冬のあせもに要注意!乾燥しやすい時期の肌トラブルの予防法

あせもで、かゆみや赤みといった肌の問題に直面することはよくあることですね。多くの人が夏の暑さと共にあせもを想像するでしょうが、実のところ、夏だけでなく他の季節も警戒が必要です。

寒い冬でも、あせもは発生する可能性があります、とくに外の気温が凍えるほどに下がる地域では。赤ちゃんや子どもの肌は特に繊細なため、冬に彼らが肌を掻いているのを見かけたら、あせもを疑うべきかもしれません。チェックしてみてください。

このセクションでは、冬にあせもができる理由とそれを防ぐための推奨される方法をご紹介します。

目次

あせもの仕組みとは?原因を探ってみよう

あせもは、大量の汗と汗道が詰まることで生じる肌の状態です。暑い季節や運動をした後など、体温が上がるときには、汗腺から分泌された汗が汗道を通じて体外に排出される仕組みです。

しかし、汗に含まれる塩分や、肌に付着した空気中の微粒子が汗道を塞ぐと、汗の排出が滞り、結果としてあせもができてしまうのです。

熱がこもりやすく、汗をかきやすい顔や首、腕の内側はあせもになりやすい箇所です。そこで、汗ばんだらすぐに拭き取ったり、洗い流したりすることが重要です。

赤ちゃんや子どもはあせもリスクが高い?冬にも注意が必要なわけ

赤ちゃんや子どものあせもが多いという印象を持つ方は少なくないでしょう。子どもが大人に比べて汗をかきやすいのは、同じ数の汗腺が小さな体に密集しているからです。

しかし、大人でも冬にはあせもに悩まされがちです。ここでは、冬でもあせもが生じる原因を解説しますので、ぜひ参考にしてください。

原因その1:冬場の重ね着

冬になると、重ね着によって次のような状況が生じがちです。これが、あせもが発生しやすくなる理由の一つです。

・服が呼吸しづらく、汗による湿気で肌がムレやすい

・布地が密なため、汗の蒸発が難しい

・乾かない汗が汗管を塞ぎ、詰まりやすくなる

たとえば、外出先の店内で防寒具が熱さを感じる瞬間があるはずです。また、家事をしたり、お子さんと遊んだりする際にも、体が温まり汗をかくことはありますよね。

冬の衣料品は体を温かく保つこと、風を避けることに特化しています。そうなると、汗が出た場合には乾きにくく、肌の蒸れを引き起こしやすくなります。

この状態での汗成分が汗管に溜まり、肌が炎症を起こすことであせもが形成されます。

室内に戻った時や活動をして体温が上昇する場合は、お子様の衣類の調節を行ってあげるとよいでしょう。

原因その2:部屋の過度な暖房

暖房によって室内を過剰に暖めることも、厚着による場合と同様、あせものリスクを高めます。部屋の気温が高いと、少しの動きで汗ばみやすく、さらに通気性の悪い衣類を着ていると、汗が蒸発しづらくなります。

大人も子供も、過剰な発汗を避けることが肝心です。室内の温度設定は、軽い活動をしても汗ばまないレベルに保つことが望ましいです。汗をかいた場合は、定期的にサッと拭き取るようにしましょう。

特に、体温の調節が未発達な赤ちゃんは、「暑さ」や「汗」を自ら訴えることができません。定期的にチェックし、汗をかいていないか確認してあげてください。

あせもの3つのパターンとその症状

汗を外へ排出する汗管が皮膚深くに通じており、詰まりが皮膚の表面付近や真皮に近い層で生じることがあります。あせものタイプは、この汗管の詰まりがどの深さで発生するかによって異なります。

あせもには、次の3タイプが存在します。

水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)

紅色汗疹(こうしょくかんしん)

深在性汗疹(しんざいせいかんしん)

これらのタイプごとの症状をご紹介します。

水晶様汗疹(透明なあせも)

皮膚表面の浅いところで汗管が塞がった状態を水晶様汗疹と呼びます。数ミリメートル程度の小さな、白く透き通る水疱が目立つ特徴があります。

大抵はかゆみや痛みがほとんど感じられないため、存在に気付かずに過ごすことも多いです。

特に赤ちゃんの顔によく出現する水晶様汗疹は、大人においても発熱に伴う発汗で見られることがあります。通常は数日で水疱が自然と乾いてなくなります。

紅色汗疹(赤く盛り上がったあせも)

表皮の部分で汗管が塞がる現象により発生するあせもが紅色汗疹です。この状態は赤く盛り上がった発疹がかゆみを伴って現れ、ひどくなると膿を持つ場合もあります。

通常、「あせも」と聞くと想起されるのはこのタイプで、痒みの度合いには個人差があるものの、時には我慢できない強烈なかゆみに襲われることもあり、掻き壊すと症状が悪化します。

高温多湿の環境下での多量の発汗がきっかけとなって現れやすく、赤ちゃんや小さな子供、多汗症の人、体重が重めの人に特に多く見られます。

深在性汗疹の特徴

紅色汗疹のさらに奥、真皮層で汗管が塞がる事態が発生すると、深在性汗疹が現れます。これは紅色汗疹が繰り返されることによって生じることが多く、白く平たい湿疹が目立つ特性があります。

熱帯地方で主に見られるこの症状は、日本では比較的珍しいとされています。深在性汗疹が出ると汗の排出が妨げられ、それが体温調整に影響を及ぼし、熱中症のリスクを高めるため注意が要されます。

この症状を自覚したら、速やかに医療の専門家に相談することが勧められます。

あせもができやすい身体の部分

あせもは汗腺が汗によって塞がれることで生じるため、汗が集中しやすい箇所に多く見られます。

特にあせもが出来ることが多いのは以下の部位です。

・顔

・首回り

・腋の下

・膝の裏や肘の裏

・股関節周辺 など

首元はシャツの襟等で蒸れが生じやすく、腋の下や関節の内側は汗が滞りやすい場所です。

これらの部分は特にあせもが発生しやすいので、発生を予防するためには、呼吸性のある衣服の選択などの予防策が効果的です。あせもに特に悩まされやすい乳幼児や子供を持つ場合は、これらの部位の丁寧なケアが求められます。

さらに、包帯やギプス、湿布などを使用している部分も蒸れやすく、あせもが生じやすいため、定期的な汗の拭き取りや包帯の交換が有効です。

発疹は勝手に治まる可能性はあるのか?

軽い発疹の場合、しばしば数日中に自己回復することが期待できます。特筆すべきは、肌の表層で起こる白っぽい発疹(水晶様汗疹)で、これは大体の場合、かゆみも痛みも生じず、自然治癒を見込むことができます。

しかし、皮膚の深部で発生する発疹は、放置すれば症状の悪化を招く恐れがあるため警戒が必要です。

たとえば、炎症を伴う赤い発疹(紅色汗疹)は、激しいかゆみを伴い、掻くことで「とびひ」へと進行するリスクがあります。

痛みやかゆみを感じたら、市販されている治療薬で対応することを考えましょう。

それでも症状が改善しない、あるいは悪化するケースでは、自宅での処置だけでは十分でないことが考えられます。そのような時は、できるだけ早く医療機関での診断を受けることが望ましいです。

警告!乾燥によるかゆみ、掻きむしりは厳禁!

冬季には、乾燥した空気が肌のかゆみを引き起こすことがしばしばあります。特に、乾燥が進んだ肌は、汗が刺激となり得るため、注意が必要です。乾燥によりかゆみが生じたり、発疹が出現したりした場合も、決して掻きむしらないようにしましょう。子供が掻きむしりがちなら、掻かせないよう促し、かゆみ止めの使用を忘れずに。

注意をそらす他の活動、例えば遊びや玩具に没頭するなどの方法が役立つこともあります。掻き続けると、以下のような不利益な連鎖反応を引き起こすことになります。

・皮膚に損傷を与える(バリア機能が弱まる)

・さらなる刺激に対する感受性が増す

・炎症が進行する

・かゆみが増す

掻きむしる行為は一時的な快感を提供しますが、肌を傷つけ、より敏感にしてしまいます。そして、汗や汚れが炎症を誘発する原因にもなりえます。

大人も無意識に肌を掻くことがありますので、常に自己管理を怠らないようにしましょう。

冬も安心!あせもの予防とかゆみ対策

前述した通り、季節を問わず、あせもは大人も子供も警戒すべきです。寒い時期の暖かな服装は体を温めるものの、室内や活動後の体温上昇で汗をかくことがあります。

従って、冬におけるあせもの予防策は重要になります。ここで、冬期のあせもに悩まされないための防止策と、かゆみを抑制する手段をご案内します。

​​【予防法】清潔な肌状態を維持

あせもは汗や付着したダストが汗管を塞ぐことで発生します。肌が清潔に保たれ、汗が汗管を通じて適切に排出されることが重要です。

予防のキーポイントは次の通りです。

吸水性の良い衣類を選択

肌に優しく、吸湿性が高い素材の衣服を選びましょう。例えば、綿100%のインナーなどが肌に残る汗量を減らし、蒸れからくるかゆみを低減します。

汗をかいたら早めに拭き取るかシャワーを浴びる

外出で汗をかいた際は、タオルで拭くなどして肌を清潔に保ちましょう。自宅に戻ったら、汗をしっかり洗い流してください。

保湿を念入りに行う

乾燥する冬は、肌が汗の刺激に敏感になりやすいです。顔や手だけでなく、体全体に渡る保湿ケアを念入りに行いましょう。

保湿した後には、水分が逃げないように乳液クリームを重ねづけしましょう。また、肌の乾燥状態に応じて、夏場とは異なるタイプの保湿剤を選ぶのも良いでしょう。

【抑える方法】​炎症の冷静化

炎症を既に抱えているなら、その鎮静が必要になります。次のように、炎症を抱えた肌へは、状況に応じた処置を施しましょう。

・症状に即したあせも用薬を塗布し、かゆみを鎮める

・皮膚の保護や回復を助ける成分入りのあせも薬を選択

・肌のタイプに適した薬剤を用いる

かゆみの度合いや炎症の状態に応じて、適切な薬を使用します。選ぶ際は、炎症抑制成分だけでなく、皮膚保護や回復助ける成分を含んだものが推奨されます。あせも薬は、掻く前に塗ることが望ましいです。

市場には多様なあせも治療薬があります。ご自身の症状や肌質、好みに合わせた商品をお選びください。例えば、さっぱりとした使い心地を好む方は、パウダー入りのクリームが適しているかもしれません。

総括

あせもは、夏の間だけでなく、冬にも困る肌の問題です。汗を多くかくとされる乳幼児や子供だけでなく、成人にもあせものリスクは存在します。

冬の暖かい服や暖房が原因となり、夏と変わらず汗をかくことが多い季節でもあります。さらには、乾燥しやすい低湿度の環境もあり、保湿とあせも予防は必要不可欠です。

この度お伝えした通り、日常の保湿ケアに加えて、肌を常に清潔に保つことが大切です。特に自分でケアできない乳幼児や子供には、大人が定期的にチェックし、適切なケアを行うことが重要です。

更新日:投稿日:2024.03.02

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