皮膚に赤みや小さなブツブツが現れ、かゆみを伴う時、思わず「これってあせもなのかな、それとも湿疹?」と思ってしまいますよね。見逃してしまうと症状が進行する可能性があるため、早期のケアが大切。しかし、どちらの症状なのか正確に知らないと、正しいケアが難しくなります。
この記事で、あせもと湿疹の主な特徴や、その対応策、さらには予防方法をしっかりお伝えします。
あせもと湿疹、それぞれの特徴は?
皮膚の問題に適切に対応するためには、それが何に起因するものなのかを明確に理解することが重要です。そこで、あせもと湿疹のそれぞれが持つ症状とその違いについて、深く掘り下げてみましょう。
あせも、一般的には汗疹として知られる症状
「あせも」とは、過度な発汗を引き金として生じる、かゆみを伴う発疹や水ぶくれのことを指します。学術的な言葉では『汗疹(かんしん)』として知られています。
この症状は特に、湿度が高く、気温が高い状況下で発生しやすいのが特徴で、夏場に頻繁に見受けられるものです。子供は汗を容易にかくためあせもが発生しやすいですが、大人でも発症するケースは十分考えられます。
あせもが生じる背景には、発汗に伴う老廃物などが原因で汗の通路、つまり汗管が塞がれ、皮膚の内部に汗がたまってしまうことが挙げられます。この溜まった汗が皮膚を刺激し、炎症が発生します。結果として、不快なブツブツや水ぶくれが形成されるのです。
多くの場合、あせもの症状には強いかゆみが伴います。首や脇の下、背中、お尻や、衣服やベルトで圧迫されている場所など、特定の部位に発症しやすいのも、あせもの一つの特徴です。
皮膚炎(湿疹)の特徴と症状
湿疹は、私たちの皮膚に現れる炎症の一つとして知られ、別名として皮膚炎とも呼ばれています。この湿疹の成因には、外からの刺激や体内からの要因が影響して、その結果として皮膚に反応が出ることが多いのです。その具体的な原因が明らかでない場合、通常、それを湿疹として認識します。
・外部からの要因
化学薬品、医薬品、紫外線や温度の変化、ハウスダスト、花粉、金属、細菌、カビといったものが挙げられます。
・体内からの要因
アレルギーやアトピーの体質、皮膚の過度な乾燥、皮脂の分泌異常などが考えられます。
湿疹の代表例としては、接触性皮膚炎やアトピー性皮膚炎があり、あせもも実は汗由来の湿疹の一種と言えます。
湿疹の進行度に応じて、「急性の湿疹」と「慢性の湿疹」に区別されます。急な発症を示すものを急性湿疹、継続して症状が持続するものを慢性湿疹と称します。
急性湿疹では、皮膚に痒みや赤らみ、小さい湿疹が見られることが一般的です。時に小さな水疱が生じ、その部分が湿った感じになることも。
慢性湿疹では、皮膚が乾燥して硬くなり、完治には少し時間がかかることが特徴的です。
湿疹とあせもの正しい対応策
あせもと湿疹の原因や症状は異なりますので、適切なケア方法も異なります。誤ったケアをすると、症状を悪化させるリスクがあるため、それぞれの症状に合った対応を理解することが大変重要です。
それでは、あせもと湿疹のそれぞれについて、適切な対応策を学んでいきましょう。
あせもに効果的なケア方法
あせもは、肌を清潔に保つことや、吸湿性や通気性を重視した衣服選びをすることで、しばしば自然と改善されます。とはいえ、あせもの種類によっては異なるケアが必要となるので、それぞれの特徴を正確に把握することが求められます。
・水晶様汗疹
このタイプのあせもでは、赤みは伴わず、透明または白色の小さな水疱が現れます。汗をしっかり拭き取り、肌を清潔に保つことで自然に良くなることが多いです。
・紅色汗疹
細かな湿疹が現れ、赤みや痒みが伴います。皮膚の清潔を保つことは大切ですが、掻きむしりは控えるべきです。痒みが強い場合、市販の薬を使用しても良いでしょう。
・深在性汗疹
このあせもの特徴は、淡い青色の滑らかな湿疹が現れることです。このタイプは汗の排出が困難となり、熱中症のリスクが高まるため、専門家の診断が必要です。特に、熱帯地域でよく見られるもので、日本ではそれほど一般的ではありません。
湿疹が発生した際のアドバイス
化学物質や薬、金属といった外部からの刺激が原因と思われる場合、関連するアイテムの使用を控えることが推奨されます。
かゆみに悩まされることが多いと思いますが、かいたりすると状態がさらに悪くなってしまうことがあるので、患部を触るのは避けた方がよさそうです。湿疹専用のかゆみを和らげる薬を使用して、その症状を緩和していきましょう。
軽度の湿疹には、市販されている塗り薬を用いることで効果を実感できることが多いです。
しかし、繰り返し湿疹が発生する場合や、なかなか改善されない場合には、専門家の意見を求めるのがベストです。
あせもや湿疹を未然に防ぐ!手軽に実践できる対策
皮膚のトラブルとして知られるあせもや湿疹、生じてしまう前にどうにか予防できないでしょうか。セルフで行える実践的な予防策をいくつか紹介します。特に、あせもや湿疹に悩まされやすい方は、以下のポイントに気をつけてみてください。
常日頃のスキンケアを大切に
肌の表面に残った汚れや汗は、あせもや湿疹の原因になりがちです。
清潔さを保つためにも、汗ばんだ際はすぐさま洗って清潔に保ちましょう。すぐに水洗いが難しい状況であれば、ウエットティッシュなどを駆使して肌の汚れを取り除いてください。
肌を洗う時、力強くこすってしまうのは避けたいところ。肌はデリケートで、強くこすることでバリア機能が低下することが考えられます。優しく、ていねいに洗顔を行うよう心がけましょう。
さらに、清潔を保つだけではなく、保湿ケアも忘れてはいけません。洗顔後の肌は乾燥しやすくなるので、ボディクリームやモイスチャライザーを活用し、しっかりと肌に潤いを与えてあげましょう。
また、肌に刺激を与える行為は、あせもや湿疹を引き起こすリスクがあります。特に、肌に直接触れるアクセサリーや時計の使用は慎重になった方が良さそうです。
しっかりとした汗の対策を実践
汗が原因であせもや湿疹が発生するリスクが高まりますから、きちんとした汗の対策は欠かせません。
夏場や暑い時期には、涼しげな服装を選び、汗をためないように気をつけてみてください。室内では、窓を開けて風を通す、またはエアコンの使用で適切な温度を維持するのも効果的です。
たとえ、暑さ対策をしっかりとしていても、暑い日や運動時には多くの汗をかいてしまいます。そんなときは、吸収力の高いタオルを活用し、汗をこまめに拭き取る習慣を持ちましょう。
汗をかいた状態での衣類は適切に扱い、なるべく速やかに乾燥させることが大事です。もし可能であれば、外出の際には予備の服を持参し、汗をかいたときには速やかに着替えることを考えてみてください。帰宅後は、すぐにシャワーを浴びて、肌を清潔に保つように心がけましょう。
肌のバリアを強化する工夫
肌のバリアが弱まると、あせもや湿疹が発生しやすくなるため、常日頃からその強化を意識することが大切です。
肌を洗う際は、強くこすらず優しく洗うことで、肌のバリアを保護しましょう。さらに、洗顔後は乾燥を避けるためにしっかりとした保湿ケアが必要です。
水分をタオルで拭くときも、擦りつけるのではなく、優しく押さえるようにして水分を取りましょう。
また、紫外線は肌のバリアを損なう大きな要因です。日焼け止めの使用や日差しの強い時間帯の外出を控えるなどの対策も大切です。
さらに、肌のバリアを維持・強化するためには、規則的な生活やストレスの軽減も重要です。日常の生活習慣を見直し、健やかな肌を目指しましょう。
最後に
あせもや湿疹は、特に夏場に多くの人が経験する皮膚のトラブルです。その中でも、かゆみを感じる場合でも、我慢して掻かないことがとても重要です。
あせもは、清潔を保ち、吸湿性や通気性の良い服装を選ぶことで、自然に治ることが多いです。
一方、湿疹は原因が特定しにくいこともあるため、市販の薬で改善しづらい場合は、医療機関への相談をおすすめします。
いずれのトラブルも、適切な対策を取ることで、健やかな肌を維持することが可能です。
更新日:投稿日:2024.03.02