寒い冬の季節に、吸湿発熱素材のインナーは暖かさを提供してくれますよね。多くの人々がこの暖かさを体感しています。だけど、インナーの材質によって肌のかゆみを感じることがあると聞きます。ゴムの部分が肌に触れてかゆみを感じた記憶、ありませんか?
本稿で、インナーや下着が原因でのかゆみや、その解消方法について触れていきます。快適な生活のためのヒントとして、ぜひ参考になさってください。
何がかゆみの原因なの?
かゆみを緩和するには、その原因を明らかにすることが重要です。原因によって取り組むべき対策が変わり、間違った方法を選んでしまうと、かゆみがさらに悪化することも。
かゆみを招く原因は主に、「ゴムに起因する物理的刺激」と「吸湿発熱素材が肌の乾燥を引き起こす」ことが考えられます。
以下、これらの原因を詳しく解説していきます。
ゴム等の物理的な影響
下着のゴム部分がきつく、それが原因で肌がかゆくなったこと、経験ありますよね?ゴムやその他の要因でのかゆみは、肌に物理的な影響を受けるためです。
隠れたオシャレを楽しむため、素敵なデザインの下着を選ぶこともあるかと思います。けれど、中にはデザインを優先し、肌に良くない材料を使用しているものも。補正効果を求める下着も、締めつけが強いものが多いです。
そんなタイトな下着は、肌に摩擦を与えることでかゆみを引き起こす可能性があるとされています。さらに、洗剤の残留や汗も関与することも。
ゴムだけでなく、他にも物理的な要因としては、以下のようなアイテムも考えられます。
- ブランドのタグ
- 洗濯の指示タグ
- 突出した縫製
- 固いステッチ
- 刺繍の部分
これら小さな部分も、特定の人々にとってはかゆみを引き起こす要因となり得ます。感じる違和感や摩擦を最小限に抑えたい場合、気をつけるポイントとして、刺繍の裏側にあて布があるかどうかもチェックしましょう。
そして、洗濯指示のタグは、洗濯の際の参考として大切です。切り取ることを考える場合、そのタグを保管するか、写真を撮っておくことをおすすめします。最近、タグレスのアイテムも増えてきており、肌に直接触れる衣類を選ぶ際の選択肢として考慮するのも良いでしょう。
肌の乾燥:吸湿発熱素材の影響について
吸湿発熱素材の効果で、肌が乾燥する可能性が高まります。この特有の素材は、肌の湿度を吸い取り発熱する性質を持っており、主成分としてレーヨン、ポリエステル、アクリルなどの化学繊維を含んでいます。寒い冬の間、肌から水分が取り去られることで、肌は乾燥し、かゆみのリスクが上がるのです。
乾燥した肌は、外部の刺激に敏感になりがちです。そのため、毛玉ができやすいポリエステルやアクリルのような素材を使用したインナーは、その毛玉が肌を刺激することもあるかもしれません。
冬の時期に欠かせない暖かいインナーも、あまりに暖かすぎると熱がこもり、ムレてしまうことでかゆみの原因となる場合があります。さらに、素材の特性上、十分に汗を吸収できないことがあれば、ムレるリスクも増加します。
化学繊維がバリア機能が低下した皮膚と接触すると、接触性皮膚炎を引き起こすことも。十分な注意が必要です。
かゆみへの効果的な取り組み方法
かゆみを軽減・回避するための方法は、その原因を理解することから始めます。かゆみに対しては無視できず、いったん掻き始めるとついつい止まらなくなる、そんな方も多いのではないでしょうか。このセクションでは、かゆみを和らげるための3つの方法を提案します。かゆみに困っている方、是非これらのアドバイスをお試しください。
ゴムの締め付けを避ける選択
締め付け感からくるかゆみは、下着のゴム部分が原因となることが一因として考えられます。ゴムの痕跡が肌に残って赤くなったり、かゆみを感じたりする場合、締め付けを少なくした下着に変えることをおすすめします。
リラックスできるサイズ感のある下着を選ぶことで、肌にかかるストレスも低減します。
ゴムの締め付けを和らげることと同時に、肌を清潔に維持することも重要です。汗を感じた際には、タオルでしっかりと拭いたり、必要であれば下着を取り替えたりするよう心掛けましょう。活動的な日や、汗をかきやすい状況の前には、交換用の下着を携帯することも考えてみてください。
しっかりとした縫製のインナーは気をつけて
しっかりとした縫い目が原因で皮膚がかゆくなることがあるので、このようなインナーは事前に選ばないよう心がけましょう。ショッピングの際、縫い目の柔らかさをよく見て、肌に優しい感触のインナーを選ぶとよいですね。
タグレスの肌着や、縫製のないものも多数市販されています。アウターにシルエットが映りにくくするために作られたものもありますが、縫い目からくるかゆみを避けたい方にピッタリ。直接手に取って選べるのも、大きな魅力です。
自然の素材を選ぶことを検討
肌のかゆみには、インナーの素材を見直すのもひとつの方法です。化学繊維は、ポリエステルやレーヨン、アクリルから成る素材ですね。お求めやすい価格で手に入ることから、多くの方が愛用しているのでしょう。
確かに冷感性や発熱、速乾性といった機能が魅力的です。ただ、このような化学繊維は、吸湿性に劣りやすく、また静電気も発生しやすいのです。寒い冬の時期には、「パチッ」と静電気の音が聞こえることも。この静電気がかゆみの原因になることもあるのです。
そんなときは、化学繊維よりも天然のコットンを使ったインナーに変えてみてはどうでしょう。コットンは、湿気を取り込みやすく、また発散もしやすいので、肌には非常に優れた素材です。さらに、コットンはとても柔らかく、肌触りも良いですね。化学繊維よりも静電気の心配が少ないので、肌のストレスを軽減してくれることでしょう。
日常の生活様式を見つめなおす
肌の健康を守るバリア機能は、様々な外部刺激から私たちの身体を守る役目があります。乾燥などが原因でこの機能が衰えてしまうと、ちょっとした刺激にも反応してしまうことがあるでしょう。そうしたトラブルを避けるためには、日常生活の中の習慣を再確認し、肌に優しい選択をすることが大切です。
例えば、お風呂の温度。高温のお湯に浸かることは、実は肌にとっては負担となることも。お湯の温度は40℃以下がおすすめです。
冬場の寒い時期には、お湯を熱くしたくなる気持ちもわかりますが、その結果として肌が乾燥してしまうリスクも。寒さを感じる日は、浴室の暖房を活用して心地よくお風呂を楽しんでください。
そして、体を洗う際も優しさを忘れずに。強くこすって洗うことで、肌に必要な皮脂まで取り除いてしまうこともあるのです。きちんとした泡立ちのボディソープを使って、肌を傷つけないように洗ってみてくださいね。もし、洗い残しが気になる場合は、天然素材のスポンジやタオルを活用してみるのも一つの方法です。
乾燥から身を守るために、しっかりと保湿しましょう
毎日のお風呂の後は、全身への保湿を忘れずに行いましょう。浴室から出てきた直後の肌は、乾燥しやすくなっていますので、すぐにケアをすることが重要です。
痒みを感じたら、信頼のおけるかゆみ止めを使用して
もし肌が痒いと感じた場所があれば、安心して使用できるかゆみ止めクリームを塗布しましょう。市販されている商品でも、一時的な痒みには効果的なことが多いので、困った時には試してみる価値があります。
ただし、インナーウェアの締め付けや蒸れも痒みの引き金になります。我慢できないほどの痒さで掻いてしまうと、さらに痒みが増すことも。このような場合、肌の状態が悪化して、肌の保護機能も弱まることが考えられます。水分の蒸発が進んでしまい、乾燥の原因となるので、掻きむしるのは避けたいところです。
また、直接かゆみ止めを持っていない場合、痒みを和らげるために痒い箇所を冷やすのもオススメです。冷やすことにより、血管が収縮し、痒みの軽減が期待できます。冷たいタオルや、保冷剤を布で包んでの使用などが役立ちます。
改善を感じられない時は、専門家の意見を求めて
ランジェリーをゆったりとしたものに変えたり、天然のコットン製のインナーを試したりしても、痒みが続くようであれば、専門家の意見を取り入れることを検討しましょう。
自らの判断だけで症状の見極めをするのは危険です。我慢してみてもよくなるかも、と待ってみるのは避けたい行動です。特に、痒みが長く続いている場合や、症状が拡大・悪化している時は早めの対応が必要です。わずかな異常を感じた際には、専門家に相談することをおすすめします。
まとめとおすすめ
吸湿発熱素材を使用したインナーウェアやランジェリーによって痒みを感じる場合、それはおそらく下着のゴム部分の締め付けや、肌の蒸れが主な要因です。このゴムの直接的な刺激が痒みを引き起こすことが多いため、フィット感のあるものよりも、リラックスできるタイプの下着を選んでみると良いでしょう。
さらに、吸湿発熱素材のインナー使用時に発生する静電気にも警戒が必要です。この静電気が皮膚を刺激し、痒みを感じることがあります。また、吸湿発熱素材は、皮膚の乾燥を引き起こすこともあるため、痒みの元凶となることが考えられます。肌に優しいコットンなどの天然の素材を選ぶことで、痒みを軽減する効果が期待できますので、ぜひ一度お試し下さい。
肌が痒くなる要因の一つである乾燥を予防するためには、熱すぎないお風呂でのんびりと肌を優しく洗うことを心がけてみましょう。そして、湯上り後は迅速に、肌にしっかりと水分を与える保湿ケアが必須ですね。
更新日:投稿日:2024.03.02