「前は問題なく使えた化粧水が、突然ピリピリ感じる…もしかして、肌が変わったの?」
「化粧水の刺激は、成分の効果が現れているのかな?」
化粧水を使う際に、合っていないのではないかと感じる人や、成分の反応と思っている人がいるようです。
しかし、実際には、化粧水がしみるのは、有効に作用しているわけではなく、肌が刺激を受けている状態なのです。
この記事で、化粧水が刺激を感じる理由や、そういったときのスキンケアアプローチについて深く探ります。
なぜ化粧水がしみるのか?
化粧水が刺激を感じる背景には、複数の要因が存在します。以下で紹介するポイントを確認し、自身の肌状態と照らし合わせてみてください。
肌のバリア機能のアンバランス
私たちの肌の一番表面に位置する角層は0.02mmの極薄な層でありながら、重要なバリアの役割を持っています。この機能は主に二つの役目を果たします。
一つ目は、角層の内部の水分や細胞間脂質をキープし、蒸発を防ぐこと。これが肌の潤いを確保する要因となります。
二つ目は、様々な外的要因から肌をガードすること。角層のこの働きにより、アレルギー物質や細菌の侵入、そして紫外線のダメージから体をプロテクトしています。
だが、何かの要因で角層に含まれる水分や細胞間脂質が不足すると、乾燥による肌の状態が敏感に変わってしまいます。その隙間からアレルゲンが侵入しやすくなり、刺激を受けるリスクが高まります。
従って、バリア機能がアンバランスな状態の肌は、化粧水の成分がピリピリとした刺激として感じられることがあるのです。
過熱した湯や強すぎる摩擦の洗顔
不適切な洗顔を続けていると、それが肌のバリア機能を損なう原因となり、化粧水の刺激を感じるようになる場合があります。
不適切な洗顔とは、高温のお湯を使用して顔を洗浄することや、強く肌を摩擦することを指します。
高い温度のお湯を使用すると、肌に必要な皮脂も除去し過ぎてしまう可能性があるため、肌が刺激を受けやすくなるでしょう。さらに、力を入れて洗うことで摩擦が生じ、バリア機能が弱まる危険性があります。
そのため、化粧水を使用した際に、ピリピリとした痛みや刺激を感じることがあるのです。
度を超したスキンケア
肌に良いと信じて実行している行動が、実は肌にストレスを与えている場合があります。
日に複数回の洗顔は、肌の保湿成分や必要な皮脂まで奪ってしまうので、慎重に行うべきです。
さらに、乾燥して剥がすタイプのマスクや頻繁なピーリングは、肌を過度に刺激する可能性が考えられます。
季節変動やエアコンによる空気のドライネス
冬の時期や秋の空気は乾燥しやすく、肌の保湿が蒸発しやすくなります。そして、エアコンは冷暖房の違いに関係なく、部屋の空気をドライにする効果があります。そのため、エアコンが動いている部屋での滞在が長くなると、肌が乾燥してしまう人も多いのではないでしょうか。
このような環境下での肌の乾燥は、バリア機能を損なわせ、化粧水が刺激を引き起こす原因となります。
日焼け
紫外線に頻繁にさらされると、皮膚のバリア機能は弱くなり、乾燥や赤みなどの問題が生じる可能性があります。その結果、化粧水を使用する際に、痛みや刺激を感じる場合があるでしょう。
ハウスダストや花粉の引き起こすアレルギー反応
肌のバリアが不完全になると、敏感さが増します。そして、ハウスダストや花粉のようなアレルゲンが侵入すると、アレルギー症状を招き、肌のトラブルの原因となることがあります。このような荒れた肌に化粧水を塗布する際、痛みを感じることが考えられます。
マフラーやコットンの物理的な影響
マスクやコットン、マフラーなどが皮膚と接触や摩擦を引き起こすことは、肌への刺激になり得ます。このため、肌が荒れることが起こりうるのです。
その荒れた肌に化粧水を適用する際に、刺激や痛みを感じる可能性が考えられます。
しみる化粧水の対処法
化粧水に刺激を感じる場合、前述の理由で皮膚のバリアが弱まっている可能性が高いです。スキンケアの方法が不適切な場合、肌の問題を悪化させる恐れがあるため、正確なケアが求められます。
これから紹介するスキンケアの方法を実行してみましょう。
冷却する
ヒリヒリしたり、熱を持ったり、かゆみが感じられる時は、冷やすことで症状を和らげることができます。冷蔵したものをタオルなどで包んで、症状のある箇所にあてることで、痛みや不快感を減少させることが期待できます。
敏感肌対応のスキンケアアイテムへの切り替え
肌のバリアが弱まると、敏感に傾くことが多くなります。そんな時は、刺激を極力避けるためのスキンケアアイテムを使用するのが良いでしょう。通常使用しているスキンケア製品が肌に合わなくなったら、一時的に使用を中止し、敏感肌用の化粧水や乳液、洗顔料を試してみるのがベストです。
敏感肌専用のスキンケア製品を探す際には、高保湿で刺激が少ないものを選びましょう。
商品のラベルをチェックして、
- 香料無添加
- 色素無添加
- 弱酸性
- アルコール(エチルアルコール)フリー
- アレルギーチェック済
- パッチテスト完了
- スティンギングチェック完了
といった項目が記載されているものを優先的に選ぶとよいでしょう。
ただし、刺激が少ないとされている製品でも、必ずしも全ての人に合うわけではありません。初めての使用時には、見えない部分でパッチテストを行い、自身の肌に合致するかを確認してください。
適切な顔の洗い方を採用する
正しい洗顔の手順を実践しましょう。
クレンジング・洗顔の際のキーポイントは、以下の2つです。
- 強くこすらない
- 高温の湯は避ける(35℃前後のぬるめのお湯を使用する)
顔を洗う際は、肌のバリアを傷つけないように、ソフトに丁寧に洗ってください。
メイクをしていた場合、クレンジング料を用いてメイクを完全に取り除くことが必須です。アイメイクやリップメイクは、先に専用のリムーバーで落としてから、顔全体にクレンジング料を馴染ませ、優しくクレンジングを行います。
洗顔をするさい、しっかりと泡を立てることが肝心です。ぬるま湯で軽く洗い流した後、豊富な泡で肌を撫でるように洗顔します。しっかりと洗顔が終わったら、しっかりとすすぎ、残りを残さないよう心がけましょう。
保湿は欠かさない
肌のバリアが弱ってくると、肌は乾燥し、敏感性が増します。このバリアをサポートするためには、きちんと保湿をすることが必要不可欠です。
顔を洗った後は、速やかに保湿し、肌の乾燥を防ぎましょう。スキンケアアイテムは、手のひらで押さえるようにして馴染ませると良いです。
詳しいクレンジング・洗顔手順や保湿の方法は、こちらの記事「肌あれを最小限に抑えるための予防策」を参照してください。
スキンケアの過度な取り組みは避ける
スキンケアの過度な行為は、肌へのストレスとなります。適度に行うことが大切です。
洗顔は1日に朝晩の2回が理想です。多く洗うと、肌が乾燥する恐れがあるので注意が必要です。
さらに、スクラブやピーリングで古い角質を取る方法は、時折刺激が強いため、化粧水がピリピリと感じる時は使用を控えることを推奨します。
皮膚にはやさしく接触
洗顔の時だけでなく、日常的な生活の中で皮膚に過度な摩擦を与えてしまうことも考えられます。
例として、顔をタオルで乾かす際に強くこすらず、清浄なタオルを使い顔に優しく押し当てて水を取るよう努めましょう。
「かゆみがあるから」と掻きむしると、肌の状態がさらに悪化し、皮膚は敏感になってしまいます。痒みが生じた際は、該当部位を冷却することが良策となります。
肌荒れになりやすい状況に備える
乾燥した空気は、肌の乾燥や肌荒れを引き起こす主因となり得ます。特にエアコンの使用中は、湿度を40~60%の範囲に維持するための加湿器などを利用しましょう。
紫外線も皮膚の健康に悪影響を及ぼすため、紫外線を避ける対策が必要です。日焼け止めの使用や、帽子、日傘などで紫外線の影響を最小限に抑えるよう努力しましょう。
アレルギー体質の方は、肌荒れの要因となる物質から離れることが大切です。原因となりうるものに触れないことが推奨されます。
マスクの材質が肌に過度な刺激を与えることも。その際は、天然の素材であるコットンなどに切り替える、あるいはガーゼを挟むことが有効です。マスクが触れる部分にワセリンを塗布することも、摩擦によるダメージを減少させるために役立ちます。
化粧水のしみが治らない時は専門家に相談
先に触れたケア方法を実践しても、症状が持続する、または化粧水がしみる原因が明らかでない場合、皮膚科の診察を受けることを考慮しましょう。
自己判断での長期のケアは、症状の悪化を招く可能性があるので、早めに専門家の意見を求めることが賢明です。
総括
化粧水が肌にしみたり、ヒリヒリ感がある時、それは皮膚のバリア機能が低下しているサインかもしれません。自己ケアだけで症状が解消しない、原因が不明な場合には、皮膚科の専門家に相談することを検討しましょう。
更新日:投稿日:2024.03.02