美白成分を配合した基礎化粧品を、美白化粧品と呼びます。

最近では、日焼け止めにも、美白成分を配合したものが増え始めました。

美容雑誌などでは、「これからの日焼け止めは、紫外線カットは当たり前で、『美白』ができなきゃ意味がない!」と書かれていることもあります。

日焼け止めで紫外線を防ぐことは、美白につながります。

美白成分も、肌を白くするという目的が同じために、2つの機能を一緒にすると、なんとなく効果的なように感じてしまいます。

でも、『美白成分』の働きや、肌のメカニズムを知っていると、『美白ができる日焼け止め』には大きな矛盾があることに気付きます。

特に敏感肌や乾燥肌の方には大事なことなので、少し詳しくお話します。

どうしてシミはできるのか?

まず、肌とシミのメカニズムからです。

私たちの肌(表皮)は、表面から、角質層・有きょく層・顆粒層・基底層の4つの層に分かれています。

基底層から角質層へと肌細胞が上っていく過程をターンオーバといいます

最下層である『基底層』で、肌細胞が生み出されます。

その細胞は、形と役割を変えながら肌の表面に上っていき、最後はアカとなって排出されます。これを肌のターンオーバーと言います。

肌が生まれる『基底層』には、メラノサイトという細胞があります。

この細胞は、無色透明の色素(チロシン)を常に生み出しています。

チロシンは、同じ基底層で生まれた肌細胞の中に取り込まれ、ターンオーバーによって肌全体に広がっていきます。

実は、このチロシンが、シミと深い関係を持っています。

肌に広がったチロシンは、そのままであれば、量は一定しており、無色透明です。

でもここに、紫外線や、摩擦などの物理的な刺激が加わると、次の2つの現象が起こります。

  • メラノサイトが活性化し、色素(チロシン)をたくさん生成する
  • 色素(チロシン)が黒色化する

無色だった色素が、黒色に変化したとき、名前が変わります。メラニン色素です。

メラニン色素というと、黒い色素がたくさん分泌されるようなイメージがありますが、実は、ちょっと違うんですね。

さて、上記の1と2が起こって、肌にメラニン色素がたくさん増えてしまいました。

でも、これだけでは問題ありません。

肌は『ターンオーバー』をしているからです。黒くなって増えたメラニン色素も、古くなった肌細胞と一緒に排出されます。
しかし、次のような状態になると、メラニン色素は肌にとどまります。

  • ターンオーバーが滞り、メラニン色素を排出できない
  • ターンオーバーで追いつかないほど、メラニン色素が増えてしまった

このどちらか、または両方が起こることで、肌にメラニン色素がたまった状態が『シミ』の正体です。

「メラニン色素はシミのもとである」と言われるのは、こういう理由からです。

さて、こうしてできたシミを「なんとか消し去りたい!」という願いをかなえるために、生み出されたのが美白成分です。

美白成分は、いったいどうやって肌を白くするのか?

美白成分には、大きく分けて3つの働きがあります。

  • メラニン色素の排出を促す
  • メラニン色素の還元をはかる(メラニン色素を元の透明な色にもどす)
  • メラニン色素の生成を抑える

つまり、「メラニン色素をできるだけ働かせないようにしよう」というのが美白成分です。

それを踏まえて、ここで質問です。

「メラニン色素は、本当に働かなくていいのでしょうか?」

最初は無色透明のメラニン色素(チロシン)は、紫外線などの刺激を受けると、黒色化します。黒色化することで、紫外線が細胞の核を傷つけないように守るのです。つまり、体を紫外線から守るために働くのがメラニン色素なのです。

これって、何かと似ていませんか?

そうです、日焼け止めですね。

日焼け止めも、紫外線から肌を守るために塗ります。

でも、100%防ぐことはできません。

例えば、SPF50の日焼け止めは、紫外線によるダメージを50分の1にします。SPF25であれば、25分の1です。

ダメージを和らげることはできますが、ゼロにはなりません。

日焼け止めを塗ったとしても、肌は、一定量の紫外線を受けるのです。

このとき、肌を守ってくれるのがメラニン色素です。

それなのに、美白成分がメラニン色素の働きを抑制してしまうと・・・肌は紫外線に対して、無防備な状態になってしまいます。

紫外線は、肌の表面はもちろん、肌の深部にまで達するでしょう。

そうなると、シミ・シワやたるみなどの肌トラブルが起こることはもちろん、肌細胞そのものを傷つけて、皮膚や体にもっと甚大な被害を与えることもありえます。

キレイな白い肌を手に入れるために『美白ができる日焼け止め』を使ったのに、これでは本末転倒ですよね。

また、『美白成分』には、もうひとつ疑惑があります。

それは、『メラニン色素の働きを抑制できない』ということです。

ここまでの話とは正反対の意味なので、「え?!」と思われるかもしれません。

でも、これも事実なのです。どういうことかというと・・・

美白成分に美白効果はない?

私たちの体には、身を守る機能がいくつも備わっています。メラニン色素はそのひとつです。そして、もうひとつの重要な機能が、肌が持つ『バリア機能』です。

肌の一番表面にある『角質層』が、防御壁となって、体の内部に異物が侵入しないよう守ってくれています。

異物というのは、ウイルスやホコリ、紫外線などはもちろん、化粧品もそうです。体とって、どんな有効成分も異物でしかありません。

ですから、どんなに浸透力が優れた化粧品も、浸透するのは角質層までです。それより奥に、進むことはできません。

一方、メラニン色素を生成するメラノサイトは、角質層よりさらに奥にあります。

だから、どんな『美白成分』も、それが化粧品である限り、メラノサイトで行われるメラニンの生成に直接かかわることはできないのです。

美白成分はキケン?

ちなみに、世の中には、『角質層よりも奥に達することができる』といわれる化粧品があります。

『医薬部外品』と呼ばれる化粧品です。

実際、美白成分が配合された日焼け止めの多くは、この医薬部外品に分類されます。

「なんだ、じゃあ、角質層とかバリア機能とか、関係ないじゃない」と思われるかもしれませんが、よーく考えてみてください。

体を守るために存在するバリア機能をムリヤリ破って、その奥に、美白成分を届けるのって・・・本当に肌にいいことなんでしょうか?

もちろん、そのおかげで美白成分がメラノサイトに働きかけ、シミの発生を防ぐことができれば、一時的に夢にまで見た白い肌が手に入るかもしれません。

でも、その状態が長続きするのかな・・・と不安を感じます。

私たちはふだん、肌を刺激から守るためや、肌の水分を守るために、バリア機能を高めるスキンケアを行っています。

一方、美白化粧品は、肌の奥深くまで浸透する必要があるため、バリア機能の役割を無くそうとします。

このように相反することを、人間の都合よく、バランスよく、安全に実現することが、本当に可能なのでしょうか?

この疑問へのひとつの答えが、2013年に起こった『白斑問題』です。

あれは、美白化粧品が、体の機能に反する作用をもたらした結果だと言えます。

日焼け止め選びのポイント4
本来の目的である『紫外線カット』に特化した日焼け止めを選ぶ

私見ですが、美白成分は、たとえ美白効果があっても、なくても、肌にとって矛盾や危険をはらんだ成分です。

『美白成分を含んだ日焼け止め』も、あなたの肌を危険にさらす可能性があります。

シミやくすみのないキレイな肌を目指すのであれば、『美白』という言葉に惑わされないでください。

それよりも、紫外線によるダメージを抑える、安全な日焼け止めを選びましょう。

そして、紫外線によるダメージを抑えるためには、日焼け止めが備えておくべき大切な機能がひとつあります。でも、大きな誤解があるために、この機能が軽視されがちです。その機能と、誤解とは?今すぐ、こちらをクリック!