今年の低迷した商品ランキングで、口紅の名前が上がったことは大きな関心事となりました。マスクの普及の影響で、見えない部分へのメイクが軽視されている傾向がみられます。この風潮が、ただ単に口紅を塗らないだけでなく、唇のメンテナンスをおろそかにしていることも示唆しています。
今年の初夏には、感染症対策としてのマスクによる肌トラブルや手荒れが注目されました。乾燥が進行する冬のシーズンに入る前に、肌の問題だけでなく、唇のケアも重要となります。適切なケアを学び、唇の荒れを未然に防ぐことが大切です。

1.今年の冬、マスクと乾燥が引き起こす唇荒れのリスク
マスクをしているとき、唇がマスクに接触しているのに気付いたことはありますか?また、乾燥した唇が気になって、唇を舐めたり触ったりすることは少なくないでしょう。唇はマスクによく触れ、話すときに唇がマスクと摩擦し、これが唇荒れを引き起こしています。
冬の季節は、乾燥の影響で肌トラブルが増えることは周知の事実ですが、唇もその例外ではありません。マスクの摩擦が追加される今年の冬は、普段とは異なる唇荒れのリスクが予測されます。
さらに、マスクの取り外し時にも摩擦が生じます。食事やドリンクのためのマスクの脱着で、唇に余計な負担がかかります。
マスクを長時間つける現代のライフスタイルでは、唇荒れは見た目に大きな影響を与える可能性があります。美しい口元を保つため、適切なケアを実践しましょう。
2.マスク内での唇荒れを促進する3つのNG行動
唇の特性は他の皮膚とは異なります。唇は皮膚と粘膜の中間部分で、多くの毛細血管が集まっている一方で、皮脂膜はほとんど存在しないのです。そして、天然の保湿成分も少なく、角層も薄いため、乾燥しやすくなっています。
マスクの中は湿っているように感じますが、それは実際にはムレただけで、水分が蒸発することでさらなる乾燥を促進します。マスクの中での唇の乾燥を感じ取り、つい舐めてしまう行動は、唾液により唇に余計な刺激を与える可能性があります。
唇荒れが気になると、かみつく、強く閉じるなどの行動は、唇に悪影響を与え、悪化の引き金となり得ます。
マスクを外すときも気をつける必要があります。特に室内では、暖房の影響で空気が乾燥しやすいです。帰宅してマスクを外した後も、唇の乾燥が進行するリスクがあります。肌だけでなく、唇の保湿も念頭に、湿度を保つ対策を施しましょう。
3.適切なケアで、唇は3日で回復可能
唇の新陳代謝は3日から10日程度と、他の皮膚部位と比べて早めです。そのため、適切なケアを実践することで、短期間で効果が実感できる部分といえます。正確なリップケアにより、唇の荒れは回復し、血色もよくなるでしょう。
さらに、唇の荒れが改善されることで、荒れを悪化させるNG行動(舐める・噛む・強く閉じる)も少なくなり、より健やかな唇を保つことができます。
リップケアの正しい方法としては、リップクリームを唇全体に均等に塗り、優しくマッサージを施すこと。右利きの方では、左下の唇が特に荒れやすいとのデータがあり、きちんとケアされていない人が多いとされます。唇を4つの区分に分け、それぞれを円を描くようにマッサージすると良いです。
この4つに区分けする理由は、塗り漏れを防ぎ、均等にケアをするためです。特に荒れがちな口角まで入念にケアすることが可能となります。このフォーブロック リップマッサージは、ユースキン製薬が長年の手荒れ研究から導き出した方法を応用したものです。
4.リップクリームの選び方のコツ
リップクリームの選び方は、現在の唇のコンディションによって異なります。乾燥やカサつきが気になる場合は、化粧品リップや医薬部外品の薬用リップなど、自分の唇に適したものを選んで大丈夫です。
しかしながら、唇の皮がむけたり、ガサガサ感が強い場合は、ビタミンなどの成分が入った医薬部外品のリップが推奨されます。メントール不使用で、低刺激性のものがベストです。
また、以下のような唇の症状が出たときは、『医薬品』と明記されているリップクリームを選んでみましょう。
・口唇炎
唇が赤く腫れ、痛みを伴うことがあり、皮がはがれる場合も。
・口角炎
口の隅がただれて炎症を起こし、痛みで口を開けにくくなることも。
・口唇のひび割れ
唇が乾燥し、ひび割れが生じる。時には出血することも。
・口唇のただれ
唇に水疱ができたり、かさぶた状になったりする。
もし、医薬品のリップクリームを使用しても状態が改善しない場合は、接触皮膚炎や口唇ヘルペスの可能性も考えられます。その場合は、皮膚科の受診を検討しましょう。
更新日:投稿日:2024.03.02