四季を通じて、皮膚の乾燥に頭を悩ます人は少なくないでしょう。肌が乾くとカサカサやゴワゴワといった状態になり、これがメイクのノリにも影響を及ぼすのです。乾燥する肌をお持ちの方々は、日々実践する正確なスキンケアが大切です。
今度は乾燥肌の特性とその背後にある原因を説明しながら、適切なスキンケアの流れをご紹介しましょう。さらに、乾燥する肌を持つ方のためのケアのコツについても触れていますので、ご活用いただければと思います。
乾燥肌の背景にある4つの要因
「乾燥肌」とは、肌内の水分が不足し蒸散した結果生じる皮膚の状態をさします。カサつきや肌のごわつき、粉を吹いたような症状が見られる場合は、乾燥肌である可能性が考えられます。
皮膚の乾燥が長く続くと、肌が刺激にピリピリと反応したり、痒みや割れ目ができたりする恐れがあるため、注意が求められます。何らかの要因で皮膚の最も外側の層が傷つき、保護機能が落ちると乾燥肌に陥りがちです。それでは、そのような原因について探ってみましょう。
空気の湿度と乾燥肌
空気の湿度の低下は乾燥肌を引き起こす主な要因の一つです。秋から冬へと季節が移り変わる際、湿度の減少に伴い空気が乾くことがありますから、特にその時期は警戒が必要です。
しかしながら、夏場であってもエアコンが効いた部屋にいる時間が長ければ、同様に肌が乾燥してしまうことがあるのです。エアコンは空気中の水分を取り去ってしまうため、年間通して肌の保湿対策を怠らないようにしましょう。
紫外線と肌の水分
紫外線は太陽光に含まれ、乾燥肌を誘発する要因としても知られています。肌内部の水分が奪われ、深くまで侵入する紫外線は、肌細胞にダメージを与えます。皮膚の最上層の細胞が乱れ、保護機能が弱まると、肌の乾燥が始まるのです。
紫外線を長時間受け続けることで引き起こされる「日焼け」は、軽度のやけどと同じ反応を肌に引き起こします。日焼けにより、肌の最上層が炎症を起こし、結果的に乾燥へとつながるため、日頃からの紫外線対策を心掛け、肌を守ることが重要です。
誤った洗顔・スキンケア方法
誤った洗顔やスキンケアの手法は、肌の乾燥を促す一因となります。
たとえば、洗顔料が極端に洗浄力が高いと、肌の汚れだけでなく、保湿に不可欠な皮脂も取り除いてしまうことがあります。また、熱過ぎるお湯で洗顔することも危険信号です。熱すぎるお湯は、保湿のために不可欠な皮脂を洗い去り、肌の乾燥を加速させます。
加えて、洗顔時に肌を激しく擦ったり、タオルで力強く拭いたりする行為は避けるべきです。これらの強い摩擦は角質層に悪影響を及ぼし、肌の保護機能の低下を招いてしまいます。
不規則な生活パターン
不規則な生活習慣も肌には良くありません。肌細胞が新しく生まれ変わる約1ヶ月のサイクル、「ターンオーバー」によって、肌の水分バリアは維持されています。栄養の偏りや睡眠の不足は、肌のターンオーバーを停滞させ、肌の保護機能を弱める原因となります。
さらに、健康的な肌のためには、バランスの取れた食事からの栄養摂取が不可欠です。日々の食生活で以下の栄養素を均等に摂取しているか見直してみましょう。
【ビタミンA】
皮膚と粘膜の健全性を支える重要な栄養素。レバー、にんじん、卵に豊富に存在します。
【ビタミンB2、ビタミンB6】
肌の新陳代謝を促進し、肌トラブルを予防するとされる栄養素。ビタミンB2は納豆、レバーに、ビタミンB6は豚肉やマグロに多く含まれています。
【ビタミンC】
肌の黒ずみの原因となるメラニン生成を抑え、酸化から肌を守る働きがあるとされる栄養素。これらは柑橘系の果物やいちご、ブロッコリー、ピーマンに含まれています。
【ビタミンE】
肌の老化の要因となる酸化を防ぐ役割の栄養素とされ、アーモンド、アボカド、豆乳などに多く含まれています。
【ミネラル】
肌細胞の更新に不可欠な栄養素で、特に鉄分や亜鉛が該当します。
・鉄分
肌色を明るくし、くすみを取る効果があるとされる栄養素で、ひじき、あさり、小松菜に多く含まれています。
・亜鉛
皮膚の健康を維持するために重要な栄養素で、牡蠣、チーズ、海藻に豊富に含まれています。
【脂質】
皮膚の潤いを維持するのに役立つとされる栄養素で、肉や魚、植物油などに存在します。
【乾燥肌】スキンケアの正道
スキンケアの日々の習慣は、肌を健康に保つために不可欠です。スキンケアを誤ると皮膚の防御機能が損なわれる恐れがあるため、ご自身のケア方法を見直してみることをお勧めします。
メイク落とし
メイクアップを施した日には、クレンジングを欠かさず行うことが大切です。以下のステップでメイクをきれいに落としましょう。
■クレンジングのステップ
特に乾燥肌の方は、洗浄力の強いオイルタイプやクレンジングシートは使用を控え、肌に優しいジェルやミルク、クリーム、バームタイプ、または保湿成分を含んだ製品を選ぶことが望ましいです。
市販のクレンジング剤には様々なフォーミュラがあり、製品によっては使用法が異なることがあるため、使用する前には必ずパッケージに記載された指示を確認してください。
洗顔方法
日々の洗顔は強く擦らずに、以下の手順に沿って行いましょう。
■洗顔のステップ
乾燥肌の人は、低刺激の洗顔料の使用が推奨されます。メントールやスクラブが含まれている製品は肌への刺激になりうるため、使用を避けるのが賢明です。朝の洗顔で、特に汚れが気にならない場合は、ぬるま湯だけで洗顔するのも良いでしょう。
保湿への一歩
洗顔を終えたら、化粧水や美容液で速やかに肌の潤いを取り戻すことが重要です。この潤いのステップを踏むことで、その後の保湿ケアがさらに功を奏します。
■潤いケア（水分供給）のプロセス
乾燥肌の方は、ヒアルロン酸やアミノ酸、コラーゲン、グリセリンを含んだ低刺激の化粧水や美容液の使用が適しています。刺激の原因となる香料やアルコール分を含む製品は使用を控えましょう。
保湿の極意
保湿ケアを最終ステップとして、肌の水分と脂分のバランスを整え、保護機能を強化します。保湿は、乳液とクリームをこの順で用いることが一般的です。
■保湿ケア（脂分供給）の方法
乾燥肌に優しい、刺激の少ない高保湿の乳液やクリームが推奨されます。また、肌を守るために白色ワセリンを最後に塗るのも良い選択肢とされています。
【乾燥肌】スキンケアの要点
乾燥肌の人は肌のトラブルに見舞われがちです。日々のスキンケアで、肌の水分と脂肪分のバランスを調整しましょう。ここで、スキンケアの重要なポイントをいくつか挙げます。
肌を清浄に保つ
どんな肌質であっても、スキンケアの土台は肌を清潔にすることにあります。特に乾燥肌の人は、バリア機能が弱まりがちで、ちょっとした刺激で肌荒れしやすいため、慎重さが求められます。汗や皮脂、埃などの汚れは、丁寧に洗い流し、肌を清潔に保つことが大切です。
適切な潤いケア・保湿ケアを行う
洗顔や入浴後は一時的に肌が潤いますが、このとき角質層が柔らかくなっておりバリア機能は弱まっています。放っておくと肌の乾燥につながるため、迅速な保湿が重要です。
乾燥肌は敏感であるため、洗浄力の強い洗顔料は使用を避けましょう。乾燥肌用に開発された洗顔料やスキンケア商品の選択が推奨されます。アルコールや鉱物油、香料、防腐剤などの刺激成分を含む製品は、可能な限り使わないようにしましょう。自分の肌に合ったものを見つけて利用することが、肌の健康を守るうえで大切です。
また、室内環境の湿度もしっかり管理することが望まれます。居間や寝室に湿度計を設置し、加湿器で適切な湿度を保つことも、肌の乾燥を防ぐために効果的です。
外的刺激から肌を守る
肌を強く擦る行為は角質層を傷つける可能性がありますから、外部からの刺激を極力避け、皮膚の保護機能を保持しましょう。特に、洗顔や入浴後の柔らかくなった肌は非常に繊細なため、摩擦には注意が必要です。
熱すぎるお湯を使用した洗顔や、長湯は控えることが肝心です。外見上は肌がきれいになったように感じても、実際には肌の潤い成分を奪ってしまい、乾燥の誘因になることがあります。
また、紫外線も注意を要する外的刺激の一つです。日焼け防止剤や帽子、日傘などを活用し、普段から直射日光を避けることで、肌への負担を減らしましょう。
総括
乾燥肌の問題を抱える人だけでなく、肌の乾燥を特に感じていない人も、日々のスキンケアを軽視してはなりません。適切な手順で汚れを取り除き、十分な保湿を施しましょう。正しいスキンケアに励むことで、肌は健康で魅力的な状態を保つことができます。
乾燥肌に悩む際は、その原因を根本から解消することも重要です。日常生活の習慣に目を向け、美しい肌を保つための努力をしましょう。
更新日：投稿日：2024.03.02
