あかぎれとその特徴・起こる原理を知り、早期のケア・予防方法

冷えた季節になると顕著になる肌の問題、それが「あかぎれ」です。あかぎれが生じると皮膚が深く裂け、なかなか回復せず、何週間もの間痛みを感じる人も少なくないでしょう。

この記事では、あかぎれが具体的にどのような症状を持つのか、また、どのような要因で起こるのかを詳しく説明いたします。予防策やケア方法も併せて提案しますので、あかぎれに困っている方はぜひ参照してください。

目次

あかぎれって何?「ひび割れ」との差異も解説します

あかぎれとは、指先や足の裏部分が乾燥して、その皮膚上に微細な切れ目が生じ、出血や炎症を伴う状態を指します。

このような状況を「ひび割れ」と混同する人もいるかもしれませんね。

「ひび割れ」もあかぎれと同じく、皮膚が乾燥し、表面に裂け目が現れる症状です。ただ、ひび割れはあかぎれに比べ、裂け目が浅めで、少しのかゆみ程度のものです。

ひび割れがさらに進行し、裂け目が深まると、出血を伴ったあかぎれの状態に変わり、見るからに悲しい姿となります。あかぎれになると痛みも伴うので、水に触れるのがつらくなったり、日常生活に支障を感じることもあります。

あかぎれが生じる要因を探る

肌がしっかりと保湿されていれば、あかぎれのような肌の悩みは少ないです。だが、皮膚が乾燥し始めて固くなると、外部からの圧力によって「ひび割れ」が生じ、さらにあかぎれへと進展しやすくなります。

冷たい季節にあかぎれが出現しやすいのは、気温が下がり、乾燥した空気が体の汗や皮脂の生成を減少させるからです。汗や皮脂の生成が少なくなると、皮膚は乾燥しやすくなり、水分や柔軟性が低下し、裂け目ができやすくなります。

また、頻繁な手洗いやアルコールでの消毒、入浴時の洗髪なども手の肌にストレスとなるので、注意が必要です。手の肌がダメージを受けると、皮膚の保護機能も低下するため、乾燥しやすく、あかぎれが発生しやすくなります。水や洗剤の使用が多い日常では、季節を問わずあかぎれのリスクが高まることを覚えておきましょう。

あかぎれの特徴的な症状

私たちの皮膚は、外側を守る表皮とその深い部分にある真皮という二つの層から成り立っています。あかぎれは、表面の表皮だけでなく、もっと深くの真皮までの部分に亀裂が生じることを示しています。乾燥から固まった皮膚が切れてしまい、痛みや激しいかゆみ、炎症のような腫れを引き起こすことがあります。

進行してしまうと、あかぎれから血が出ることも考えられます。特に手指の関節部分に亀裂ができると、手や指の動きの度に痛みや違和感を感じる可能性があり、日常の活動に悪影響を及ぼすことがあるでしょう。

手指だけでなく、足のかかとにも生じることがあり、これらは私たちが日常的に頻繁に使用する部分です。したがって、なかなか治りづらく、再度発症するリスクも高いのが特徴的です。

あかぎれを未然に防ぐ方法

あかぎれは一度発症すると完治するまでの時間が長いので、予防がとても大切です。また、再び症状が出てしまわないように、日常の予防法を知っておくことがおすすめです。

特にあかぎれになりやすい方は、次のポイントを念頭に置き、日常生活で意識的に取り組むことを考慮してみてください。

刺激や乾燥からの保護

頻繁に水や洗剤に触れることで、手の皮膚は乾燥しやすく、あかぎれが引き起こされやすくなります。特に水仕事をする際には、ゴム手袋を身につけることを日常の習慣として心掛けてみてください。

さらに、高温のお湯は、肌を保護している皮脂などの重要な成分を取り去ってしまうリスクがあります。手を洗う時だけでなく、バスタイムやシャワー時のお湯の温度にも気を使うことが求められます。熱いお湯での長い入浴は、皮膚の乾燥を促進する原因となるので、適切な温度を選ぶ、またはバスタイムを短縮するなどの工夫が欠かせません。

手を洗った後の自然乾燥は、皮膚の水分が奪われる原因となるため避けた方が良いです。水分が気化する過程で、皮膚の水分も失われてしまうのです。そのため、手を水で濡らした後は、タオルで優しく水分をとり、速やかに乾燥を防ぎましょう。

年間を通して、特に寒い季節は皮膚が乾燥しやすく、あかぎれが発症しやすい時期です。冷えて乾燥した空気の影響を受けないよう、手袋や厚手の靴下、耳当てなどを使用して、皮膚を守るように気をつけましょう。

しっかりとした保湿の実践

しっかりとした保湿は、皮膚を乾燥や外部の刺激から守るための鍵です。

風呂上がりや水仕事をした後には、保湿クリームやローションを用いて、肌に潤いを与えることが重要です。ハンドクリームをキッチンや洗面台の近くに置いておくと、手を洗った直後にすぐにケアすることができ、保湿を怠らなくなります。

保湿製品を選ぶ際には、配合成分をチェックしましょう。高い保湿効果を持つセラミドやビタミンAを含む製品は特におすすめです。さらに、ビタミンEやヘパリンのような成分で血行を良くするものも、肌の健康には役立ちます。

食事バランスの見直し

健康的な皮膚を保つためには、適切な栄養の摂取が欠かせません。以下に挙げる栄養素は、皮膚の生成や修復をサポートするものですので、日々の食事で意識して取り入れるよう心掛けましょう。

  • プロテイン(タンパク質)
  • ビタミンA
  • ビタミンC
  • ビタミンE
  • 各種ミネラル
  • 必要な脂質
  • 亜鉛

など

冷え性や血行を悪化させる可能性のある冷たい食べ物や飲み物は控え、代わりに体を温める食材やドリンクを選択することが良いでしょう。良好な血行は、皮膚の健康を維持するために非常に重要です。

あかぎれが発生した際の適切なケア

予防策を取っていても、あかぎれになることは避けられない場合もあります。そのような場合、早急に適切な対応をすることが必要です。

あかぎれが生じた場合、以下のステップで的確にケアを行いましょう。

清潔な患部を維持する

ケアを始める前の第一歩として、患部の清潔さを保つことが非常に重要です。ただし、過度な洗浄は乾燥を進める原因となり、状況を悪化させる恐れがあるので、慎重に行いましょう。

刺激を極力避けるため、肌に優しい低刺激性の洗浄料を使用し、患部を穏やかに洗浄します。洗った後は、清潔なタオルで優しく水分を取り除きます。

患部の保湿を実施する

あかぎれが発生している場合、患部への保湿時も刺激を避けることが肝心です。保湿に使用する製品は、低刺激性のものを選び、ケアを施す際は患部を優しく扱うことを心がけます。

手を洗ったり、家事を行った後など、皮膚が水分で濡れた際には、必ず保湿する習慣を持ちましょう。特に、寝る前にはあかぎれ対策の医薬品や特定のクリームをしっかりと塗布して、集中的にケアすることが好ましいです。

手全体だけでなく、指の間や指先、さらには乾燥しやすい爪周辺など、細部までしっかりと保湿ケアを実践しましょう。

傷部分の保護を行う

患部の清潔さを確保した後は、水絆創膏や治癒効果を持つ絆創膏を使用して、傷部分を外部の刺激や乾燥からしっかりと保護します。絆創膏の下には安全な環境が形成され、痛みの軽減や治癒を促進する助けとなります。湿度を適切に保つことで、患部の回復速度も向上するでしょう。

ただし、一部の絆創膏では、傷部分にクリームなどを塗ることが推奨されない場合がありますので、使用前に商品の取扱説明をきちんと確認してから利用しましょう。

あかぎれ対策の医薬品や特定の外用薬を活用する

あかぎれの治療を効果的に行うためには、ひびやあかぎれ専用の医薬品や指定医薬部外品の外用薬が役立ちます。商品のパッケージに記載されている使用法や使用期間をしっかり確認し、適切な方法で使用することが重要です。

さらに、具体的な症状に応じて、痛みやかゆみ、炎症を軽減する効果を持つ一般の外用医薬品の利用も、つらい症状を軽減するのに有効です。

ただし、時に外用薬が患部に不快な刺激を与えることも考えられます。使用を開始してからの症状の悪化を感じた場合、直ちに使用を中止しましょう。

皮膚の専門医を訪れる

自分自身のケアだけであかぎれが改善しない、または症状が悪化するような状況の時には、専門家の意見を求め、皮膚科に足を運んで正しい治療を受けることをおすすめします。特に、患部が強く痛む、または炎症による腫れがひどい場合などは、遅くならずに皮膚科への受診を考慮してください。

総括

あかぎれは、寒さによる皮脂や汗の分泌の低下、その他の外的要因によって皮膚が乾燥しやすくなると発生しやすくなります。加えて、日常的に水を頻繁に使用することで、季節に関係なくあかぎれを引き起こすリスクも上がります。

あかぎれが一度発生すると回復には時間がかかるため、日常生活での保湿対策や予防が非常に重要となります。症状が出た場合には、この記事で触れた方法を参照して、早めのアプローチを心掛けましょう。

更新日:投稿日:2024.03.02

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