トラブル肌の原因とそれを未然に防ぐ方法についてご紹介します。
肌トラブルの引き金となる皮膚のバリア機能低下について
肌トラブルの背後にある要素とは何でしょうか。
皮脂過多あるいは乾燥が原因の肌荒れ（内因性要因）
肌のトラブルは皮脂の分泌と密接な関係があると言われています。皮脂はある一定量を維持することが望ましく、この皮脂と水分の配合が狂うことで肌トラブルが生じることが多いのです。皮脂の量が過多だと、余計な皮脂が酸化して肌を刺激したり、ニキビを生じさせる菌が増えたりして、肌トラブルを悪化させる原因となります。
加えて、肌表面の最も外側にある角質層の細胞と細胞の間には、肌の水分を維持する細胞間脂質やNMFが存在し、これらが不足すると皮膚のバリア機能が落ち込みます。
皮膚のバリア機能が果たす役割には、
・外部刺激から肌を守ること
・内部の水分や脂質を維持すること
の2点があります。
これが十分でないと、肌の水分が失われ、外部の影響を受けやすくなり、結果として肌トラブルに繋がりやすくなります。
季節の変動による環境の変化が肌に及ぼす影響（外因性要因）
内因性要因に加えて、外因性要因として環境の変化も肌トラブルの一因です。
例としては、花粉が飛ぶ時期には、肌が反応してトラブルを引き起こすことがあります。花粉が皮膚に付くことで、体の防衛機構が過剰反応し、結果として肌のかゆみや荒れを誘発するのです。
肌は微妙な変化にも敏感に反応するため、常に自身の肌の状態を観察し、肌の健康を心がけることが大切です。
肌のバリア機能の低下を招くターンオーバーの不調
肌のバリア機能低下の原因として、ターンオーバーの異常が挙げられます。以下で、ターンオーバーに関する情報をお話しします。
ターンオーバーとその重要性
肌細胞はおよそ28日の周期で新旧交代を繰り返します。この周期がターンオーバーですが、さまざまな原因でこれが乱れると、肌トラブルの原因になることがあります。
ターンオーバーが乱れる原因は何か
ターンオーバーが乱れることは、生活習慣や健康状態など複数の要因によって引き起こされます。
- 睡眠不足
- 不十分な運動
- バランスを欠いた食事や極端なダイエット
- 喫煙
- 過度なアルコール摂取
- 便秘
- 月経周期
- ストレス
- 過労
- 冷え
- 年齢の影響
- 誤ったスキンケア方法
- 空気の乾燥（気候やエアコンの使用）
- 紫外線
- 花粉 など
これらの日々の習慣や皮膚への刺激が、ターンオーバーの調和を乱してしまうことが考えられます。
スキンケアで肌荒れを防ぐには？
それでは、どのようなスキンケアが肌荒れを防止するのでしょうか？以下では、その予防策をいくつかお伝えします。
定期的なライフスタイル
肌荒れの予防には、日常生活のリズムを整えることがとても重要です。
食事を意図的に省くことで栄養バランスを崩しやすいですが、毎日3回の食事をきちんと摂ることが大事です。
毎日の食事が肌に反映されるとよく言われます。偏った食事はトラブルの原因となり得るので、さまざまな栄養を均等に摂取するよう意識しましょう。
また、日々の食事でビタミンやミネラルなど肌にとって好ましい栄養素を摂ることも良策の一つです。特にミネラルは不足しがちですので、積極的に摂取することが推奨されます。
ビタミンにはビタミンCやビタミンA、ビタミンE、ビタミンB2、ビタミンB6など様々な種類が存在し、それぞれ特有の機能を持っていることが知られています。それらを食材を通じて多角的に摂るよう努めましょう。
さて、睡眠も肌荒れ予防には無視できない要素です。睡眠不足は疲れの回復を妨げ、ストレスの蓄積を招き、気が付かないうちに肌トラブルを生じさせてしまいます。
肌は休息中にも再生を行いますので、睡眠が不足するとそのサイクルに乱れが生じ、肌の質感が悪くなり、防御機能の低下を招いてしまいます。
よって、ストレス軽減や肌の再生を助けるためにも、睡眠は十分に取るようにして、これを習慣化すべきです。
細やかなスキンケアの実践
肌荒れ防止には、生活習慣だけでなく、スキンケアの方法を見直すことも重要です。大切なポイントをお伝えします。
自分の肌質に合ったスキンケア製品選び
スキンケア製品は様々な種類があり、各自の肌質に合わせた商品を選ぶことが肝心です。
肌のタイプには敏感肌や乾燥肌、オイリー肌、混合肌などがあり、自己の肌の性質を理解し、適したアイテムを選んで適切にケアすることが大切です。
肌の清潔を保つこと
肌の表面に残留する皮脂やメイクが肌トラブルの一因となります。丁寧に洗い落として清潔を保つことが必要です。
メイクがある場合は、最初にクレンジング製品で落とします。
それに、その上で清潔に保つために使う道具もきれいにすることが大切です。
メイクツールは、専用クリーナーで洗い、清潔なタオルで水気を取って陰干しすることが推奨されます。
肌に潤いを与える
潤いが肌を柔らかくし、外部からの刺激に対する抵抗力を持たせる役割があります。適切な保湿は外部からのダメージを防ぐためにも必要です。
保湿には、ローションや美容液、クリームなどが有効です。肌の潤いを閉じ込めるために、保湿成分が豊富な製品を選ぶと良いでしょう。
日焼け止めを使用する
紫外線は肌荒れの大きな原因です。日焼けによるダメージから肌を保護するためには、日焼け止めが欠かせません。
紫外線は季節を問わずに常に地球に届いていますので、外出する際は季節に関係なく日焼け止めを使用する習慣をつけましょう。
これらのステップを踏むことで、肌荒れの予防につながります。さらに、肌荒れが起こった場合には、すぐに皮膚科を受診することも忘れないでください。
肌荒れを避けるための知識
肌荒れを防ぐアドバイスはこれまでシェアしてきましたが、さらに肌荒れを避けるための知識をお伝えします。
外出時の工夫をしっかりと行う
外部環境は肌にとって様々な挑戦があるものです。これらから肌を守ることは、肌荒れ防止に重要です。
たとえば、花粉症の方は、花粉が肌に触れるのを防ぐため、外出する際には眼鏡やマスク、帽子で対策をしましょう。さらに、花粉が衣類に付いて室内へ持ち込まれると肌に影響を与えることもあるため、花粉がつきにくい滑らかな衣類を選ぶことも推奨されます。
そして、紫外線は肌にとって敵ですから、日焼け止めの使用は忘れずに行いましょう。
紫外線にさらされると肌は重いダメージを受け、それが肌荒れへと繋がります。
日焼け止めの塗布のほかにも、サングラスや日傘、帽子、長袖を用いて皮膚を紫外線から守ることも良いでしょう。
一般的に紫外線は夏のものと思われがちですが、冬場もしっかりと対策をして外出することが大切です。
丁寧なスキンケアの重要性
肌荒れを避けるためには、日常生活のみならず、日々のスキンケア方法の再考も求められます。スキンケアにおいて注目すべきポイントをご紹介いたします。
ストレスの解消法
ストレスが肌トラブルの直接的な要因とも言われています。ストレスを蓄積させないことは、肌トラブルを未然に防ぐためにも大切です。
ストレスの軽減のため、日常生活で体を動かすことを意識してみましょう。運動が得意でない方も、週に1度でも体を動かすことから始めると良いでしょう。
ハードな運動よりは、ウォーキングやジョギングを始めとした軽い運動が継続しやすく推奨されます。
自宅でリラックスする時間を大切にする方は、アロマテラピーを試してみてはどうでしょう。ラベンダーのようなリラックス効果のある香りは、就寝前に特に効果的です。
他には、瞑想やヨガなどのリラックスを促す習慣を取り入れることも、ストレス解消には効果的です。頭をからっぽにして落ち着く時間を作り、ストレスの蓄積を防ぐよう努めましょう。
結論
本稿では、肌荒れを未然に防ぐ方法についてご紹介しました。日々のスキンケアや健康的な生活習慣は、肌を健やかに保つ上で極めて重要です。均整の取れた食事や充分な休息、花粉の予防や肌の保湿など、皮膚のケアには多くの点が考慮されるべきです。
理想は毎日整った生活を送ることですが、忙しさに押されてそれが難しい時は、睡眠や食生活を中心に見直してみることを推奨します。肌トラブルが発生してからでは遅いので、平素からトラブルを起こさない生活を目指して取り組んでいきましょう。
更新日：投稿日：2024.03.02
