日焼け後、皮が剥けてしまうのはなぜ?肌のトラブルを回避するためのアドバイス

夏の熱い日差しを浴びて外で遊んだりした後、気が付くと皮膚が剥けてきている経験、皆さんも一度や二度はあるのではないでしょうか。確かに、時間が経てば自然と良くなりますが、皮が剥けている部分は気になりますよね。そこで、どうして日焼けで皮が剥けるのか、そして、剥けた肌をどのようにケアすればいいのかをご紹介いたします。正しいケア方法で、肌のトラブルを未然に防ぎましょう。

目次

なぜ日焼けで皮膚が剥けるのか

日焼けというと、なぜ皮が剥けるのか気になりますよね。この答えを得るために、まず皮膚の仕組みを知ることが大切です。

私達の肌は、主に「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つのレイヤーから成り立っています。そして、日焼けで皮が剥けるのは、このうち最も外側にある表皮に関係しています。

表皮にはさらに、内部から「基底層」「有棘(ゆうきょく)層」「顆粒(かりゅう)層」「角層」という4つの層があります。基底層で生まれた新しい細胞は、次第に上の層へと移動し、最終的に古くなった細胞が角層で剥がれ落ちる仕組みになっています。

これを「皮膚のターンオーバー」と言います。このターンオーバーがスムーズに行われることで、私たちの肌は健やかに保たれます。

このターンオーバーは、大体28~42日周期で行われていると言われていますが、紫外線の影響や生活習慣の乱れなどでこのサイクルが乱れると、肌のトラブルが引き起こされることがあります。

紫外線は、その中でも特にターンオーバーを乱す原因となります。紫外線の影響を受けた肌は、自らを修復しようとするためターンオーバーが活発になり、結果として皮膚の剥がれやすくなるのです。

「UV-B」こそが皮膚の剥ける原因

紫外線には、「UV-A(紫外線A波)」と「UV-B(紫外線B波)」という2つの種類があります。これらは共に日焼けの原因となるものですが、肌への影響は少し異なります。

・UV-A

UV-Aは、肌を黒くするタイプの日焼け、つまりサンタンを引き起こします。ただ、UV-Aの影響はそれだけではありません。その波長の長さから、肌の深部、真皮層まで到達し、そこに存在するコラーゲンやエラスチンを破壊します。これがシワやたるみの原因となるのです。

・UV-B

UV-Bは、皮膚に炎症や水ぶくれを引き起こすサンバーンの主な原因です。このUV-Bが肌の表皮の細胞に強いダメージを与えるため、日焼けの後に皮が剥ける現象が起こります。実は、この剥ける現象はダメージを受けた細胞が排除されるためのものです。

日焼けの後の初期対応

日焼けで皮膚が赤みを帯び、ヒリヒリと痛む経験、皆さんも一度はしたことがあるのではないでしょうか。そんなときは、早急に適切なスキンケアを実施することが肝心です。何も手を打たず放置すれば、症状が深刻化する可能性が懸念されます。

具体的な日焼け後のスキンケアの流れを見ていきましょう。

冷却でのケア

日焼け直後の皮膚は、まるで軽度の火傷を受けたような状態となっています。火傷時の処置と同じく、最初に皮膚の温度を下げることが求められます。

赤く痛んだ箇所を冷却するのに役立つアイテムは以下の通りです。

  • 冷蔵庫で冷やしたタオル
  • 冷凍パック
  • 冷たい水をビニール袋に封じたもの

これらを使って皮膚を冷やすことで、痛みや熱感を緩和できます。直接冷凍パックを皮膚に当てるのは刺激になるので、タオルなどを介して使うのがベストです。効果的に冷却するためにも、タオルの位置を変える、冷凍パックを新しいものと交換するなど工夫しつつ、皮膚の熱が収まるまで続けましょう。

温度を控えめにしての入浴

日焼けした箇所が熱を持ち、ヒリヒリしている際や、水ぶくれの症状が出ている場合、高温のお湯に浸るのは避けるよう心掛けてください。熱い湯は皮膚への追加の刺激となり、痛みや赤みをさらに増幅させるリスクが考えられます。症状が収まるまでの間、38~40℃のぬるめのお湯での入浴、またはシャワーを選択することが賢明です。

長い時間湯船に浸かることは皮膚の乾燥を引き起こす場合があるので、入浴は10分前後に留めておくと良いでしょう。また、体を洗う際はタオルで強くこするのではなく、豊富な泡で優しく洗うことを心掛けましょう。

特に熱いお湯を好む方や、体を石けんで強くこする習慣のある方は、肌の必要な皮脂まで洗い流してしまう恐れがあり、肌の保湿機能が低下することも。日焼け後に皮膚が乾燥していると感じた場合は、日常の入浴方法を一度見直してみると良いでしょう。

保湿は大切

肌のほてりを冷まして落ち着かせた後は、きちんとした保湿ケアを心がけてください。

紫外線の影響を受けた肌は、乾燥しやすくなり、水分をたくさん失います。このような状況下での肌は、外部の刺激に弱くなっているので、しっかりと保湿して守ることが求められます。

通常のケアとして、化粧水で肌に水分を与え、乳液やクリームでしっかりと油分を補給してください。使用する量は、普段よりも多めにすることで、より効果的です。

ただ、傷んだ肌を無用に刺激しないためにも、ケアは優しく行ってください。特にこすりすぎないように注意が必要です。そして、肌へのトントンとした刺激は避けてください。

普段愛用しているスキンケア商品で刺激を感じる場合は、しばらくの間、低刺激の商品を選び使用してみてください。

低刺激の商品は、肌に優しい成分を中心にしているので、日焼けで敏感になった肌にも安心して使用できます。

皮膚科を訪れることを考える

日焼けの影響で、肌を冷やしても痛みや炎症が改善されない場合も考えられます。

肌に刺激を感じる場合、ワセリンやオリーブオイルで患部を守ることが考えられます。日焼け自体がやけどの一形態であるため、やけど用の薬を試すのも一つの方法です。しかし、症状が進行する場合や、劇的な改善が見られない場合は、迷わず皮膚科に相談してください。

特に強い痛みや、水ぶくれが現れた場合、速やかに医師のアドバイスを求めることが賢明です。自己判断でのケアよりも、専門家の意見を受け入れることを強くお勧めします

皮がむける際の注意点

日焼け後、皮がむけ始めると、つい取り除きたくなる感覚に駆られることが多いです。特に、顔などの目立つ部位では、メイクがうまくのらず、皮むけが気になることでしょう。

けれども、気になるからといって、むけかけの皮を無理やり取り除くのはおすすめできません。その下には、新しく生成されつつある、まだ柔らかい皮膚が存在します。

無理に取り除くことで、新しい皮膚を傷つけるリスクが考えられます。それが原因で、かえって肌の痛みが増したり、回復に時間がかかることも想定されます。

日焼けによるトラブルを抱えた肌は、非常にデリケートな状態です。そのため、大切なのは、肌に必要以上の刺激を与えず、優しくケアすることです。もし、皮むけを取り除いたことで強い痛みが生じた場合は、迅速に皮膚科の医師に相談して、適切なアドバイスを受けてください。

常日頃の予防で皮膚の悩みを回避

日焼けの後、しっかりとケアを実践することで、皮膚のトラブルを少なくし、健やかな肌への回復が望めるでしょう。

もちろん、最も理想的なのは皮膚トラブルが発生しないように予め予防をしておくことです。皮膚のトラブル、例えば皮むけを未然に防ぐためのポイントをいくつかご紹介します。

紫外線が強い時間帯は外出を控える

紫外線による肌へのダメージやトラブルを最小限にするためには、紫外線の浴びる時間を制限することが鍵となります。一日の中で紫外線の強さは時刻によって変動します。

特に、午前10時から午後2時までの間は紫外線が最も強くなるとされています。可能であれば、日用品の購入は夕方の涼しい時間に、銀行の用事は朝早くに、この時間帯は外出を避けるように心掛けてください。

紫外線の強い時間を避けて早朝や夕暮れ時に出歩くだけで、紫外線からのダメージをかなり軽減できます。

また、晴れた日だけでなく、雨や曇りの日でも紫外線は存在します。しかしながら、雨や曇りの日は晴天に比べて紫外線の強さが低いのも確かです。急がない用事の場合、晴れた日の外出は避け、曇りや雨の日を選ぶのも一つの戦略です。

もっとも、曇りの日であっても紫外線は強いこともあるので、完全に警戒を解くのは避けましょう。曇りや雨の日でも、しっかりとした紫外線対策をして外出することが大事です。

日焼け止めはシチュエーションに合わせて選ぶ

紫外線からの肌保護のため、日焼け止めの使用は不可欠です。日常のシチュエーションに合わせて、最適な日焼け止めを選んで、正しく使用しましょう。

日焼け止めの選び方の際のポイントとして、「SPF」と「PA」の表示をチェックしましょう。

  • SPFは紫外線B波を防ぐ基準で、1から50+までの範囲で示されます。数値が大きいほど、紫外線B波の防護能力が高まります。SPF50+はその最大値となります。
  • 一方、PAは紫外線A波の防護基準を示し、+から++++までの4段階で表示されます。+の数が増えるほど、紫外線A波のカット性能が向上します。

ただ、SPFやPAの数値が高いからといって、必ずしも良いわけではないのです。活動エリアやその内容などに合わせて、日焼け止めをシチュエーション別に選択するのが推奨されます。

例えば、外での活動時には紫外線対策を意識することが多いものの、近場での買い物や洗濯物を干す時、庭の手入れなどでは気を緩めがちです。短時間の外出でも、日焼け止めを欠かさず塗ることで、肌を日焼けから守ることができます。

また、SPFやPAの高い日焼け止めを使用しているとしても、定期的な塗り直しは欠かせません。汗や摩擦などで日焼け止めは落ちてしまうので、2~3時間ごとに再塗布することを心がけましょう

特に、ビーチやプールサイドでは、日焼け止めが落ちやすいので、頻繁に塗り直しをすることが要求されます。水分をタオルで拭った後も、日焼け止めを再度塗布することで、しっかりとした保護を継続しましょう。

肌のリフレッシュサイクルをサポートする

肌のリフレッシュサイクル、すなわちターンオーバーの調整は、皮膚のトラブルを防ぐ上で欠かせない要素となります。質の高いスキンケアや適切な紫外線防護はもちろん、日常のライフスタイルの見直しも大切です。

ルーチンの乱れや不規則な生活習慣は、ターンオーバーの不均衡を招きやすくなります。肌の健康のため、栄養の均衡をとった食事や深い眠りを確保することが重要です。

・均衡のとれた食生活

極端なダイエットや片側だけの食事は、肌に必要な栄養素が不足し、皮膚のトラブルを引き起こすことがあります。肌の健康を保つためには、均衡のとれた食生活を心掛けることが大切です。

日本の伝統的な食事である和食を参考に、主食・主菜・副菜の3つをしっかりと摂取することで、バランスの良い食事を追求しましょう。

・質の高い休息を得る

ターンオーバーを促進する成長ホルモンは、特に睡眠中に活発に分泌されると言われています。そのため、しっかりとした休息と、質の高い睡眠が非常に大切です。

夜、ベッドに横たわってもすぐに眠れない、または何度も目を覚ます場合は、より快適な睡眠を追求する工夫が必要です。

寝る前に、次のアドバイスを試してみてください。

  • カフェインを含む飲料を避ける
  • スマホやPCの使用を控える
  • 部屋の明かりを落とす
  • 心を落ち着ける音楽を楽しむ
  • 温かいお風呂でリラックスする

これらのアドバイスを取り入れることで、心地よい睡眠をサポートし、翌日の肌のコンディションも整えられるでしょう。

総括

日焼けを経験すると、UV-Bによるダメージから生じた細胞の残骸が肌から剥がれることがあり、これが皮むけのメカニズムとなります。無計画に皮を剥がす行為は避け、肌へのさらなるダメージを引き起こす可能性があるため注意が必要です。

日焼けの後、肌は冷却と保湿が求められます。状況に応じて、適切な軟膏を使用する、あるいは皮膚科の専門家の意見を求めるなど、早急な対応をして肌の再生をサポートしましょう

更新日:投稿日:2024.03.02

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