大人のあせも対策 | 猛暑でも安心の肌トラブル防止法&症状緩和の6ステップ

夏がもたらす皮膚の問題といえば、「あせも」が挙げられます。一般的には幼児や子供が発症するイメージが強いあせもですが、厳しい暑さが続く現代では、大人もこの不快な症状で苦しんでいるケースが増加しています。本稿では、あせもを予防し、適切に対応するための方法を解説します。

目次

あせもの原因は汗管のブロック

あせもは、特に夏季や多量の汗をかく状況で現れる一般的な肌の問題です。「汗管」のブロックが原因となり、ブロックの位置の深さに応じて3つのカテゴリーに分類されます。

それぞれに異なる症状や特定のリスクグループが存在するため、あせもの種類を把握しておくことが重要です。

水晶様汗疹

水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)は、皮膚の最も表面的な部分で発生するあせもで、皮膚の角層における汗管の詰まりによって引き起こされます。赤みは伴わず、透明または白い小さな水ぶくれとして現れます。

このタイプのあせもは、特に乳幼児に多く見られ、痒みや炎症はほぼ伴いません。多くの場合、気づかないうちに発症し、数日で自然に治癒します。しかし、高熱で大量に汗をかいた大人も発症のリスクがあるため、注意が必要です。

紅色汗疹

「あせも」と一般的に認識されているのは、紅色汗疹(こうしょくかんしん)です。赤い発疹と痒みを伴うこの状態は、皮膚科でのあせもとしての診断の大部分を占めています。

紅色汗疹は、表皮の汗管が閉塞し、汗が周囲の組織を刺激することにより発生します。これによって、直径1~3mmの赤いぶつぶつが形成され、強い痒みが生じます。

あせもは主に小さな子供たちに影響を与えますが、紅色汗疹は乳幼児から大人に至るまで、幅広い年齢層に見られます。特に、暑く湿った環境で過剰に汗をかくと発症しやすいため、多汗症の人や体格が大きい人は特に注意を払うべきです。

紅色汗疹が発生した場合、皮膚を清潔に保つことが重要です。約1週間で自然に症状が和らぐことが多いですが、痒みに負けて皮膚を傷つけると炎症を起こすリスクがあるため、慎重な対応を心がけましょう。

深層汗疹

深層汗疹(しんそうかんしん)は、皮膚の深い部分、真皮層での汗管の閉塞により生じるあせものタイプで、紅色汗疹が進行した結果として現れます。特に熱帯気候の地域で頻繁に遭遇される一方で、日本国内での発生は比較的稀です。

深層汗疹は、紅色汗疹に典型的な赤いぶつぶつとは異なり、皮膚の隆起である丘疹が石畳のように重なって広がり、大きな範囲にわたって見られることが特徴的です。

丘疹の拡散により、汗の排出が妨げられ、体温の調整機能が落ち込むリスクが存在します。皮膚の乾燥が進み熱中症に陥りやすくなるため、迅速な対応が求められます。

日々実践するあせもの予防と対策

あせもを予防する鍵は、汗をかいた後すぐに行動を起こし、肌を清潔に維持することです。ここからは、あせも予防のための効果的な行動を解説します。

外出時は汗を定期的に拭き取る

汗をそのままにしておくと、赤いぶつぶつや皮膚のかゆみを引き起こす、あせもの症状を生じさせる可能性があります。

外出する際は、顔や体に特化したクリーニングシートを携帯し、汗を頻繁に拭き取ることが重要です。ただし、メントールやアルコール成分が配合されているシートは、肌への刺激となり得るので、敏感肌の人は肌に適した製品を選ぶ必要があります。

汗を拭く際にタオルを使用するときは、少し湿らせてから使うことをお勧めします。乾燥したタオルでは水分のみを取り除くことができますが、湿ったタオルを使用すると、肌を刺激する成分や老廃物まで効果的に拭き取ることが可能です。

ハンカチを使用する場合、肌に優しいガーゼタイプが最適です。擦るのではなく、優しく抑えるようにして汗を吸収させることが大切です。

使用したタオルやハンカチは菌の増殖地となり得るので、交換用を複数準備しておくことが賢明です。

家に帰ったらすぐシャワーを利用する

汗ばんだ日は、家に戻るなり速やかにシャワーを使い、体の汗や汚れをしっかりと落としましょう。シャワーの際は、ぬるめのお湯が理想的です。熱めのシャワーやお風呂は体温を上げ、かゆみを引き起こす可能性がありますので、温度設定には気をつけてください。

さらに、体を強くこすることは、皮膚の保護機能を弱め、あせもを誘発しやすくなるので避けましょう。せっけんやボディソープは泡立てて、優しく撫でるように洗うのがベストです。

汗を取り込む服を選ぶ

汗を大量にかくことと、通気性の劣る服は、あせもの一因です。直接肌に触れる下着は、吸汗速乾の特性がある滑らかな素材を選び、汗で湿って不快にならないよう心がけましょう。下着だけでなく、服全体も呼吸する素材やスタイルをお勧めします。

汗をかいた際には、頻繁に服を変えることが重要です。外で直射日光の下で長時間を過ごす、または高温多湿の場で作業するなど、汗を多くかく予定の時は、予備の服を持参すると良いです。

特に、自力で服を頻繁に変えられない赤ちゃんや子供、高齢者には、快適に過ごせるような服を選んであげましょう。

汗を取り除く寝具を選ぶ

活動しているときだけでなく、睡眠中も人間は汗をかきます。したがって、吸水性や通気性が劣る寝具は、あせもを引き起こしやすい環境を作り出します。

昼間なら、汗をかいたらすぐにシャワーを浴びたり、服を変えたりすることができますが、睡眠中はその行動を取ることができません。ですから、汗を効果的に吸収する寝具を使用し、蒸れを防ぐことが重要です。

布団やパジャマなど、肌触りがよく、刺激が少なく、吸水力が高い寝具を選ぶことをおすすめします。特に、木綿はその通気性と吸水性から、あせもの予防に適した素材と言えます。

肌の保湿を忘れずに

あせもの予防では、汗を落としたり拭き取った後の保湿が肝心です。

活動で汗をかいた後、肌は水分を失い乾燥ぎみになります。この乾燥が肌の防御機能を弱め、あせもを引き起こし易くします。ですから、清潔にした肌には確実に保湿を施し、健康な肌の状態を保ちましょう。

大切なのは、清潔な肌に保湿をするタイミングです。特に敏感肌の人は、皮膚のバリアが弱まっているため、高保湿のスキンケア製品の使用や、丁寧なスキンケアが必要です。

蒸し暑い環境は避けて

高温や湿度が高い場所では、あせもが出やすくなるのは避けられません。

汗をかくのは自然な体の機能ですが、あせもを予防するためには、極力、蒸し暑い環境を避けることが重要です。

部屋の中では、エアコンを適切に活用することが効果的です。適度なエアコンの利用で、快適で爽やかな環境を作り出しましょう。

しかし、エアコンの使いすぎには要注意です。エアコンによる空気の乾燥は、肌の水分を奪い、肌問題を招きやすくします。

特に夏には、エアコンが効いた部屋での過ごし方が増えますが、肌の乾燥に注意が必要です。エアコンの風量や温度設定を調整し、同時に肌の保湿も怠らないよう心がけましょう。

あせもが発生した場合の応急処置

症状が出る前の予防がベストですが、掻きむしったりしてしまった後は、放っておくと症状が悪化する可能性があります。

そのため、あせもが発生してしまった際の適切な対処法をここで具体的に解説します。

肌のかゆみを冷却で鎮める

炎症が肌に生じている際には、強いかゆみを感じることがあるのです。しかし、あせもの部分を無理に掻いては問題が起こります。

掻くことで肌の表面が傷つき、バリア機能が弱まってしまうのです。それにより、肌はさらなるダメージを受け易くなり、刺激に対して敏感に反応します。

かゆみを直ちに抑える必要があるときは、冷やすことが一つの解決策です。あせもの部位を冷却すると、かゆみが軽減されます。

保冷剤や氷を使用する際は、タオルでくるんで直接的な刺激を避け、肌を守るようにしましょう。

あせも用の薬を適用する

かゆみが耐え難い場合、迅速な薬の塗布が必要です。

掻きたくても控えると、思わず痒い部分を搔きむしり、その結果、患部がびしょびしょになったり、汗による痛みが生じたりすることがあります。

症状が進行し、あせもが治りにくくなる前に、かゆみを抑える成分や肌の回復を促す成分が含まれた薬を使用し、早期の治療に努めましょう。

あせも用の薬は、バスタイム後の清潔な肌に塗るのが良いでしょう。外出先でシャワーを浴びることができない場合は、湿ったタオルで汗を拭き取った後、薬を塗ってください。

あせも用の薬には、肌を守る軟膏やさっぱりしたテクスチャのパウダータイプのクリーム、清潔に使えるスプレータイプなど、多くのバリエーションがあります。症状や使い心地に合わせて、自分に適した商品を選びましょう。

たとえば、肌を掻き過ぎてしまった場合、刺激の少ないクリームや冷却成分が含まれていない商品が適しています。敏感肌の人には、子供でも安心して使用でしょう。また、かゆみが強いときには、炎症を和らげるステロイド含有の塗り薬をお勧めします。

ドラッグストアや薬局では、多種多様な製品が販売されていますので、薬剤師に相談するのも良いでしょう。適切な商品選びのアドバイスを受けることができます。

しかし、あせも用の薬を使用しても症状が改善しない場合は、他の健康問題が潜んでいるかもしれません。その際には、速やかに皮膚科を受診し、正しい治療を求めるようにしてください。

総括

湿度が高く汗をかきやすい季節には、その汗を放置しておくと、あせものリスクが高まります。特に、日本の夏は湿度が高く温度も上がるため、あせもが発生しやすい条件が揃っています。常日頃からの予防策を施し、あせもの発生を未然に防ぎましょう。

もしも、あせもの兆候を感じた場合でも、痒みや炎症を和らげるための特別な薬は、薬局やドラッグストアで簡単に手に入ります。不快な症状に気づいたら、速やかに薬を使用し、症状の悪化を防ぐことが重要です。

更新日:投稿日:2024.03.02

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