子供の繊細な唇は、十分なケアが行われないと、容易に唇荒れの兆候が表れることがあります。唇や口角に裂け目が生じ、皮が剥がれ、時折ブツブツが生じる、腫れ上がる、といった特徴が見られます。
これらの兆候を目にした時、多くの人は「ただの乾燥か」と判断することが多いですが、真実を言うと、唇荒れが起こる理由はただの乾燥だけではないのです。日々の習慣やウイルスの影響も無視できないからです。
この記事では、子供に頻繁に起こる唇荒れの特徴と、それぞれの兆候に対する主な起因と対策を解説します。
子供の間でよく目にする唇荒れの特徴
唇荒れの主な兆候、それが何によって起こるのか、は以下のようになります。
- 唇の皮が剥がれる
- 唇にひびが入る
- 口角が荒れ上がる
- 唇にかゆみが現れる
- 唇が腫れ上がる
- 小さい水泡が形成される
「唇荒れ」と言えば、多くの人がまず乾燥を連想することでしょう。
実際、唇は体の他の部分と比べても非常にデリケートな部分です。頬や額とは異なり、唇は皮脂腺が少ないため、保護する皮脂膜を形成することができないのです。それにも関わらず、日常的な食事や会話、さまざまな外部刺激にさらされ続けています。だから、乾燥を主な原因として考えるのは理解できるのです。
しかしながら、唇荒れが必ずしも乾燥のせいだけではないことも念頭に置くべきです。体のコンディションの変動に影響を受けやすい箇所であるため、他の要因も視野に入れる必要があります。
子供が唇荒れの兆候を示す主な原因と対策
唇に関する問題として、乾燥から起こる口角の裂け目や、全体的な炎症を伴う異常が見られるケースがよく知られています。
乾燥だけが原因ではないことも事実です。日常生活の中での癖や、体の一時的な変化からも引き起こされることがあるのです。
だからと言って、唇の問題が常に乾燥由来のものだと断定するわけではありません。子供の日常の行動や態度を見て、唇の状態を確認することが大切です。子供が示す唇荒れの兆候とその原因、そして対策を3つ紹介します。
唇をしょっちゅう舐める問題
最も一般的に思い浮かべる原因は、頻繁に唇を舐める行為です。こうした行為は、表面を乾燥させ、皮が剥ける状態を引き起こすことがあります。
唇を舐めることは、表面に水分を供給しているように感じるかもしれませんが、実はこれが逆に乾燥を促進するのです。なめた際の唾液が蒸発する際、本来の唇の水分も同時に失われることが原因です。さらに、唾液そのものが唇に刺激を与える場合もあります。
乾燥によって唇に起こる主要な症状は、以下のように挙げられます。
- カサつき
- かゆさ
- 痛みが伴う
- 出血することがある
カサついた唇は、皮の剥けやすさだけでなく、その柔軟性の喪失から、ひび割れるリスクも上がります。唇の動きに伴い、亀裂が生じたり、血が滲むことも。このような小さな部分でも、少しの亀裂での痛みは非常に厄介です。
対策方法
乾燥してしまった唇のケアとして、油分を足し、守ることが大切です。以下のアイテムを用いて、穏やかに保湿してください。
- 刺激の少ないリップバーム
- ワセリン
- 唇専用の薬
日常的に手軽に使えるのは、刺激の少ないリップバームが最適です。どこでも入手可能で、すぐに使える点が魅力。メントールのような刺激物質を含まないものが好ましいです。
ワセリンも唇の保護に有効です。肌だけでなく唇にも使え、唇を舐める習慣のある子供にも向いています。無香料や無着色のものが好ましいです。塗りやすいチューブタイプも選択肢の一つです。
乾燥が非常に酷く、出血が続く場合、皮膚科の診察を検討することもおすすめ。専門家からのケアアドバイスや、適切な処方を受け取ることができます。
アレルギーによる反応
アレルギーが引き起こす結果として、唇が荒れる状況が生じることが知られています。主な原因として食物アレルギーが挙げられ、食事を取る最中や、食後の数十分で異変が生じることが考えられます。食後の30分での症状の現れが多いものの、2時間以内でも反応が出ることがあるので注意が必要です。
食物アレルギーに伴う症状は、以下のようになります。
- 唇の腫れ
- 顔の腫れ
- 皮膚の赤み
- 湿疹が生じる
- 目や喉のかゆみ
- くしゃみやせき
- 鼻の分泌物 等
必ずしもすべての症状が出るわけではなく、人それぞれで症状の出方が違います。時には腹痛や気分の悪さ、全身の異常反応も生じることがあります。
対策として
食物アレルギーの兆候が見られる際は、生命に関わるリスクもあるので注意が必要です。皮膚の赤みだけでなく、気管の腫れや脈拍の速度変化も考慮に入れるべきです。直ちに医療施設を訪れることを推奨します。
一部の食品は加熱によりアレルギー反応を起こさないこともありますが、独自の判断は控えるべきです。アレルギーの原因となる食材の特定は、医師の問診や検査を通じて明らかになります。医師のアドバイスを基に、問題の食材を摂取しないよう心がけましょう。
子供における食物アレルギーも、成長することで改善されることがあるものの、医師の指導に基づいて行動することが求められます。
ヘルペスの現れ
ヘルペスウイルスによって生じる唇の炎症です。感染しても直ちに症状が出るわけではなく、風邪や過労で免疫力が弱まると、その際に現れることが多いです。
発症の際に確認される主要な症状は以下です。
- 唇や口内に水疱が生じる
- ズキズキとする痛み
- 鼻や目付近にも水疱が見られる
小さな子供や、風邪や疲れから免疫が弱っている人は、発熱や口内の炎症・出血などのヘルペス性の口内炎を経験することも考えられます。
取り組むべき対策
ヘルペスを疑う場合、速やかに皮膚科に相談することが勧められます。早期の治療で、病状の悪化を予防することが可能です。症状が出る前段階で、人それぞれ異なりますが、唇の辺りにちくちくとした感じを感じることがあるので注意が必要です。子供から不調を訴えられたら、しっかりと様子を見てください。
ヘルペスウイルスの特徴として、他者に感染させるリスクがあります。感染後も体調の変化に伴い再発することが一般的なため、感染拡大を防ぐ行動が大切です。患部を触った後は、手をしっかりと洗浄しましょう。食器やタオルの共同使用は感染を拡大させるので控えるべきです。
ウイルスを完全に排除するのは難しいため、主な治療法は、専門の医師から提供される抗ウイルス薬（塗り薬や飲み薬）を用いてウイルス活動を制御する方法です。家庭でのケアとしては、十分な休息と、栄養均衡のとれた食事により免疫力を向上させることが推奨されます。
子供の唇の健康を守るためのアドバイス
子供の唇が荒れないように、普段からのケア方法を試みてみてください。
重要なのは、リップクリームを使っての保湿です。この保湿活動は昼間随時行うだけでなく、入浴後も行いましょう。
さらに、唇を舐める習慣のある子供たちに対して、その行為を控えさせることが必要です。唇の皮が剥ける際、それを歯や手で引っ張る行動は避けさせたいですよね。確かに、子供たちにこれを「やめて」と伝えるのは難しい。そこで効果的なのが、ワセリンを用いての保護です。予めワセリンでケアしておくと、直接の唾液の接触が防げ、皮が剥けるのも防げるでしょう。
また、唇も他の顔の皮膚同様、年間通して紫外線の影響を受けています。外に出る際は、顔や身体と同じくＵＶ対策をきちんと行ってください。
もし唇荒れが発症した際、適切なケア用品の選択が肝心です。アレルギーやヘルペスのような、医師の診察が求められるケースも考慮し、変化を感じたら医療機関を訪れてください。医師のアドバイスに従い、速やかにケアすることで、唇の状態を早く正常に戻すことが期待できます。
総まとめ
子供は知らないうちに唇を舐めたり、乾いた皮を取り除いたりすることで、容易に唇荒れのリスクに晒されます。舐める行為を日常の習慣にしないようにし、手で触れる行動も制限することが必須です。
日常生活の中でのケアとして、リップクリームでの保湿や、紫外線からの防御がキーポイントとなります。顔や身体のケア同様に、唇のケアを続けて、ふっくらとした唇を維持しましょう。これにより、唇に手を触れることも減少するでしょう。
さらに、アレルギーやウイルスの影響で唇が荒れるケースも想定されます。不快な症状や変化を感じた際には、迅速に皮膚科の専門家に相談することをおすすめします。
更新日：投稿日：2024.03.02
