今のうちに知っておきたい!40代で陥りやすい『化粧品の効果』4つの誤解

スキンケアのご相談を承っていると、40代の女性から、こんなお話を伺うことがあります。

40代に入って、急に肌質が変わりました。
肌がどんどん衰えていきます。
もう今までのスキンケアだけじゃキープできません。
プラスアルファのお手入れが必要だと感じます。

肌のハリ不足で悩んでます。
保湿が大事なのは分かるけど、もう40代なので、栄養や美容成分を与えたいんです。
肌の内側からもっちりさせたい。

同世代の人たちを見ていると、そろそろ私も高価な化粧品でお手入れをしたほうがいいんじゃないかと不安になります。
なんだかんだ言っても、高い化粧品には高いだけの効果があると思うのです。

共通するのは、『加齢による肌の変化』

そして、それに伴う『今とこれからのスキンケア』に対する不安です。

40代で、肌はこんなに変化する

年齢を重ねると、身体には、「疲れが解消しにくい」「お腹周りの脂肪が溜まりやすくなる」「更年期へ向けた気分の落ち込み」などの変化が現れてきます。

肌においては、ハリやたるみ、シミやシワ、くすみ、乾燥。
気になる悩みが増えていきます。

実際、肌のハリや弾力を担うコラーゲン線維の量は、20代から急激に減少を始め、40代には赤ちゃんの肌の約30%にまで低下します。

また、肌のうるおい維持に欠かせないヒアルロン酸は40歳後半から減少することが分かっています。

加齢に伴い変化するコラーゲン線維の量
Miyahara T,et al.J Gerontol. 37,651-655(1982)

加齢と共に変化するヒアルロン酸の量
Longas MO,et al.Carbohydr Res.159,127-136(1987)

このようにしてみると、確かに、40代は、これまでにない変化を実感しやすい年代だと言えます。

シミ・シワ・たるみ・肌の衰え・・・
そのとき、どうする?

体の変化はもちろんのこと、女性にとっては、見た目にすぐに分かる肌の変化は、特に繊細な問題です。

これまでに肌トラブルと無縁だった場合にはなおさら、自分でもびっくりするくらいに心を揺さぶられます。

その結果、

「もっと頑張らなくちゃ!
「今までと同じスキンケアをしていてはダメだ!

と焦ったり、

「これから、肌のために何をすればいいんだろう?
「今のお手入れで、本当にキレイでいられるのかな?

と大きな不安にさいなまれることもあります。

40代は家庭や仕事でも中心となることが多いので、頑張りを求められることも多いでしょう。
今でも十分に頑張っているのに、これ以上、何をどう頑張ればいいのか、途方に暮れることもあるかもしれません。

日々、メールや電話でこのようなお気持ちを聞いているうちに、「これは、肌に関心のある多くの女性がぶつかる疑問だ」と改めて感じ、「ぜひ一度、じっくりお話をしたいな」と思いました。

ですから、これから、2つのことをお話しようと思います。

加齢によって、スキンケアはどう変化させていくべきか?

そして、

そのために化粧品ができることは何か?

についてです。

言い換えると、『化粧品の限界』、または、『化粧品の可能性』についての話になるかもしれません。

本音でお話しするので、もしかすると、化粧品に幻滅したり、理想が打ち砕かれたりするかもしれません。

でも、40代の皆さまに知っておいてもらいたい「今、スキンケアをどうするべきか?」「これから5年・10年で、どんなスキンケアを行えばいいのか」その答えのヒントになると思います。

ぜひ最後までお付き合いください^^

では、まずはいつもの通り、基礎の基礎から固めていきたいと思います!
 
40代で知っておきたい
化粧品の真実

美容雑誌もネットも教えてくれない
化粧品の『本当の役割』とは?

化粧品って何でしょうか?

  • 肌をキレイにしてくれる魔法のアイテム
  • 肌トラブルを解決してくれる救世主
  • 「これを使っていれば健やかな肌でいられる」という心の支え

使う人や使われる商品によって、さまざまですね。

では、このような、使う人の想いや、商品を販売している化粧品会社の思惑は一旦おいておいて、純粋な『化粧品』の姿を知っておきましょう。

『化粧品』は、肌に塗布するものとして、『医薬品』とともに、その取り扱いが法律で定められています。
抜粋してみましょう。

「化粧品」とは

人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚もしくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。
『医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)』より抜粋

長い文章ですが、大事な要素は太文字部分です。

つまり、化粧品とは『(肌を)健やかに保つために使用する、作用が緩和なもの』ということです。

まずはこれを覚えておいてくださいね。

では、この意味を深く考えてみましょう。

これが化粧品の本当の姿

化粧品とは『(肌を)健やかに保つために使用する、作用が緩和なもの』

『健やかに保つ』の意味は、なんとなく想像できますね。
健康な状態を維持するということです。

では、『作用が緩和』というのはどういうことでしょうか?

これは『医薬品』とセットで考えるとわかりやすいです。

『医薬品』というのは、つまり薬です。薬を使うのは、病気やケガなどの非常事態。
使うことで、病気を予防したり、治療するのがその役割です。
ですから、効かないと意味がありません

これに対して、化粧品は、毎日、または長期間、使い続けることを想定されています。
つまり、薬よりも日常的に使用するということです。

ここで、「効果があるものを毎日使えば、どんどん健康な肌になれる!」かと言うと、実は、そうではありません。

薬には、その効果に比例して副作用があります。
ですから、用法用量を誤って使用すれば、逆に健康を損なう恐れがあります。

だからこそ、化粧品は『作用が緩和』なわけです。

日常的に使用するからこそ、『毎日使っても肌や体に大きな作用が現れない』という『安全性』が、化粧品の大前提として定められているのです。

化粧品は安全第一

医薬品 化粧品
緊急時に使う 毎日使う
効果がある 作用が緩やか
副作用がある 副作用がない

 
確かに、化粧品に副作用があっては毎日なんて使用できませんよね。

  • 化粧品は、『安全第一』
  • 安全とは、『作用が緩やか』であること

ふむふむ、とご理解いただけたでしょうか?

では、もう少しだけ、掘り下げて考えてみましょう。

『作用が緩やか』という言葉の意味についてです。

化粧品は『安全第一』
だからこそ、実は●●がない!

『作用が緩やか』という言葉の意味。

実は2つあります。

1つ目は、『副作用がない』ということです。
これは嬉しいですよね。

では、2つ目の意味、何かピンとくるものはありますか?

この答え、お伝えするのはちょっと勇気がいります・・・。

化粧品メーカーの私たちがこんなことを言うのはおかしいのかもしれないのですが・・・

ハッキリ言いますね・・・。

『作用が緩やか』であることの2つ目の意味。

それは、『効果がない』ということです。

化粧品には『効果』がない

「は~~~~~~?!?!」

と、思われたかもしれません。

ガッカリさせてしまったら申し訳ありませんっ。

でも、この事実が、本当に本当に大切なのです!

化粧品でお手入れをする人はたくさんいますが、この事実を理解してお手入れをしている方は、ごくごくわずかです。

そして、この事実を誤解しているからこそ、多くの人が化粧品やスキンケアに疑問を持ったり、不安を抱いたり、様々な情報に翻弄されたりしています。

肌の悩みが増える40代の方は特にそれが顕著です。

皆が皆、正しい理解をすることは難しいかもしれませんが、「5年後、10年後のスキンケアを本気で考えたい」という方には、こういう事実を少しでも知っておいていただきたいと思い、今回、お話をしています。

化粧品には『効果がない』・・・。

詳しくお話します。

シミもたるみも
化粧品ではなくならない
これが化粧品の本当の『効果』

先ほどお話した『化粧品の定義』。

これを定めているのと同じ法律で、化粧品の『効果』もきちんと規定されています。
まず、そちらをご覧ください。

化粧品の効果

肌を整える。
肌のキメを整える。
皮膚をすこやかに保つ。
肌荒れを防ぐ。
肌をひきしめる。
皮膚にうるおいを与える。
皮膚の水分、油分を補い保つ。
皮膚の柔軟性を保つ。
皮膚を保護する。
皮膚の乾燥を防ぐ。
肌を柔らげる。
肌にはりを与える。
肌にツヤを与える。
肌を滑らかにする。
『医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)』より抜粋

全部で56個定められている効果のうち、基礎化粧品に関係する効果だけを抜粋しました。

いかがでしょうか?
あなたが想定されている『化粧品の効果』と違いはありませんか?

ここで感じられた『違い』こそ、40代で陥りやすい化粧品の誤解です。
 

40代で陥りやすい
化粧品の誤解

40代で陥りやすい化粧品の誤解1
「シミ・シワ・たるみをなくせる」

化粧品でお手入れをする人の目的は、大きく分けると次の2つだといえます。

  1. 乾燥肌や敏感肌など、肌質や肌状態を改善すること
  2. シミやシワ・たるみなど、加齢による肌の変化を防いだり、なくしたりすること

1に求められる効果は分かりやすいです。

『肌に刺激がなく安全で、しっかりと肌が潤うこと』ですね。先ほどの『化粧品の効果』の一覧を見ても、十分期待できる効果です。

問題は、2です。

40代以上からは、特に2の効果を化粧品に期待される方が多いです。

では、1の

「乾燥するから、潤したい」
「刺激になるから、安全なものを使いたい」

 
と同じように、2の悩みに対する直接的な効果を言葉にしてみましょう。

こうなります↓↓↓

「シミがあるから、シミをなくしたい
「シワがあるから、シワをなくしたい
「たるみがあるから、たるみをなくしたい

 
これを、先ほどの一覧に当てはめて見てみてください。

いかがでしょうか。

ぴったり当てはまるものが、ありませんね。

これが、『化粧品には効果がない』とお伝えした1つ目の理由です。

一般に化粧品の『効果』だと思われている『シワやシミ・たるみの改善』は、そもそも、化粧品では実現できないことなのです。

化粧品で、シミ・しわ・たるみはなくらない

「そんな~・・・」

ってガッカリしてしまいますよね・・・

でも!

先ほどの一覧、よ~く見ると『ハリを与える』って書いてあります。
これはつまり、『たるみに効果がある』っていうことじゃないのでしょうか?

実はここにも、誤解が隠れています。

40代で陥りやすい化粧品の誤解2
「●●成分配合だから、ハリがでる」

化粧品の効果で認められている『ハリ』とは、『肌が潤うことによって得られるハリ』です。

乾燥した肌から生まれる肌細胞は未熟で、形も大きさもバラバラです。
こんな肌細胞が肌表面に並ぶと、キメが乱れ、影ができ、肌全体がしぼんだような印象になります。

しかし、化粧品で保湿をして肌が潤うと、成熟した肌細胞が生まれます。
このような、形や大きさの均一な健康な細胞で構成された肌は、表面がつるりとなめらかになり、光がよく反射して、ふっくらとした印象の肌になります。
つまり、ハリが出るのです。

でも、この効果って、少し遠回りですよね^^

まず、簡単に説明しても、これだけの↑↑↑文章が必要になります。

今、あなたは、この説明を読んでくださいましたが、普通は、読むのがイヤになります。

と言いますか、そもそも、私たちのような有名でもなんでもない小さな会社の、しかも、文字ばかりのこんな長~い記事をちゃんと読んでくださっている時点で、化粧品やスキンケアに対する取り組み方が特別だと思うのです。

「自分の肌のことだから、きちんと情報を集めて、理解して、納得して、お手入れをする」という、とても能動的な姿勢ですね。

でも、こういう方々は、世の中では本ッ当に少数派です。

そこで、普通の化粧品メーカーとしては、もっともっと分かりやすい方法で説明します。

それが、

「ひと塗りで、あの頃のハリ!」
「新成分●●のチカラで、ハリを取り戻す」
「美容成分100%だから、肌にハリツヤ!」

こんな感じの広告フレーズになるわけです。

要するに、「保湿をすることによって」という説明を飛ばして、「この化粧品を塗れば、ハリが出る」とストレートに言うのです。

化粧品でハリがでる仕組み

その際、説得材料としてよく用いられるのが、「新成分●●」や「美容成分100%」などの『配合成分』です。
このような表現をされると、その成分が配合されているからハリがでるように理解して、「なんだかすごそう!」と期待してしまいます。

特に、ハリ不足やたるみで悩んでいる人の胸には響きます。
「塗ればハリがなくなる!」って、すごく簡単で魔法みたいで、本当だったらとっても嬉しいですもんね。

でも実際は、これらの成分が特別な作用をしてハリやたるみを解消するのではありません

繰り返しになりますが、化粧品である以上、ハリを出す効果を決めるのは「いかに保湿できるか?」だけなのです。
配合されている特別そうな成分も、果たせる作用は『保湿』だと考えるのが妥当でしょう。

つまり、『化粧品を使う側が期待する効果』と、『実際の化粧品の効果』にズレがあるのです。

そして、それは、(残念なことですが)化粧品を販売する側(化粧品メーカーや販売者)が、わざと誤解をさせるような売り方をしていることに大きな原因があります。

また、百歩譲って、その化粧品がしっかり保湿できるものなのであれば、使い続けるうちに肌が潤い、ハリが出ることは期待できます。

でも、使う側としては、「●●成分を塗ったらハリがでる!」と思って使っているのだから、即効性を期待してしまいますよね。

それに、『ハリが出るかどうか』を基準に選ぶので、『保湿ができるかどうか』には目が行きにくくなります。

その結果、きちんと保湿ができないから、肌にハリがでない。それどころか、潤い不足になり余計に肌が元気をなくす・・・

という残念な方向に進んでしまうことも多いです。

肌の悩みを解消し、健やかな肌を作るなら、

『きちんと保湿ができる化粧品かどうか?』

これが、一番大切で、かつ、たったひとつの判断基準です。

これさえ覚えておけば、化粧品選びに失敗することはありません。

でも、でも!

ハリやたるみに関しては、こんな声をいただくこともあります。

「そもそも、私が期待している『ハリ』っていうのは、肌表面のことじゃないの。肌のコラーゲンを増やして、肌の奥からたるみを改善したいのよ!」

 
『肌の奥からハリ』というのも、とても魅力的な効果ですね。

「40代向け」「40代用」と謳われる基礎化粧品で、特によく見かけるフレーズです。

また、おっしゃる通り、化粧品の広告やスキンケア雑誌では、『肌の奥に働きかける化粧品がいい』『コラーゲンを増やす化粧品がいい』という情報をよく見ます。

でも、実はこれも、大きな誤解なのです。

40代で陥りやすい化粧品の誤解3
「化粧品は、肌の奥まで届くのがいい」

肌の構造をおさらいしましょう。

肌は、表面から順番に、表皮・真皮・皮下組織という3つの層に分かれています。

さらに、一番表面の表皮は、角質層・顆粒層・有きょく層・基底層という4つに分かれています。

表皮は、角質層・有棘層・顆粒層・基底層の4つの層からなります

ちなみに、肌のバリア機能を果たし、保湿成分として有名なセラミドが存在するのは表皮の中の角質層です。

肌の弾力やハリ・たるみに深く関わっているコラーゲン線維やエラスチン線維・ヒアルロン酸などが存在するのは、真皮です。

では、問題です。

化粧品はどこまで届くのでしょうか?

1.角質層
2.表皮
3.真皮

 
答えは・・・・

角質層

です。

肌の表面にある表皮の、さらに一番表面にある、わずか0.02mm(ラップ1枚分ほどの薄さ)の角質層にのみ、化粧品は作用します。
それよりも下の層には届きません。

これは、化粧品の作用や効果と言う以前に、肌と体の構造上、不可能なことです。

角質層には、体内に異物を侵入させないためのバリア機能があります。これがないと大変です。

例えば、お風呂に入りますよね。たっぷりの湯船に浸かります。
もし、角質層のバリア機能が働いていなかったら・・・

湯船の水分がどんどんどん体の中に入っていってしまいます。

正直、そのとき体がどうなってしまうのかよく分かりませんが・・・とにかく、大変なことになるのは想像できますよね。

化粧品がどこまでも浸透していくわけではありません

化粧品も、肌にとっては異物です。
お風呂のお湯と変わりません。
ですから、角質層よりも奥に化粧品が入っていくということはないのです。

化粧品の広告でよく見る『肌の奥まで』という文句を、よ~く見てみてください。

必ず『※』印がついていて、小さな文字でこう書いてあります。『※肌の奥とは、角質層のことです』。

また、40代の女性に向けて、ハリやたるみを解消するために『コラーゲン線維を増やす』と宣伝している化粧品や、『コラーゲン配合』を売りにしている化粧品もたくさんあります。

もちろん、これらの化粧品も、届くのは『角質層』までです。
本来コラーゲン線維が存在している真皮には届きません。

とはいえ、角質層で保湿剤としての役割は果たしますので、メーカー側が言う『肌の奥(=角質層)』でしっかりと働いてくれます。

コラーゲン配合の化粧品は、真皮のコラーゲン線維を増やすのではなく、『角質層を保湿する』というスタンスで活用するのが正解なんですね。

また、『肌に栄養を与える美容液』という商品もありますが、これも同じく、肌の表面に『保湿成分』として作用するのみです。

体が食事から栄養を摂るように、美容液を塗ると肌に栄養が与えられ、元気になる、ということはありませんのでご注意くださいね。

さて、ここまでで、化粧品が唯一実現できる効果は『保湿』である、ということが分かってきました。

とすると、次に、こんな疑問がわいてくるかもしれません。

同じ保湿なら、やっぱり高い化粧品のほうが効果が高いんじゃない?

実際、40代の方からときどきご質問をいただくのが、『化粧品の価格と効果』の関係についてです。

「これまでよりも高価な化粧品を使うことで、加齢による肌の変化を補えるんじゃない?」

もしそうであれば、「希望が持てるわ」と言う方もいらっしゃいます。

確かに、世の中にはピンからキリまでさまざまな価格帯の化粧品があります。

100円ショップでも化粧水は買えますし、先日、私が美容雑誌で見かけた夜用クリームは75,000円でした。どちらも、目的は『保湿』。

では、その保湿効果はどう違うのでしょうか?

やっぱり、高価な化粧品のほうが、しっかり保湿できるのでしょうか?

これを解明するカギは、「化粧品の価格がどうやって決まるのか?」にあります。

40代で陥りやすい化粧品の誤解4
「高価な化粧品ほど、効果がある」

おおざっぱにまとめると、化粧品の価格は次の5つで決まります。

化粧品の価格を構成するもの

1.原料代
2.製造費
3.容器代
4.広告費
5.付加価値

1~5の合計で、化粧品そのもの価格が決まります。

2~4については、保湿効果とは直接的にかかわりがないことが分かります。

5の『付加価値』というのは、目に見えない効果です。
例えば、「高価な化粧品を使っている、という満足感」や「この大手メーカーの化粧品を使っていれば大丈夫だろう、という安心感」など、『心への効果』ですね。言葉を変えると『ブランド代』と言ってもいいでしょう。
これも立派な商品価値です。でも、保湿効果にはイマイチ関係がありません。

となると、この中で保湿効果に一番関連しそうなものは『1.原料代』ですね。

では、原料が特別高価になるのはどういう場合でしょうか?

価格が高めの化粧品で、よくあるパターンをご紹介します。

1.原料のグレードによって『高い』

原料にも、高い成分・安い成分があります。

同じ名前の成分でも、製造方法や製造会社等によって質が異なり、それに伴って価格が変わります。
つまり、『質の良い成分を使うと原料代が高くなる』ということですね。

2.成分の開発費によって『高い』

世の中には、化粧品の成分として完成された原料がたくさんあります。
様々な人の努力によって発見・開発され、一般に広く普及している成分です。

こういう成分を使用するとさまざまなメリットがあります。

・ 大量に製造されているため求めやすい価格
・ 長い間使用されているため安全性が立証されている
・ 特徴や性質が分かっているため加工しやすい

多くの化粧品は、こうした成分を使用して開発されています。

一方、デメリットもあります。

目立たない

当たり前ですね。
みんなと同じものを使っているので、成分はその化粧品の特徴にはありません。

「それでも保湿効果があるなら良いじゃない」と言う方もいらっしゃると思いますが、販売する側から見ると、目立たないことは致命傷です。

特に化粧品の場合、『成分で目立つ』というのは、他との違いを出す一番効果的な方法です。

「ほかにはない!」
「今までにはない!」

と言えるだけで、今まで誰も得られなかったようなスゴイ効果があることを期待させられるからです。

ですから、特に大手の化粧品メーカーは、ここで大きな手を打ちます。

それが、『新成分の開発』です。

「自社オリジナルの●●成分配合」
「10年の歳月をかけて特殊な成分の開発に成功!」

化粧品の広告で、このような言葉を見ることがありますよね。
これが、化粧品を売るのにとっても効果的なのです。

さて、『成分を開発する』と言うのは簡単ですが、これは並大抵のことではありません。

化粧品の成分というのは、安全で、かつ、常に同じ品質でなければいけません。

「前回作った成分は出来が良かったけど、今回作った成分はイマイチだな」なんていう原料で化粧品が作られていたら、不安ですよね。
肌に何が起こるか分かりません。

『成分を開発する』ということは、そんなことがないように、いつでも同じ品質で大量に作れるようにすることです。
これには、大変な苦労があることが想像できます。
また、完成するまでには、長い年月と、莫大な開発費がかかります。

そして、この開発費は当然、化粧品の価格にプラスされます。

3. 希少価値によって『高い』

手に入りにくいものの価格は高くなります。
これは世の中の道理です。

化粧品原料の場合は、「貴重な品種のバラからだけ集めたエキス」のように、原材料そのものがなかなか手に入らないものや、「最新技術を用いた特別な美容成分」というように、新しいから少ない、オリジナル成分だから少ない、という意味で希少価値が出る原料があります。

後者の場合は、先ほどの成分開発と重複する話ですね。

こういう原料を使っている場合は、原料代が高くなります。

価格と保湿力の関係は?

原料が高くなる一つ目の理由『グレード』。
これは、保湿力に関係する場合があります。
品質によって、原料が持つ作用にも違いが出るからです。

二つ目の『開発費』、三つ目の『希少価値』。
これは、正直、直接的な関係はほとんどありません。

というのも、この場合に付加される値段は、あくまでも『開発費』であり、『希少性』だからです。
純粋に『保湿効果を高めるために行った開発』や、『保湿効果が高いからたくさん作れない』とは言いきれません。

繰り返しになりますが、『新しい成分』を使うのも『希少な成分』を使うのも、一番の目的は『他との違いを出すこと』です。

『保湿する』という化粧品の目的からは、そもそもずれていることが分かります。

さらに言えば、高価な化粧品、有名な化粧品ほど、その価格に占める原料の割合は小さくなることが多いです。
というのは、先ほど、「保湿効果に関係がないから」と除外した容器代や広告費、これらに莫大な費用がかけられることが多いからです。

このように考えると、「高価な化粧品ほど効果が高い」とは、決して言い切れないことが分かりますね。

高価な化粧品を使って肌がうるおうことはもちろんあります。
各メーカーが研究を重ね、開発した成分・商品ですので、保湿力を実感できる化粧品も当然あります。
きちんと保湿ができるのであれば、このような化粧品を使うのも一つの選択です。

でも、価格の理由を考えずに「価格が高いから、効果も高いだろう」と判断したり、「同世代の人たちは、もっと高い化粧品を使っているから」と高価な化粧品にシフトするのは、肌にとってベストな選択とは言えません。

大切なことは、ご自身が価格と効果に納得できるかどうか、だと思います。
ご自身の目と肌で見極めた化粧品こそ、あなたにベストな化粧品でしょう。

その目を養うために、本日お話した『化粧品の効果の誤解』といった情報を、生かしていただければと思います。

まとめ
40代からのスキンケア
10年後の肌のつくり方

最初にお伝えした「化粧品には効果がない」という言葉の意味は、つまり、

  • 化粧品(メーカー)が広告などを通して『期待させている効果』
  • それによって、化粧品を使う側(消費者)が期待する『直接的な効果』

この2つの『効果』はない、ということです。

このことは、化粧品を使う側(消費者)にはあまり知られていません。

こうやってお話している私自身も、「シミが消える」「ハリが出る」という広告をず~っと見ていると、「もしかして、効くんじゃないかな??」と心が揺れることもあります^^

おそらく、世の中に女性の「キレイになりたい」という想いがある限り、化粧品を使う側の『期待』と『実際の効果』の間にあるズレは、なくならないのではないかと思います。

でも、今回お話した事実を知っているのと知っていないのとでは、化粧品の選び方・期待の持ち方が変わってくると思います。

もし、あなたが、現在のお手入れに物足りなさを感じたり、「何か化粧品をプラスしたほうがいいんじゃないかな」と不安を感じられているなら、今回の話を参考に、必要なお手入れを取捨選択していただきたいなと思います。

私たちといたしましては、化粧品の本質にのっとったスキンケアをご提案してまいります。

つまり、健やかで若々しい肌を保つために必要な化粧品でのケアは『保湿』の一点です。

ただし、40代と50代、60代では、『保湿』の方法は少しずつ異なります。

単に年齢が違うから、ということではなく、これまでされてきたケア方法・使ってきた化粧品・もともとの肌質、現在の肌状態など、これは千差万別だからです。
そのため、必要なのは、あなたの肌にあった『保湿』です。

そして、ここまで読んだあなたが、『保湿ができる化粧品を使う』という意味で『保湿』を捉えているならば、私たちが言う『保湿』はちょっと異なります。ここだけはご注意ください。

大事なことなので、もう一度言いますね。

『正しい方法』で、『あなたに必要な保湿』をされてうるおった肌は、健康になります。

健康になった肌は、シミやシワ・ニキビ・乾燥・敏感肌などの肌トラブルの改善につながります。

『保湿』とだけ聞くと、あまりに当たり前のスキンケアなので、目新しさはゼロですし、「なんだか良さそう」というトキメキも薄いかもしれません。

でも、その代わり、化粧品の本質だからこそ、『保湿』には『効果』をご期待いただけます。

ですから、5年後、10年後の肌に不安を感じられるなら、『保湿』を重視したスキンケアを選択されることをおすすめします。

このことは、実際に『保湿だけ』のスキンケアを続けていらっしゃる40代以上の方々からのお声を伺うたびに確信が強くなります。

(いただいたお声の一部をこちらでご紹介しています。40代の方からの声50代の方からの声60代の方からの声

もちろん、肌は化粧品だけで変わるものではありません。
食事や運動・睡眠などの生活習慣によって、健康な肌細胞を生み出せる体をつくることも併せて必要です。

「生活習慣が大切」なんて、聞き飽きるくらいに当たり前のことです。
でも、だからこそ、肌や体にとっての本当に必要なこと(本質)だと分かりますね。

化粧品も同じように、本質に目を向けることが、健康なキレイな肌づくりの秘訣です。

現在、きちんと保湿ケアをしているのに、肌の悩みが尽きないのなら、先にお話したように、もしかすると保湿の方法が間違っているのかもしれません。

40代の方がぜひ押さえておくべき『正しい保湿の方法』は今すぐこちらをクリック!

投稿日:2018.05.02

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