スキンケアのキーポイントとして、紫外線防御は不可欠です。年間を通じて地表に到達する紫外線に対し、日焼け止めの日常的な利用は外せません。ただし、日焼け止めを適切に活用しなければ、望む効果を発揮しづらいものです。
ここでは、なぜ紫外線対策が通年で必須かを明らかにしつつ、日焼け止めの選び方と活用法の要点をご案内します。
通年で考える日焼け止めの重要性
紫外線は肌を守るスキンケアとしての日焼け止めの役割を担います。日の光が強い夏季、海や山でのアクティビティ中は丹念に塗る人が大半ですが、日焼け止めの使用は季節や場を問わず、年間を通してのものです。
その理由を先に紐解きます。
紫外線は季節を問わず注いでいる
夏の光り輝く季節だけでなく、他の時期も日焼け止めを怠っている方も少なくないでしょう。しかし、季節や時間の変動はあれども、常に地上へと降り注ぐ紫外線には、年中防護が求められます。
一般的には、紫外線が春から夏に向けて増えますが、冬場にも夏の半分程度の紫外線があり、油断は禁物です。
晴れ、曇り、雨関わらず紫外線は存在
晴れでない日も、日焼け止めを用いた紫外線ケアが必要です。曇りや雨が太陽を遮るとはいえ、紫外線が届かないわけではないのです。
通常、晴れた日は紫外線量が多くなりますが、曇りでも晴天の50%、雨の日でも20%の紫外線が測定され、肌には影響が続いています。そのため、気象条件や太陽の輝きに関係なく、日焼け止めの利用が奨励されます。
家の中でも紫外線対策を
室内にいても昼間は紫外線防御が大事です。窓ガラスを越えた紫外線は屋内にも入り込みます。
一日家で過ごす時も、紫外線ケアを怠らないことが重要です。窓際の陽光や、バルコニーへ洗濯物を干す際なども、紫外線を受ける機会は多いためです。外出しないと油断せず、毎朝の日焼け止め塗布を習慣にしましょう。
日焼け止めなしでは不十分な日陰対策
散乱や反射する紫外線は、屋外であっても影の中にいても皮膚を焼くことがあります。ストールや日傘で対策していても、反射光で紫外線に晒され続けているのが現実です。
特に水辺や砂浜、雪が反射しやすい環境
や、市街地での買物中も紫外線は避けられません。日焼け防止アイテムだけでは保護不足なので、肌を直接保護する日焼け止めの使用が不可欠です。
未塗布時の紫外線リスクとは?
紫外線は波長の長短によって分けられ、UVA、UVB、UVCという3種類が存在します。UVCはオゾン層で吸収されてしまうため、実際のスキンケアで意識する必要があるのは、地上に到達する残りの2タイプです。
「UVA」が及ぼす影響
「生活紫外線」とも称されるUVAは、紫外線全体の多くを構成しており、屋内外を問わず入り込む特性があります。UVAの波長は長いため、ガラス越しでも室内に届くことができます。
エネルギー自体はUVBに劣りますが、皮膚深くまで浸透し、肌の弾力性への影響が指摘されています。これが徐々にシミやしわ、たるみの原因となるため、注意が必要です。
「UVB」の及ぼす効果
UVBは波長がUVAよりも短く、エネルギーレベルが高いです。皮膚の深層への到達はしにくいですが、表皮にダメージを与えるのが特徴です。
肌の赤みや黒ずみを誘発し、日焼けの主な原因となる紫外線がUVBです。レジャー時に多く浴びがちなため「レジャー紫外線」と呼ばれることもあります。UVBは皮膚の炎症や色素沈着の誘因になり、シミやそばかすの形成を助長するため、配慮が必要です。
一年を通しての日焼け止めの選び方
適切な日焼け止めを選定する際には、「SPF」と「PA」という二つの重要な指数を考慮しましょう。
・SPF(Sun Protection Factor)
これは主にUVB、すなわち日焼けやシミ、そばかすを引き起こす紫外線をブロックする能力を数値化したものです。2~50までの範囲で効力を数値化し、「50+」と表示されることもあります。
・PA(Protection Grade of UVA)
UVA、つまりシミやしわ、たるみの元凶となる紫外線を遮る効力を示します。PA+から最大PA++++の4レベルで、記号が多ければ多いほど高効果を表します。
SPFやPAの数値が大きければ防御効果は高まりますが、その分肌に負荷をかける場合があります。特に肌が乾燥しやすい方や敏感肌の方は、数値だけでなく、肌への優しさも踏まえた選択を心掛けましょう。
例として、ちょっとした散歩や日常のショッピングではSPF10~20、PA+~++で足りるでしょう。
アウトドアや軽運動ではSPF30、PA+++を目安にしてください。
長時間屋外で活動する場合、例えばスポーツ観戦や海辺での遊びでは、SPF50、PA++++で万全の保護を施しましょう。
日焼け止め、正しい塗り方で守るべきポイントは?
日焼け止めの使用方法を間違えると、紫外線防止効果にばらつきが生じます。効果を最大限に発揮するために、適切な塗り方を身につけましょう。
しっかりと量を守り均等に塗布する
スキンケアでの保湿の後は、日焼け止めをしっかり均等に広げることが鉄則です。不足した量では、紫外線を充分にブロックできず、ムラになる原因にもなりますので、十分な量を使用しましょう。
特に顔の部分は凹凸が多く、塗り残しが出やすいため、慎重に塗布することがカギとなります。手の平に取った日焼け止めをおでこや鼻、頬、顎の五箇所に置き、指で優しく外側へと伸ばしながら塗ると均一に行き渡ります。
日焼けのリスクが高いTゾーンや頬部分は特に念入りに重ねづけして、紫外線から守りましょう。
塗り残しを避けるポイント
時々、紫外線防止のために塗った日焼け止めが不十分で、予期せぬ部位が日焼けしてしまうことがあります。顔や首筋、身体全体に渡って念入りに塗りましょう。
耳たぶやデコルテ、首の裏側、袖口、腕や足の甲など、見落としやすい部分にも注意が必要です。紫外線からの保護を心がけましょう。唇も日焼けの対象となるため、UVカット機能付きのリップクリームを活用することを忘れずに。
定時的な再塗りの重要性
日焼け止めは塗った後も、一定時間が経過すると汗や摩擦で減少するため、定期的に塗り直すことが大切です。2~3時間ごとの塗り直しで、紫外線から肌を守り続けることができます。
外出時にも再塗りが必要なので、持ち歩けるタイプの日焼け止めを準備し、塗り直しの際は肌の汚れをオフすることを忘れずに。これについてのさらなる情報は、後述の記事でも紹介していますので、紫外線から身を守る際の詳細を確認してみてください。
紫外線対策の終わりに
多くの人が日焼け止めを塗ることの大切さを軽んじがちですが、意識せずに受ける紫外線が皮膚へのダメージを秘めています。
年間を通じて肌を損傷する紫外線から身を守るため、正しい日焼け止めの選び方と使用方法を把握し、確実に対策を講じましょう。
更新日:投稿日:2024.03.02