冬のしもやけ、かゆさが我慢できない!効果的な対策を探る

冬の季節がやってくると、手や足などに発生しやすい「しもやけ」。特にそのかゆみは大変厄介で、大人はもちろん子供たちもそのかゆさに耐え切れずに掻き毟ってしまうことが少なくありません。このような状態に悩む方々のために、この記事では「しもやけ」が生じる理由と、発生後の適切な対応法を詳しくお伝えします。「持続的なしもやけのかゆさに困っている!」と感じる方、この内容を是非とも参照してみてください。

目次

しもやけって何?具体的な症状は?

「しもやけ」とは、具体的には手指や耳の先端部分が赤くなったり、赤紫色に腫れ上がる状態を指します。医学的には「凍瘡(とうそう)」とも称され、気温の変動が激しい初冬や春の初めに、特に症状が出現しやすい傾向があります。

しもやけの主な症状とは

しもやけの発生時、該当部分は赤や赤紫色に変色し、腫れあがり、ピリピリとした温かさを伴うことが多いです。

さらに、患部には痛みやかゆさが現れるのが一般的です。この痛みとかゆさが同時に出現することから、「痛くてかゆい」という形で説明されることが多いのです。

症状が進行すると、患部には水疱が形成されることもあり、それが破れると皮膚が荒れてしまう場合も考えられます。

しもやけが発生しやすい場所

しもやけは、特に冷えやすい体の外側、末端の部分に現れることが多いと言われています。指先や足のかかとは、特によくしもやけの対象となります。さらに、日常的に肌が露出している部分である耳の先や頬、鼻先も、しもやけのリスクが高い部位として知られています。

しもやけの主な分類

しもやけには大きく分けて、「樽柿(たるがき)型」と「多形紅斑(たけいこうはん)型」という2種類が存在します。

樽柿(たるがき)型

このタイプでは、手や足などの対象部位が全体的に腫れて赤紫色に変色します。この現象は子供たちに特に頻繁に観察されるタイプです。

多形紅斑(たけいこうはん)型

このタイプでは、手や足、鼻、耳の先端部分などに、赤い湿疹や小さな水疱が点在します。これは主に大人の中でよく見られるしもやけのパターンです。

しもやけが痒みを引き起こす瞬間

痒さは、しもやけの症状として非常に厄介なものの一つです。しかしながら、感じる痒みは絶えず発生しているわけではないのです。体温が上がった際に、その痒みが顕著になる傾向があります

例として、暖房を利用して室内をポカポカにした時や、お風呂に浸かって体を温めた後、または布団でじんわりと暖まると、それまで特に気に掛けていなかった痒さが目立つように感じられることがあるのです。

しもやけが発生する主な理由

しもやけの出現は、冷たさによって血の巡りが滞ることが主たる要因となっています。特に手や足は、冷え込んだ日に体の外側、末端部分の血の流れが悪化することが多いのです。

さらに、耳の先や頬、鼻の先など、普段から露出されている部分は冷たい外気に直接触れるため、しもやけを発生させるリスクが増えるのです。

しもやけが出現しやすい天候や状況

しもやけが生じるのは、血行が不十分なことだけではなく、気象の変動も大きな要因の一つです。

とくに、気温が4~5℃で日の中での気温の変動が10℃近くあると、しもやけが現れるリスクが高まると指摘されています。

ですので、冷え込んだ日々が続く真冬よりも、朝は寒くて日中は少し暖かい日や、春の入り口のような気温の変動が大きな時期が、しもやけが出やすい時期と言えます。

その他の発生要因

気象の影響以外に、「遺伝的背景」や「汗や湿り気」もしもやけの発生に密接に関連していると言われています。

遺伝的背景

身体の末端の血液の流れをうまく調整できない遺伝的な特性を持っていると、しもやけのリスクが増えるとの指摘があります。

汗や湿り気

スポーツなどで発生した汗を乾燥させず放置すると、皮膚の表面温度が急激に下がるリスクがあり、それがしもやけの要因となり得ます。足は、特に靴の中で湿気がこもりがちなので、注意が必要です。

さらに、水を使った仕事後に手をきちんと乾燥させないと、手の温度が下がる要因となります。これは、水分が蒸散する過程で皮膚の温度を下げるからです。日常的に家事を行う女性がしもやけに困っていることが多いのは、このような理由が背後にあると思われます。

しもやけの症状とその対策

しもやけに伴う症状は、放置しておくと次第に悪化してしまう可能性があります。早めの対応が大切ですね。

そこで、しもやけの症状やかゆみをどのようにして軽減するか、その実効的な手段を紹介いたします。

しっかりと暖を取る

しもやけは、冷え込みで血の巡りが滞ることで発症しやすくなります。また、温度の変動が激しい環境では特に注意が必要です。冷えを感じた際には、迅速に暖を取ることが求められます。

特に、指や足の指先、耳などはしもやけになりやすい部分ですので、外出時には手袋や暖かい靴下、耳を覆うアイテムを利用して冷えから身を守ることが大切です。

きちんとした暖かさは、しもやけの既存の症状を和らげるだけでなく、事前の予防措置としても役立ちます。しもやけのリスクが高いと感じる方には、症状の出現前からの対策を強く推奨します。

ただし、気をつけていただきたい点があります。手袋や靴下が湿気でじめじめしていたり、雪で濡れたりすると、これらのものを持続して使用すると逆に冷える原因となります。湿った状態のまま使用は避け、乾燥した状態で使用してください。

靴に関しても同じように注意が必要です。靴が湿ってしまった場合、乾燥を確認した上で使用するようにしてください。

血流の促進

体の末端の血流不足はしもやけの主な原因となりますので、血行をスムーズにする努力が必要です。

・湯に浸かる

シャワーだけでの入浴を避け、湯船にゆったりと浸かる時間を持ちましょう。体全体の温めに繋がります。

・マッサージの活用

マッサージもとても有効です。たとえば、お風呂の際にしもやけが発生している部分を優しく揉むことで、血行の促進が期待できます。

もちろん、入浴時以外でもマッサージはおすすめです。その際、スムーズな動きのためにクリームを使用し、特に炎症を抑える成分やビタミンEを含むものを選ぶとより効果的です。

ただ、しもやけが重症化している場合や、水ぶくれやただれが見られる場合、マッサージは避けた方が安全です。

・締め付けのない靴を選ぶ

足の血行を悪化させる要因として、きつめの靴を履くことが挙げられます。細い靴先や高いヒールなど、足に負担をかける靴は控えるよう心掛けましょう。

・かゆみへの注意

上記の方法で血行が改善されると、痒みを感じることが増えるかもしれません。しかし、掻きむしると皮膚が傷つく可能性があるので、掻かないように意識してください。

治療用の薬品をうまく取り入れる

いくら保温を意識しても、また日常のケアをしても、時として症状が改善しないことがありますね。その際、早めに薬局で手に入る治療薬を試すのは良い方法です。自身の症状にピッタリのものを選んでください。

・血行の不調にはビタミンE配合のクリームや軟膏

しもやけによる血行の不調を解消するために、ビタミンEが配合されたクリームや軟膏が推奨されます。ビタミンEは血行をスムーズにする効果が認められており、しもやけの緩和に寄与します。「トコフェロール」とラベルに記載されている場合もあるので、内容成分をしっかりチェックしましょう。

・痒みや痛みを和らげるための軟膏やクリーム

痒みや痛みが強い場合、皮膚の炎症を落ち着ける成分(例: グリチルレチン酸)が入っているアイテムが役立ちます。

特に強い痒みや腫れ、痛みがある時は、ステロイド配合の外用薬を試すことも一考です。使用する時は、少量を指で取り、患部のみに塗布しましょう。

ステロイドの適切な使用量は、大人の指の第一関節部分の量で、手のひら約2枚分の面積に相当します。添付の使用説明書を参照し、適切な使用量を心がけましょう。症状が広範囲に出ている、または5、6日経過しても改善しない場合は、皮膚科での診察をお考えください。

しもやけを未然に防ぐ方法

しもやけは、発症後のケアだけでなく、事前の予防が重要です。日常の中で意識できる予防のポイントをこちらでシェアします。

冷えから身を守る

しもやけが出やすい手足や耳たぶは特に注意が必要です。外出時は、暖かい手袋やしっかりした靴下、耳を保護するアイテムを利用して、冷えから守りましょう。しっかりとした保温活動は、既に出ているしもやけの症状の軽減はもちろん、未来の予防にも繋がります。特にしもやけを発症しやすいと感じる方は、症状が出現する前から冷えに注意してください。

ただ、手袋や靴下が湿気でジメジメしたり、雪などで濡れてしまった場合は、すぐに取り換えることが大事です。湿ったままのアイテムを使用し続けると、冷えが進行し、しもやけを引き起こすリスクが高まります。

靴に関しても注意が必要です。湿ってしまった靴を使用する前に、きちんと乾燥させることを心がけてください。

手洗いのステップを見直す

手洗いの方法を再評価することで、手荒れの進行を予防することができます。以下の要点をしっかりと理解し、しもやけのリスクを減少させる手助けとしてみてください。

・適切な温度で手を洗う

手を清潔にする際の水の温度としては、人の体温に近い(33~35℃)ぬるま湯が理想的です。過度に冷たい、または熱すぎる水は避けるべきです。冬場は手を暖かくしたくなりますが、高温は肌の必要な皮脂を取り除く可能性があります。

皮脂が減少すると、乾燥や手荒れの原因となるため、水の温度には十分気をつけてください。

・力を入れずに手を洗う

力強く手をこすり合わせると、肌の表面が傷ついてしまい、手荒れのリスクが上がります。

泡立てた石けんを手や指の間にしっかりと入れながら、優しくこすり合わせることを心がけましょう。

・肌にやさしい石けんを選ぶ

しもやけになりがちな方は、洗浄成分が強力な石けんは避けるべきです。それらの石けんは効果的に汚れを取り除くものの、肌の必要な水分や皮脂をも奪ってしまう恐れがあります。

肌に優しい、低刺激なタイプの石けんを選びましょう。

・手を洗い終わったら速やかに水分を拭き取る

手洗い後に手をそのまま濡れた状態にしておくのは避けるべきです。ユースキン製薬の研究によれば、手を乾燥させない方が皮膚の温度が低下することが判明しています。

手が冷えることでしもやけのリスクが上がるので、洗った後はすぐに乾燥させるよう努めましょう。

食事からビタミンEを取り入れる

しもやけを予防するためには、ビタミンEが豊富な食品を積極的に摂取することが効果的です。ビタミンEは血管を拡張し、血液の流れを良くする効果が期待されています。外用薬としての利用だけでなく、日常の食事からもビタミンEを意識的に取り入れるよう心掛けましょう。

  • アーモンド
  • ピーナッツ
  • 植物の油
  • うなぎ
  • しその葉
  • アボカド
  • 西洋のカボチャ

ビタミンEを摂取する際には、オレンジやグレープフルーツ、イチゴ、キウイなどのビタミンCが含まれる食品と一緒に摂ると、その効果が向上すると言われています。健康的な食事バランスを取ることはもちろん、ビタミンEとビタミンCの組み合わせにも注目してください。

しもやけと似た他の病気

一部の疾患では、しもやけと同じような症状が現れることが知られています。特に寒い時期以外に症状が出たり、体の他の部分で違う症状が見られる場合、他の疾患の可能性が考えられます。そのような場合は、早めの医師の診断を受けることをお勧めします。

自己免疫性の病気

全身性エリテマトーデスとは、自己免疫疾患のカテゴリーに属するもので、手の平や足の裏といった部位に、しもやけを彷彿とさせる腫れが現れることが知られています。この症状は皮膚だけでなく、内臓にも様々な形で表れることが考えられます。寒さが引き金となってこれらの症状が顕在化することもあり、その際、単なるしもやけかそれとも別の疾患かを見分けるのは難しいとされています。

シェーグレン症候群は、同じく自己免疫疾患の範疇に入る病気で、顔やふくらはぎなどにしもやけっぽい赤みが現れることも確認されています。この疾患の特徴的な症状は、目や口の中が乾燥することで、加えて、目がゴロゴロする感覚や、虫歯の発生が多くなる、唾液の分泌が減少するなど、目や口周りの症状や、鼻の乾燥、排尿時の不快感といった他の症状が起こることが知られています。

レイノー現象

レイノー現象というのは、冷たい刺激や寒冷により、足や手の指先が白くなって冷える特有の状態を指します。この青白い指が徐々に赤や紫色に変わるのが特徴で、時折、しびれる感じや痛みを伴うこともあるのです。この現象の背後には、心のストレスも影響していると考えられています。

症状が強い場合、皮膚専門医に相談を

しもやけが悪化し、水ぶくれやただれが見られるようになった際、あるいは痒みが我慢できなくなったり、セルフケアの方法で症状が良くならない時は、皮膚専門医に相談することをおすすめします。症状やその程度に合わせて、適切な治療を受けることができます。痛みや不快感を放置することなく、早期に専門家の意見を求めることが大切です

皮膚の専門施設である皮膚科では、例として、しもやけに伴う痒みや炎症を和らげるためのステロイド系の外用薬が提供されることがあり、さらに血行を促進させる効果が期待されるビタミンEのような内服薬の処方も考慮されることがあるのです。

冷え対策のポイント

冷たい時期には、しもやけの出現が増える傾向にありますね。これは寒さが原因で血行が悪くなることが大きく影響しています。そこで、体を暖かく保つ行為や、入浴を通じた血行促進は、症状を和らげるのに役立ちます。外出時には、手袋やしっかりとした靴下、耳を守る耳当てなどを活用して、寒さから身体を守ることを心掛けましょう。さらに、入浴を楽しむ際に、患部を優しくマッサージすることも効果的です。特に、お風呂から上がった後に、炎症を緩和し血行をサポートするクリームを塗ってマッサージすると、より効果が期待できます。

もちろん、しもやけが悪化する要因を避けることも非常に重要です。例えば、汗や雪で湿った手袋や靴下はすぐに替えること、また、足の血行を妨げるきつすぎる靴は避けるように心がけてください。

しもやけが起きた際のかゆみは強烈で、ついつい掻きたくなりますが、それは避けたほうが良いです。痒さが我慢できないほどや、症状が深刻になったら、皮膚専門医に診てもらい、適切なケアを受けることをおすすめします。

更新日:投稿日:2024.03.02

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