季節に応じて変わる肌質を把握し、それぞれの時期に適したスキンケアを採用することが肝心です。この度は、夏場のスキンケアを中心に考察し、夏に多発する肌の問題点に触れながら、ケアの要点をお伝えします。この記事を参照して、ご自身のスキンケアが適切かどうか見極めてください。
夏場のスキンケアでは乾燥への注意が欠かせません
乾燥対策と聞くと、多くの方が空気が乾いた冬季を思い浮かべるかもしれません。夏は汗ばむため、肌が乾くという感覚に乏しいですよね。
それでも、実際には夏場だって肌の乾燥は頻繁に起こり得るのです。その根拠となる3つの理由をご紹介いたします。
汗と皮脂の問題
夏季に多量に分泌される汗は、体温の調節には不可欠ですが、皮肌の乾燥を促す原因ともなることを知っていますか?
汗が蒸散する際には、皮肌の水分を同時に持ち去ってしまうことで、乾燥を招きます。
汗をかくことで肌が潤っているように錯覚しがちですが、実は乾燥しやすい状況に置かれているのです。
さらに、肌が乾燥すると、それを防ごうと皮脂の分泌が活発になります。しかし、その皮脂が過剰になると肌に負荷をかけ、さらには紫外線による酸化で、ニキビ等の皮膚の悩みを引き起こすことにもつながります。
紫外線の影響
紫外線の浴び過ぎは、夏特有の肌トラブルの一因となります。紫外線は、肌の深層にあるコラーゲンやエラスチンにダメージを与え、結果として肌の弾力性を低下させたり、しわを誘発したりします。
紫外線が肌の老化に及ぼす影響を考慮すれば、夏の日差しを浴びる際の紫外線対策は不可欠です。
紫外線による影響は肌の保湿バリア機能の衰弱も招きます。このバリア機能は、肌の水分保持能力に直接関わっています。紫外線にさらされることでこのバリアが弱まると、肌はその保水力を失い、乾燥する可能性が高まります。
夏季は紫外線が一年中で最も強く、またその量も多くなるため、皮膚のバリア機能へのダメージも大きく、乾燥肌になりやすい条件が整っています。
冷房の影響
夏季になると冷房は不可欠ですが、これもまた肌の乾燥の要因となります。冷房が利いた部屋は湿度が下がり、その分空気は乾燥する傾向にあり、肌から水分が蒸発しやすくなります。
冷房のきいたオフィスで過ごされる方や、家庭では冷房を常時利用される方も少なくありません。熱中症を防ぐためには冷房が重要ですが、それによる肌の乾燥には注意が必要です。
夏季スキンケアのキーは「洗顔」と「保湿」
夏のスキンケアで重要なのは、洗顔による汚れのしっかりとした除去と、保湿による肌の乾燥防止です。
「洗顔」と「保湿」のそれぞれの要点を提案しますので、自己のケアが適切かどうかを見直してみてください。
【洗顔】清潔感溢れる肌維持
汗ばむ季節と増す皮脂の活性化する夏は、洗顔により汚れを念入りに落とすことが重要です。これを怠ると肌のトラブルの元となり得ます。
日々の朝晩の洗顔で、清潔を心掛けることが重要です。
洗顔料はたっぷり泡立て、汚れを泡に絡め取るように柔らかく洗うのがコツです。力強く擦ると肌への摩擦がダメージをもたらし、皮膚保護機能を損ねる可能性があるので、気を付けましょう。
夜に洗顔する際には、もし化粧をしていたら、初めにクレンジングでしっかりメイクを解かし、それから洗顔料で洗い流します。夏期は汗や水に強い日焼け止めや化粧品を使用しがちですから、まずクレンジングでこれらを取り除いた後、洗顔をすることが肝心です。
朝の洗顔の時と同様、しっかり泡立てること、そして肌を強く擦らないようにすることを念頭に置きましょう。
【保湿】ベタつかず保湿を
洗顔直後は特に肌の乾燥が進みやすいので、保湿はすぐに行うべきです。
タオルで顔の水気を優しく拭き取ったら、化粧水でまずは水分を肌に与えます。その次に乳液やクリームで必要な油分を補充しましょう。
ベタつきが気になりがちな夏には、「化粧水だけでいい」と思う方もいるでしょうが、夏場でも肌の乾燥は避けられません。乳液やクリームでしっかり保湿することで、肌の潤いを保つことが不可欠です。
ベタつきが気になる場合は、「さっぱりとした」化粧水や乳液の選択が良いでしょう。「さっぱりとした」製品は一般に軽いテクスチャーで、肌に早く馴染みます。さらに、ベタつきにくく、清涼感のある使用感が得られます。
スキンケアは日課ですから、使用感に満足できる製品選びが大事です。気に入るアイテムがなければ、サンプルで試しつつ、自分の肌に合うものを探してみてください。
【夏のスキンケア】UV対策も忘れずに
太陽の紫外線からお肌を護るためにも、UV対策は入念に行なうことが肝心です。ここでは実用的な紫外線対策をいくつかご紹介しましょう。
選び方のポイント!効果的な日焼け止め
日焼け止めは乳液、ジェル、スプレー、スティックなど多種多様に存在します。使用感や塗り心地に応じて選択できるものですが、SPFやPAの数値をチェックすることが重要です。
・SPF
「SPF」とは、紫外線防御指数を意味する Sun Protection Factor の略で、UV-Bから肌を守る効果の指標です。UV-Bは短い波長で表皮に影響を及ぼし、炎症やシミ、そばかすを引き起こす紫外線とされています。
SPFの指数は1から50+と幅広く、数字が上がるほどUV-Bからの保護効果が増します。
・PA
一方「PA」は、UVAからの防御度を示す Proteciton Grade of UVA の略で、UV-Aの影響を防ぎます。UV-Aは波長が長く、肌の深層部分にダメージを与え、しわやたるみの元となります。
PA値は「+」の数で示され、「+」から「++++」までの4段階に分かれており、「+」が多いほどUV-A防御効果が高いとされます。
日焼け止めを選ぶときは、SPFの数値が高いものやPAの「+」の数が多いものを選ぶだけが策ではないことを覚えておきましょう。使用するシチュエーションに合わせた選択が必要です。
例を挙げれば、近くのお店に行く時や少しの散歩であれば、SPF10~20、PA+~++のものが適しています。外での短時間の活動であれば、SPF20~40、PA++~+++が適切です。また、長時間の屋外活動やレジャーでは、SPF30~50+、PA+++~++++の高い防御効果をもつ商品が望ましいでしょう。
紫外線防御に日焼け止め以外にも気を配る
日焼け止めの使用は必須ですが、それと同時に紫外線を極力受けない工夫も大切です。お出かけの際には、広いつばの帽子やUVシェードの日傘を活用しましょう。これらはお肌を紫外線の害から守ってくれます。
さらに、肌の露出を控えることが肝心です。長袖シャツ、カーディガン、さらには足先を覆うパンツや長めのスカートの着用が推奨されます。首周りにはストールを巻くなどの防御も効果的です。
現在市場には、UVプロテクションを施した生地で作られた衣服が多数出回っています。紫外線対策をさらに強化したい場合は、これらのアイテムを選択すると良いでしょう。
また、白色系の生地よりも、暗めの色が紫外線保護には適していると言われていますので、服の色選びにはその点を考慮してください。
炎天下の夏は、着心地の良さも重視したいものです。選ぶ生地は、空気を透過させるものや乾きやすい素材がお勧めです。
それに、目からも紫外線は吸収されるため、外出するときにはUVカット機能を備えたサングラスを着用すると、目を守りつつ紫外線対策をさらに強化できます。
総括
夏場は肌の乾燥にも特に注意が必要な時期です。「肌がベタつくので…」「汗が気になるので…」という理由でスキンケアをおろそかにすると、乾燥が進んで肌のトラブルを引き起こしやすくなります。
夏の強い日差しやエアコンの風などから肌を保護するためにも、保湿ケアは忘れずに。しっかりと保湿を心がけて、美しい肌を維持しましょう。
更新日:投稿日:2024.03.02