寒い季節になると、子供たちの手の荒れが目立ってきます。乾燥したり、割れたりする子供の手を目の当たりにして、心配になる親御さんは少なくないかと思います。
この記事では、子供の手荒れの際の適切なケア方法を提案します。さらに、手が荒れる主な理由も詳しく説明しますので、きちんと確認してみてください。
なぜ子供の手は荒れるのか？
多くの人が、子供は大人に比べて手が荒れにくいと感じているかもしれません。実際に、大人の肌が乾燥する一方で、子供の肌は柔らかく見えることが多いですね。とはいえ、子供の肌は繊細で、外的要因に対して非常に敏感です。
その繊細さの背後には、「バリア機能」がまだ成熟していないことが関係しています。このバリア機能は、私たちの肌を外部のダメージから守る大切な役割を果たしており、また、体内の水分を保持するための機能も持っています。子供の肌は、このバリア機能が完全ではないため、外部の刺激にとても敏感なのです。皮膚からの水分喪失も起きやすく、乾燥しやすいので注意が必要です。
子供の手荒れの主な理由とは？
どんなに気をつけていても、気がつけば子供の手が荒れてしまっている…そんな経験をした親御さんも多いのではないでしょうか。手荒れを予防する、または悪化させないためには、その原因をしっかりと把握することが大切です。
以下で、子供の手荒れの主な理由について詳しく見ていきます。
理由1.空気のドライさ
子供の手荒れの大きな要因として、まず空気の乾燥が考えられます。冬の時期は特に湿度が落ち、肌荒れのリスクが高まります。初冬の冷え込みが始まったころ、子供の皮膚の健康状態に特に注意が必要です。
暖房の使用も、皮膚の乾燥を引き起こす可能性があります。エアコンを長時間稼働させると、部屋の空気が乾くことで、肌の水分が蒸発しやすくなりますので、その点も心掛けてみてください。
原因2.予防策の副作用
感染症予防のための行動が、意図せずに子供の手荒れを引き起こしてしまうこともあります。乾燥する冬場は感染症が広がりやすく、その結果、手洗いやアルコール消毒の回数が増え、子供の手の荒れを促進させてしまうのです。
感染予防の基本である手洗いやアルコールによる消毒は不可欠です。確かに、石鹸を用いた手洗いは細菌を洗い流すのに効果的ですが、同時に肌を守る皮脂までも除去してしまうため、慎重に行う必要があります。
さらに、アルコールは除菌作用が高い反面、皮脂を強力に除去し、蒸発時に肌の水分も奪ってしまい、手の乾燥や荒れの要因となり得ます。
大人なら何度も手洗いや消毒をしても支障はないかもしれませんが、子供の場合、皮脂量が少なく、皮膚の保護機能も完全ではないため、繰り返しの手洗いと消毒には要注意です。このため、親御さんは特に注意深くケアすることが大切です。
その他.アトピー性皮膚炎の可能性
単純な手荒れのように見えても、実際はアトピー性皮膚炎であるケースも少なくありません。アトピー性皮膚炎とは、かゆみを伴う繰り返し発生する湿疹の一種で、小さい頃は顔や頭部に見られ、年齢と共に手足の関節の辺りにも乾燥とともに赤みや丘疹が出現することがあります。
アトピーが発症する原因は個人差があり、複数の要因が組み合わさって生じることが一般的です。アトピー傾向の体質、皮膚のバリア機能不全、さまざまな外部からの刺激などが、肌のかゆみを招く原因となり得ます。
子供の手荒れへの対策
子供の手荒れに気づいた場合、「すぐに回復するだろう」と楽観視せず、適切な対策を講じることが肝心です。対処を怠ると、肌の乾燥が進み、荒れが深刻化する恐れがあります。手荒れを放置すれば、元の状態に戻るまでに長い時間を要することがありますので、早急に手を打ちましょう。
これから、子供の手荒れに対する有効な対処法をお伝えします。治癒後も再発防止に努め、常に健康的な肌状態を保つよう心掛けましょう。
優しい手洗いのすすめ
お子様が手荒れに見舞われた際は、手肌をいたわりながら清潔にすることが重要です。しかし、感染予防のため手洗いやアルコール消毒を怠ることは避けたいところです。肌に優しい手洗いの方法を取り入れ、手肌を守りましょう。
石けんによる丁寧な手洗いを基本にし、状況に応じてアルコール消毒を活用してください。水が使えない場面では、アルコール消毒を利用して感染症から身を守りましょう。
手を洗う際は、石けんをしっかり泡立ててから使用します。泡立ちが悪いと強くこすってしまう恐れがあるため、泡で優しく洗うことを意識しましょう。泡立てハンドソープは、小さなお子様でも手洗いを容易にしてくれます。
水温は、熱すぎないぬるま湯が適しています。熱い水では皮脂が必要以上に流されることになりかねません。
また、石けんの洗い残しが肌トラブルの原因になることもあるため、特に小さいお子様の手洗いでは、指の間や手首などを丁寧にすすぐことが大切です。適切な手洗いの方法は、保護者が子供に教えることが肝心です。
保湿の大切さ
お子様の手が荒れたことに気づいたら、こまめに保湿を行うことが大切です。手を洗った後だけでなく、乾燥を感じた際には都度保湿クリームで手肌をいたわりましょう。手を洗った直後に、まだ手が湿っているうちに保湿剤を塗ることで、より保湿効果が高まります。
特に、お風呂上がりの肌は乾燥しやすいため、このタイミングでの保湿は欠かせません。タオルドライの後、5分から10分以内に保湿剤を塗ることで、手荒れ予防につながります。
お子様の肌は敏感なので、刺激が少ない保湿剤を選ぶことが推奨されます。また、保湿剤の種類によって感触や効果が異なるため、肌質や乾燥の度合いに応じて選ぶことが望ましいです。ベタつきが気になる方は軽いローションタイプを、乾燥が目立つ部分にはより濃密なクリームがおすすめです。
室内の湿度を整える
子供の肌のケアだけでは十分でなく、乾燥を避けるための部屋の湿度の調整も重要です。寒い季節は、気温が下がるとともに室内の湿度も低くなり、暖房機器の使用でさらに乾燥する傾向があります。この乾燥で皮膚の水分は急速に失われるので、対策をしましょう。
加湿のために、エアコンだけではなく加湿器も考慮して利用すると良いでしょう。特に子供の多くの時間を過ごす居間やベッドルームでは、乾燥の対策が求められます。加湿は室内を暖かく感じさせる効果もあるので、冬の時期の快適さにも貢献します。
改善しない場合、皮膚科の受診を
子供の肌の問題は、適切に対応することで少しずつ改善されることが多いです。しかしながら、しっかりと対策をしても状態が良くならない時は、皮膚科での診察を考えることも大切です。ただの乾燥肌だけでなく、アトピー性皮膚炎などの他の症状の可能性も考慮する必要がありますので、自身の判断だけで決めないでください。
手のトラブルを放っておくと、症状が悪化する可能性もあるので、気になる点があれば早めに専門家に相談することをおすすめします。
総括
子供の肌はデリケートで、大人に比べてトラブルが起きやすいので、親としての注意が必要です。手荒れのサインを見逃さず、優しく手を清潔に保ち、保湿をすること、そして室内の湿度を適切に保つことがキーです。これらの対策をしっかりと行うことで、子供の手肌を常に健康に保てるよう心掛けましょう。
更新日：投稿日：2024.03.02
