女性にとって厄介な肌トラブル。
一生懸命スキンケアを続けていても、意識せずに肌荒れの原因を作ってしまうことがあります。
ホルモンの変動により、女性特有の肌の乱れが顕著になります。
清潔で健康的な肌を保つことは、誰もが望むこと。
それには食生活を見直すことが不可欠です。
今回は、美肌を保つための食事法に焦点を当ててご紹介します。
美肌を妨げるNG食習慣
美しい肌に悪影響を及ぼす食習慣には、一体どんなものがあるのでしょうか。
肌トラブルに繋がる食生活のチェックリスト
入念なスキンケアにも関わらず肌荒れが改善しない場合、食生活が影響しているかもしれません。
次のチェックリストを参考に、当てはまるものがないか確かめてみてください。
・ジャンクフードやインスタント製品など脂質の高い食品を頻繁に摂取する
・スイーツや菓子類を日常的に食べる
・カフェインを多く含む飲料をたくさん摂る
・刺激的な香辛料を好んで食べる
・ダイエットのために極端な食事制限をしている
・アルコールを頻繁に飲む
美しい肌を維持するためには、外からのスキンケアだけでなく、栄養のバランスを考えた食事で内側からのケアが不可欠です。
いくつかの項目に該当する方は、この内容を参考に食習慣の改善を検討してみてはいかがでしょうか。
さらに、肌トラブルを防ぐためには飲料の選択にも気をつける必要があります。
カフェインを多く含む飲み物やアルコールは睡眠の質を下げたり、利尿効果で体の水分を減らすため、過度な摂取は控えめにしましょう。
美肌へと繋がる食生活について、次の項目でさらに深堀りして説明します。
脂質・糖質のとりすぎ
無意識に摂り過ぎている可能性があるのは、脂質や糖質です。
これらが多い食品を摂ると、皮脂の過剰な分泌を促し、肌トラブルを引き起こしやすくなります。
チョコレートの食べ過ぎがニキビを引き起こすと聞いたことがありませんか?
チョコレートは脂質や糖質が豊富で、食べすぎれば皮脂の分泌を促し、ニキビを誘発する原因となり得ます。
その他にも、頻繁に揚げ物を食べる人は、摂り過ぎた脂質がニキビの元になっているかもしれません。
揚げたての食べ物は美味しさに誘われますが、控えめにするか量を少なくする工夫をしましょう。
偏った食事
栄養が偏った食生活も肌荒れを招く原因となり得ます。
朝食を抜いたり、食事量が少なかったり、野菜のみを食べるなどの習慣は、栄養不足や偏りを生じさせ、肌トラブルを誘発します。
美肌を維持するには、規則正しい食事と栄養バランスが重要です。
どんなに体に良いとされる栄養素も、それだけを摂っては効果は半減します。
様々な栄養素を組み合わせることで、より大きな健康効果が期待できます。
バラエティに富んだ栄養を取り入れることで相乗効果を目指しましょう。
肌を美しく保つ食生活のポイント
美しい肌を維持するためにはバランスの取れた食事が重要であることはお伝えしましたが、具体的に何を意識すればいいのか考えてみましょう。
腸の健康を向上させる
美肌を維持するには、スキンケアだけではなく、腸の健康も大切です。
実際に、肌と腸は密接に関連していて、腸内環境が整うと便秘が解消され、肌の状態も向上するとされています。
便秘は女性の間で広く見られる状況ですが、肌トラブルの大きな原因でもあります。
便秘は腸内環境の悪化を意味し、栄養吸収の低下や老廃物の蓄積を招き、結果的に肌荒れやニキビを引き起こします。
腸内フローラを整えるためには、海草や乳酸菌が含まれるヨーグルト、キノコなどを摂ることをおすすめします。
これらはどれも簡単に手に入る食品なので、日々の食事に意識的に取り込むことが大切です。
また、忙しい日々の中で朝食を摂らないという人も少なくないでしょう。
しかし、規則正しい排便を促し便秘を防ぐためにも、一日三食きちんと食べることが重要です。
バランスのとれた食事を心がける
肌の調子を整えるためには、栄養バランスを考慮した食生活が欠かせません。
多忙を極める毎日では、「忙しいからといってコンビニ食に頼りがち…」という方も多いでしょう。
コンビニで食事をする時も、栄養面を意識することが大事ですし、近年では栄養バランスを考えた商品も数多く揃っています。
すべての食事を自炊する必要はないので、無理のないやりかたで取り組みましょう。
無理をすることはストレスに繋がり、そのストレスが肌トラブルの原因になりかねません。
コンビニでの選択肢としては、豆やキノコを含むサラダやお味噌汁などの食物繊維が豊富なメニューや、ヨーグルトや納豆のような発酵食品が適しています。
ゆで卵はコンビニでも簡単に手に入るので、日常的な食事に加えてみてはどうでしょうか。
卵は肌荒れ防止に役立つ栄養素が豊富で、ビタミンCと食物繊維を除くほぼ全ての栄養を提供します。
また、たんぱく質の必須アミノ酸のバランスも優れているので、一日に一つを目安に摂取することが推奨されます。
ファストフードを控えめに
栄養バランスを心掛ける上で、ファストフードやジャンクフードは可能な限り避けた方が良い食品です。
これらの食品群は健康な肌に必要なビタミンなどの栄養素が少なく、栄養の偏りが生じやすいです。
たまの楽しみとしては良いですが、日常的には野菜、肉、魚などを積極的に摂取し、栄養バランスを考えた食事を選ぶよう心がけましょう。
美肌を目指すために取り入れたい栄養
肌荒れをどう改善するかというと、キレイな皮膚のためにはどの栄養が必要かを知ることが大切です。
それでは、健康的な肌を維持するために積極的に摂取したい栄養素をご紹介します。
プロテイン
プロテインは肉類、魚類、乳製品に含まれる重要な栄養成分です。
ダイエット中や筋トレ時にプロテインが必須であることはよく知られていますが、肌を整える上でも欠かせない成分の一つと言えます。
プロテインは、皮膚組織やコラーゲンの生成に不可欠で、肌の新陳代謝を加速させる効果があります。
肌は新陳代謝を通じて生まれ変わるため、プロテインを意識的に取ることが推奨されます。
さらにプロテインは骨格や筋肉の保持に関与し、健康的でしなやかな肌作りにも寄与します。
ビタミン類
肌にビタミンが欠かせないのは、既に多くの人が認識している通りです。
皮膚トラブルで皮膚科を訪れた際に、ビタミン剤を処方された経験がある方も少なくないでしょう。
ビタミンには、B2,B6,C,A,Eといった様々な種類が存在し、それぞれが皮膚の修復や質の維持に貢献しています。
ビタミンB2は、うなぎや納豆、チーズなどに豊富に含まれ、皮膚や粘膜の健康をサポートします。
ビタミンB6は、マグロやレバー、鰹に含まれており、たんぱく質の代謝に関わる重要な栄養素です。
ビタミンCは、柑橘系フルーツやブロッコリー、キャベツの芽、赤ピーマンなどの野菜に多く含まれ、コラーゲンの生成に必要な上、体を酸化から守る役割も果たしています。
ビタミンAは、うなぎやカボチャ、レバー、卵などに多く含まれており、皮膚や粘膜の健康維持に効果的です。
ビタミンEは、アボカドやナッツ類、たらこ、うなぎに含まれており、酸化防止の機能を果たしています。
ビタミンを摂取することは肌荒れ防止に有効ですが、過剰に摂ることによるリスクも念頭に置く必要があります。
たとえば、うなぎやレバーはビタミンAを豊富に含んでいますが、その過剰摂取はビタミンA過剰症に陥る恐れがあり、急性では脳圧亢進の症状や肝障害が、慢性では色素沈着が生じる可能性が指摘されています。
また、たらこにはビタミンEが多く含まれている一方で塩分も多く、100gで4.6g含まれており、日本人の摂取基準目標の6.5g未満を超えてしまいがちです。
塩分の過剰摂取はむくみを引き起こし、それが肌荒れの一因になることもあるので注意が必要です。
β-カロテン
緑黄色野菜に豊富なβ-カロテンの摂取も、肌荒れを防ぐために推奨されています。
β-カロテンには肌の老化を促す活性酸素の作用を抑える効果があるため、日常的に摂るべき栄養素です。
摂取したβ-カロテンは体内でビタミンAに変わり、皮膚や粘膜の健康を促進する効果が期待できるので、肌荒れを避けるためにも積極的に摂取することが望ましいです。
β-カロテンは、ニンジンやほうれん草、カボチャ、モロヘイヤなどに特に多く含まれています。
これらの野菜を使用したジュースやスムージーを飲むのも良いでしょう。
鉄分
鉄分は、不足によって貧血をはじめとする諸症状が引き起こされる可能性がありますが、美しい肌を維持する上で不可欠な要素です。
日頃から意識的に摂取しないと不足する栄養であり、多くの現代女性がこの鉄分の不足に陥っているとも言われています。
鉄を豊富に含む食品としてレバー、海藻類、貝類があり、これらは赤血球の生成に必要不可欠な栄養源です。
鉄分が不足することで、身体が酸素を十分に取り込めず、結果として肌の再生プロセスが衰え、皮膚の正常なターンオーバーが妨げられてしまいます。
月経期間後の女性は特に鉄分が減少しやすいため、積極的に鉄分を補給する食生活を心がけることが重要です。
必須脂肪酸
肌を健やかに保つためには、必須脂肪酸の摂取が非常に大事です。
多くの人が脂肪を身体に悪いものと決めつけがちですが、それは必ずしも真実ではありません。
脂肪酸には、「飽和脂肪酸」、例えばバターに含まれる酪酸やラードのパルミチン酸などと、「不飽和脂肪酸」があります。
そして「不飽和脂肪酸」は、「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」に細分化され、以下のような種類が存在します。
【一価不飽和脂肪酸】
オレイン酸
【多価不飽和脂肪酸】
リノール酸、α-リノレン酸、アラキドン酸、EPA、DHA
これら「多価不飽和脂肪酸」は体内で合成できず「必須脂肪酸」と称されます。これは食事を通じての摂取が不可欠です。
オリーブオイルに多く含まれるオレイン酸、青魚に豊富なDHAやEPA、そしてシソ油やエゴマ油に含まれるα-リノレン酸などが、必須脂肪酸です。
ただし、シソ油やエゴマ油は酸化しやすいので、加熱するのではなく、サラダドレッシングなどでの利用が良いでしょう。
食物繊維
腸内環境を整えることは、肌荒れを防ぐ上で食物繊維の摂取が欠かせません。
食物繊維は腸の清掃係として機能し、便秘となり肌荒れの原因になり得るものを防ぎます。
食物繊維は水溶性と不溶性の二種類に大別され、それぞれ異なる効能を持っています。
腸内環境を良好にするためには、両方を適切に摂取することが大切です。
【水溶性食物繊維】
水に溶けやすく、ゲル状態に変わりやすい水溶性食物繊維は、便を柔らかくし、腸内の善玉菌の栄養となり、これを増やす役割を果たします。
水溶性食物繊維が豊富な食品は以下の通りです。
果物 … リンゴ、イチゴ、キウイ、パパイヤ、柑橘類など
海藻 … ワカメ、昆布など
野菜 … キャベツ、白菜、大根、ラッキョウ、もやしなど
キノコ … 椎茸、エノキタケなど
穀物 … 大麦など
【不溶性食物繊維】
不溶性食物繊維は、水になじみにくい性質があり、腸で水分を吸収し膨張することで、便の体積を増やし腸の動きを活発にします。
不溶性食物繊維が多い食品は以下の通りです。
イモ類 … 里芋、サツマイモなど
野菜 … カボチャ、枝豆、ブロッコリー、オクラなど
豆類 … 大豆、インゲン豆、エンドウ豆、小豆など
キノコ … 黒木耳など
穀物 … 玄米、小麦、ライ麦など
食事以外で心がけたい生活習慣
美しい肌を維持するためには、食事だけではなく、生活習慣全体を見直すことが不可欠です。
肌を傷めないために、様々な生活習慣をチェックしてみましょう。
「睡眠」「スキンケア」「紫外線からの保護」という三つのキーポイントに特に注意を払いましょう。
質の高い睡眠
古くから「睡眠不足は肌に悪影響を及ぼす」と言われており、美肌を維持するには適切な睡眠が欠かせません。
良質な睡眠を確保することで、成長ホルモンが活発に分泌され、肌の新陳代謝が促されます。
睡眠の質を高めるためのいくつかの工夫があります。
- 就寝前の温かいお風呂で体を温める
- 就寝前の電子機器の使用を避ける
- ストレスを適切に管理する
バスタブにゆっくり浸かることで、身体を内側から温め、ぐっすりとした睡眠につながります。
スマートフォンやタブレットなどの電子機器は寝室から遠ざけ、睡眠の質を保つ助けにしましょう。
また、ストレスは睡眠不足や質の低下を引き起こすことがあるので、適宜解消し、溜め込まないように心掛けましょう。
適切なスキンケア
毎日のスキンケアが肌トラブルの原因となることも少なくありません。
自分のスキンケアが正しいかどうか、振り返ってみてください。
洗顔時には、洗顔料を充分に泡立ててから肌にのせ、柔らかなタッチで洗うことが肝心です。
力を入れてゴシゴシ洗うと、肌を痛めたり、必要な油分まで取り除いてしまったりします。汚れを効果的に取るには、細かな泡で優しく洗い流すのが最適です。
手で泡立てるのが難しい時は、泡立てネットを使うと良いでしょう。
また、泡状の洗顔料を選ぶのも一つの方法です。
洗顔後は、タオルで肌をこすらず、軽く押し当てて水分を取るようにしましょう。
その後は、肌に優しい化粧水や乳液で迅速に保湿を行ってください。
紫外線対策
紫外線も肌の荒れを引き起こす要因の一つです。
外出する際は、紫外線から肌を守るための対策をしっかりと施しましょう。
おすすめの紫外線防御アイテムは以下の通りです。
- サンスクリーン剤(日焼け止めやUVクリーム)
- サングラス
- 遮光傘
- 帽子
- 長袖の衣類 など
サンスクリーンは、一度塗っただけでなく、定期的に塗り直すことが大切です。
長時間経過すると汗で流れたりするため、タオルで拭いた後も新たに塗り直しましょう。
目を通じても紫外線は入るため、サングラスや遮光傘、帽子を使い、顔や目の周りも守ることが重要です。
アスファルトなどの反射光にも注意し、長袖の衣類を選ぶと効果が高まります。
これらのアイテムは、どの程度の紫外線を遮ることができるかが、タグに記載されているので、UVカット率の高いものを選びましょう。
紫外線と聞くと夏を思い浮かべがちですが、実際には年間を通して注意が必要です。
季節を問わず、外出時は紫外線対策を怠らないようにしましょう。
まとめ
今回は、美肌を保つための食事法をご紹介いたしました。
肌の状態は日々のスキンケアだけでなく、私たちが体に取り入れる栄養によっても大きく左右されます。
美しい肌を継続して保つには、表面的な保湿や洗顔といったケアに加え、食生活の見直しを通じた体の内側からのアプローチが極めて重要です。
「丁寧なスキンケアをしているのに、なぜか肌荒れがち…」と悩まれている方は、この機会にご自身の食習慣を改めて見つめ直し、肌にとって最適な栄養がバランスよく摂取できているかをチェックしてみてください。
更新日:投稿日:2024.03.02