敏感肌でも安心、あせも(汗疹)の悩みを解消します。原因と症状の詳細解説から効果的な予防法、なかなか治らない場合の専門的対処法まで。あなたの肌を守るための情報が満載。今すぐチェック!
あせも(汗疹)が発生するのは、新陳代謝が盛んな子供ばかりでなく、皮膚のバリア能力が衰えた敏感肌を持つ大人にも見られるため、警戒が必要です。このセクションで、あせもの発生原因、症状、そしてどう対応すべきかを解説します。
汗管の閉塞が引き起こすあせも
あせもとは、汗を分泌する汗腺の管が、適切に汗を排出できずに起こる皮膚トラブルです。特に、高湿度で温かい環境はあせもを引き起こしやすい状況です。
この汗の排出障害が起こる主な理由は、大量の汗がその場に留まることで、含まれる塩類やダストが汗管を閉塞してしまうことです。この結果、皮膚内に汗が溜まり、刺激となって水疱や細かい発疹が発生する。これこそがあせもの正体です。
あせもは、特に代謝が旺盛な子供によく見られ、首筋や背中、おしり等に出現します。子供たちがあせもになりやすい理由は、成人と同じ数の汗腺を、より小さな皮膚面積に持っているため、一層多くの汗をかくからです。
ただし、最近の厳しい暑さや冷房の使用による影響で、大人でもあせもを発症するケースが増加しています。大人では、蒸れやすい部分や服の圧迫がある場所に特にできやすいですね。さらに、皮下脂肪の層が原因で熱がこもりやすい肥満体質の人も、あせもになりやすいとされています。
敏感肌で皮膚のバリア機能が落ちている人は、わずかな汗でもあせもができやすいです。しかし、少ない汗ではあせもにならないという保証はありません。
基本的に、あせもは汗腺が集中している部位や、汗が乾燥しにくいエリアにも発生します。あせもに関する正しい情報を得て、予防策や対応方法を学びましょう。
13種類のあせもが存在する
あせもは、汗管が閉塞する位置に応じて症状が変わり、3種類に分類できます。
クリスタルライクな汗疹
クリスタルライクな汗疹(すいしょうようかんしん)は、皮膚の一番表面の角質層において汗管が閉塞することによって生じます。赤みを帯びることはなく、透明または白い微細な水疱が出現することが一般的です。かゆみはほぼ伴わないため、自分であせもを発症していると気づくことは少ないかもしれません。このタイプのあせもは、特に幼小児に多いですが、高熱を伴う場合などには大人にも見られます。通常、水疱は数日で破れ、自ずと治癒します。
赤色の汗疹
紅色汗疹(こうしょくかんしん)として知られるのが、いわゆる一般的なあせもです。皮膚の表面近くでの汗管の閉塞が原因で、直径1~3mmの赤い発疹が発生し、それが赤く痒みを伴うのが典型的な症状です。汗をかくと、刺すような痛みを感じることもあります。
赤色の汗疹は、小さな子供だけでなく、活発に汗をかく大人にも増加傾向にあります。皮膚を清潔に保つことで、大体1週間ほどで自然に治るものですが、強い痒みがある場合は、抗炎症薬を塗って症状を和らげることが大切です。掻きむしった場合、状況が悪化する可能性があるため、慎重な対応が求められます。
深部の汗疹
深在性汗疹(しんざいせいかんしん)は、真皮層深くの汗管が塞がることで生じ、紅色汗疹に比べてやや大きな滑らかな丘疹が多数形成されるのが特徴です。高温が続く熱帯気候の地域でよく見られ、日本では非常に珍しい状態です。深在性汗疹が広範囲にわたると、汗による体温の調節機能が損なわれ、熱中症に至るリスクも伴いますので、注意が必要です。
簡単にできるあせも予防
あせもの主な発生要因は、過剰な発汗と悪い通気性です。だから、涼しくて通気性の良い環境を作ることや、汗ばんだ状態を放置しないことが予防に繋がります。特にあせもができやすい人は、以下の点に注意してみてください。
①吸湿性の高い服装を心がける
理想を言えば、汗をかいたらすぐに着替えるのがベストですが、特に大人は外出中などそれが難しいこともあるでしょう。
そのため、吸湿性や通気性に優れた衣服を選び、汗を素早く乾かすことがあせも予防に重要です。綿のような天然素材が理想的ですし、吸汗速乾性に優れた機能性のあるインナーの使用も効果的です。さらに、制汗スプレーを使って汗の量をコントロールすることも有効な手段です。
②汗を速やかに清潔に拭き取る
汗を放置すると、あせもを引き起こすことがあります。外出先で汗をかいたら、速やかにウェットタオルなどで軽く拭き取ることが大切です。汗拭きシートの利用も便利で、これによって肌を清潔に保てば、あせも予防につながります。
家に帰ったら、ぬるま湯でサッとシャワーを浴び、汗を洗い流しましょう。そして、石鹸は泡立てて優しく洗い、肌をこすらずに清潔にすることが重要です。強くこすると、皮膚の保護機能が落ち、あせもを引き起こしやすくなります。
③清潔にした肌には保湿を
体を洗った後は、忘れずに保湿をしましょう。汗で肌がベタつくことがあっても、その大部分はすでに蒸発しており、実は肌は乾燥しています。この乾燥が、皮膚のバリア機能の低下を招き、肌トラブルの原因になります。シャワー後はしっかりと保湿を行い、必要な皮膚保護をサポートしましょう。
特にバリア機能が低下している敏感肌の人は、きちんとした保湿が必要です。あせもに悩む人は、保湿ケア製品をあらかじめ選んでおくと、あせも予防に効果的です。
あせもが発生した際の対応
いくらあせも対策をしていても、多量の汗の結果、あせもが出現する場合があります。そんな時の適切な対処法をここでお伝えします。
かゆみを即座に緩和する手段
かゆみを迅速に緩和するためには、あせもの部分を冷却することが有効です。冷やすことで、かゆみが軽減され、快適になります。あせもは、冷たい環境では自然と治癒しますが、かゆいと感じたら掻かず、速やかに薬を塗布することが大切です。
あせも用の薬には、かゆみを和らげ、炎症を抑える成分や、皮膚を守り、修復する成分が含まれています。さらに、パウダリーなテクスチャのクリームや、広い範囲に手軽に使用できるスプレー形式、しっかりと患部をカバーする軟膏等、多様なフォームが存在します。症状や感触、使用者の状況に応じて、最適なものを選んでください。敏感肌の人は、「低刺激」と明記されている製品や、子供も使用可能なタイプを選ぶと安心です。
あせも対応の薬は、体を清潔に保った状態で使用します。もし、お風呂から出た直後でない場合、汗は濡れタオル等で拭き取り、その後で薬を塗布しましょう。
あせもが持続する場合の対応
あせもは、適切な薬の使用により、通常は約1週間で改善することが多いですが、無視すると、かゆみによる皮膚の掻き壊しにより、伝染性膿痂疹や多発性汗腺膿瘍といった細菌感染症のリスクがあります。こうした状態に陥ると、ただ薬を塗るだけでは改善が難しくなります。伝染性膿痂疹になると、感染範囲が広がる可能性があるため、迅速な皮膚科の診療が必須です。
さらに、市販のあせも薬を試しても改善が見られない場合、それは接触性皮膚炎など、あせもと誤診されがちな他の皮膚疾患の可能性を考慮する必要があります。あせもがなかなか治らない場合は、皮膚科での専門的な診断と治療を受けることをお勧めします。
結論
あせもは、汗ばむ子供ばかりでなく、成人も増加傾向にあります。重症化する前なら、市販のあせも薬で対応可能です。肌に汗を残さない清潔さを保ち、入浴後は保湿を念入りにして皮膚の防御力を強化することで、あせもの予防が実現できます。
更新日:投稿日:2024.03.02