日焼けにより、肌が刺激を受け、ぶつぶつが生じるケースがあります。この状態に、「どう対応したら良いのか」と頭を悩ませている人も少なくないでしょう。
この記事で、紫外線に晒された後の肌のぶつぶつが生じるメカニズムと、それにどう対処するかを詳細に説明します。また、日焼けに伴う肌の問題を未然に防ぐ手段も提案しているので、ぜひ参考にしてください。
日焼けとは具体的に？紫外線の影響を理解しましょう
海や山でのアウトドア活動時、日焼けは避けがたいものです。しかし、強い日差しを直接受けていなくても、日焼けする場合がよくあります。
「日焼け」とは、一体どのような肌の状態を指すのでしょうか。ここで、その原因についても解説します。
日焼けの背後にある原因
太陽からの紫外線によって、皮膚が炎症反応を示す現象を日焼けと称します。
紫外線は、我々の体内でビタミンDの生成を助ける役割があり、人間にとって必要不可欠です。
だが、その一方で、紫外線を過剰に受けると、肌の炎症はもちろん、しわやたるみなどの肌老化の一因ともなるため、注意が必要です。
日焼けによる肌の反応
日焼けの度合いは人それぞれで、軽い刺激感から、やけどに似た重い症状まで様々です。
一般的な症状としては、長時間の紫外線露出により肌が赤くなったり、水ぶくれができたりします。
医学的には、「日光皮膚炎」と称され、一定時間以上紫外線に曝されることで発生します。
しかし、紫外線に短時間さらされただけで皮膚にトラブルが生じる場合、「日光過敏症」である可能性も考えられます。
わずかな日焼けで肌トラブルが起きる日光過敏症って何？
日光過敏症とは、一体どのような状態を指すのでしょうか。その原因や、通常の日焼け（日光皮膚炎）との差異について探っていきましょう。
日光過敏症の概要
短い時間の日焼けで、肌にぶつぶつや赤みが現れる場合、それは日光過敏症のサインかもしれません。
日光過敏症は、通常の肌なら問題ないはずの紫外線の量でさえも、皮膚にトラブルを引き起こす疾患です。
「日光過敏症」というのは一種の病気というより、日光に反応して症状が出たり悪化したりする皮膚疾患の総称。原因も症状も多岐にわたります。また、「光線過敏症」や「日光アレルギー」とも称されることがあります。
通常の日焼けとは違うものですが、ぶつぶつや赤みなどの類似した症状が出るため、混同しやすいので注意が求められます。
日光過敏症を引き起こす原因
日光過敏症の背後には、外因性と内因性の両方からくる多様な要因が存在します。
◆外因性の要因
特定の食べ物や薬の摂取、あるいは肌に何かを塗布することが、日光にさらされた際の症状の引き金となることがあります。
肌に適用されたスキンケア製品やパッチ薬、局所薬などが太陽の光を受け、反応して炎症や皮膚トラブルを誘発する場合があります。また、食べ物や内服薬に含まれる成分が、太陽の光を受けて反応し、似たようなトラブルをもたらすこともあるのです。
◆内因性の要因
遺伝的要素や特定の疾患により、日光に触れることで症状が発生するケースもあります。以下にその疾患例を挙げます。
・日光蕁麻疹：日光に触れると迅速に赤みやかゆみが現れる
・多形日光疹：日光に触れた後、しばらくしてから赤み、かゆみ、ぶつぶつ、水ぶくれが生じる
このように、日光過敏症の原因は、外因性と内因性の2つに大別され、いくつもの原因が推測されるため、自らの判断だけで決めつけるのは困難です。
日光過敏症を疑う状況では、皮膚科に行って原因の特定を受け、適切な対応を取る必要があります。正しい診断を受けるためにも、使用中のスキンケア製品や外用薬、内服薬の情報を医師に伝えることが重要です。
日焼け後のぶつぶつを避ける予防策
日焼けしてぶつぶつが出来るのを防ぐには、どのような対策を取れば良いのでしょうか。日焼けによる皮膚のトラブルを避けるための方法をお伝えします。
対策1：直射日光を避ける
日焼けを防ぐ基本は、可能な限り太陽光から身を守ることです。
しかし、完全に家の中に閉じこもるわけにはいかず、買い物や他の用事で昼間外に出る必要があるでしょう。
そんな時は、紫外線が特に強い午前10時から午後2時の時間を避けて外出することで、肌の日焼けを防ぐことが可能です。
外出する際には、影を利用して歩く、日傘や帽子を使用する、長袖の服を着用するなどして、肌の露出を最小限に抑えましょう。紫外線が直接肌に当たらないようにすることが重要です。
対策2：日焼け止めの適切な使用
外に出る際は、必ず日焼け止めを塗るようにしましょう。日焼け止めには様々な種類が存在するため、自分の肌質に適した、刺激が少ないものを選ぶ重要性があります。
日焼け止めに含まれる紫外線保護成分には、「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の2つがあります。
紫外線吸収剤は、皮膚で紫外線を吸収し、化学反応によって熱や他のエネルギー形態に変えて放出するものです。一方、紫外線散乱剤は、紫外線を反射または散乱させて皮膚を保護するタイプです。
刺激に対して敏感な肌をお持ちの方は、紫外線散乱剤を含む製品の使用を推奨します。
「紫外線吸収剤不使用」や「ノンケミカル」と記載された紫外線散乱剤を含む日焼け止めを選ぶと良いでしょう。
日光過敏症で太陽光に敏感な方は、可能な限り紫外線を避けたいと考えるでしょう。避けられない外出時には、長袖の服、帽子、日傘を利用して物理的に紫外線を遮ったり、SPF50+、PA++++といった高い紫外線保護効果を持つ日焼け止めを使用しましょう。
日焼け止めは汗や服との接触で取れやすいので、定期的な塗り直しが不可欠です。外出時も持参し、2～3時間ごとに再塗布することが推奨されます。
日焼けによるぶつぶつの適切な対応策
日焼けが原因で皮膚にぶつぶつが発生した場合、適切なアプローチに頭を悩ませることでしょう。軽度の症状なら、医療機関を訪れずに自己処置で対応したいと思う人もいるかもしれません。
日焼けが原因のぶつぶつに対する処置方法について考察していきましょう。
対処法1：自己管理でのスキンケア
日焼けが原因で出来たぶつぶつが紫外線由来であると判明した場合、適切なスキンケア方法や市販の薬を使用しての自己処置が可能な状況も考えられます。
ぶつぶつや皮膚の赤みが出現したら、最初に冷やすことを心がけましょう。これにより、患部の炎症を和らげることができます。
痒みや炎症が重い場合には、ステロイド配合の市販薬を使用し、炎症の進行を止めましょう。
しかし、このような自己処置は症状が軽度である場合に限られ、症状が改善しない場合には、放置せず速やかに皮膚科の受診を推奨します。
子供の肌に異常が見られる場合、以下の記事で紹介している対応策も参照してみてください。
「子供の肌トラブル – “ぶつぶつ”への対応とスキンケアによる予防方法！」
対処法2：皮膚科での専門的な治療
自宅でのケアを試みたが、日焼けの症状がなかなか改善されない、または炎症が拡大しているなどの状況であれば、遅延なく皮膚科に行くべきです。思いがけず、日光過敏症をはじめとする他の皮膚疾患が隠れている可能性も否定できません。
専門の医師に診てもらうことで、原因が明らかになり、それに基づいた適切な治療が受けられるでしょう。
ただ、皮膚科に行く際、症状が幾分落ち着いて見えることがあります。症状が顕著な時の写真を撮っておき、診察時にそれを医師に見せることで、より精確な診断が期待できます。
総括
日々の生活の中で、避けがたい紫外線への曝露はありますが、少しの注意で、日焼けが原因の肌のぶつぶつや赤みといったトラブルを未然に防ぐことが可能です。
積極的に太陽の直射日光を避け、特に紫外線が強い時間は外出を自粛する、あるいは帽子や日傘を使うなどの対策を取り入れましょう。また、自分の肌に適した日焼け止めを定期的に塗布することも肝要です。
万一、日焼けによる肌の問題が発生した場合には、適切なスキンケアと市販薬を用いた処置が重要になります。症状の程度に応じて、皮膚科の受診も考慮しましょう。
更新日：投稿日：2024.03.02
