開ける必要があります。また、重症筋無力症や筋萎縮性側索硬化症といった、 神経筋接合部に障害がある場合も同様で、 ボトックス治療は神経毒素の為に、重篤な副作用を 引き起こす危険性があります。

他の例だと、過去に食中毒を起こしたことがあり、 その原因がボツリヌス菌である場合や、ボトックス注射を受けた場合に、 過敏症を起こした事がある方も同様です。

ボトックスは筋肉を麻痺させるという特性上、 治療後に呼吸が乱れるという副作用が起こったという方もいるようです。そのため高度呼吸機能障害を持っている方は、呼吸困難が起きる危険性がありますから、治療を行ってはならないとされています。

 

『ボトックス』でしわを消すべきか?

このように、ボトックス治療の歴史はまだ浅く、美容に対して許可がおりたのは2002年なので、安全性が十分に確立されているとは言えません。

やはり、本来必要な機能を人為的に操作する行為は分からないことが多く、リスクを含んでいます。何よりシワを目立たせなくするための根本的な原因解決にはなりません。永遠にボトックスを行う必要があります。言い換えれば、ずっとリスクと付き合っていくということです。

こういったリスクを承知でも行う必要があるならいいと思いますが、気軽な気持ちで試すことはやめたほうがいいでしょう。私の個人的な意見で恐縮ですが、無理やりではなく自然な形でシワ対策を行ったほうがいいと思います。手間と時間はかかるし、効果も劇的ではないかもしれませんが。

それに、シワはその人が生きてきた証ですし、あって当然なもの。
そんなに嫌なものではないと思います。

(著:井上龍弥

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