「花粉の季節に差し掛かると、なんとなく肌が痒くなったり、湿疹のような症状が見られる…」そんな不安を感じている方は多いのではないでしょうか?それ、花粉皮膚炎という病態の可能性が高いですよ。
このコンテンツでは、花粉皮膚炎がなぜ起こるのか、具体的な症状や、その適切な対応策について詳しく解説していきます。
花粉の季節の肌の変調、もしかして『花粉皮膚炎』のせい?
一般的に、花粉症と言えば目の痒さや、連続的なくしゃみ、鼻水といったことが思い浮かぶでしょう。しかし、実は肌にも影響を及ぼすことがあります。
花粉皮膚炎の典型的な症状や、肌が花粉の影響でどのように荒れるのかを見てみましょう。
花粉皮膚炎が引き起こす特徴的な症状
花粉皮膚炎というと、花粉が多くなるこの時期に、以下の様々な症状が目立ち始めることが考えられます。
・肌全体に強い痒みを感じる
・湿疹のようなブツブツが肌に現れる
・特に、目の周辺やまぶたの部分が赤く変わる
これらの症状が、花粉の飛び交う季節に顕著になる場合、花粉皮膚炎の可能性が高いと考えられるでしょう。
花粉皮膚炎、原因は『皮膚の防御能力』に関連
花粉皮膚炎が起こる背後には、皮膚の防御能力が密接に結びついているのをご存知でしたか?
この防御能力は皮膚の最外部、角層部分に位置し、肌の内部からの水分が逃げないよう守るだけでなく、外部からの刺激からも私たちの体をガードする働きがあります。
とはいえ、冬の乾燥などで角層が乾燥してしまうと、肌の防御能力が弱まり、肌は外部の刺激、特に花粉などに敏感に反応します。
特に、スギ花粉が多い2月から4月の乾燥しやすい季節は、肌の防御能力が低下しやすい時期ともいえます。
防御能力が弱まった肌に、花粉が付着すると体の免疫反応が活発になり、アレルギー症状が出やすくなるのです。こうして、かゆみや湿疹、赤みなどの肌トラブルが引き起こされます。
顔や首周りなど、直接花粉に触れやすい部分は特に注意が必要。皮膚をしっかり守り、花粉の影響を最小限にすることが肝心です。
花粉皮膚炎、その対応策とは?
花粉が多い季節、完全にその影響を避けることは難しいですよね。でも、ちょっとした工夫で、その影響を軽減し、肌のトラブルを予防する方法があります。
花粉皮膚炎でお困りの方は、以下のアドバイスを試してみてください。
花粉の接触を最小限に!
花粉の飛び交う時期、肌への花粉の接触を避けるため、外出する際にはマスクや眼鏡、さらに帽子を上手に使いましょう。これらを使用することで、肌に触れる花粉の量をぐっと減らすことが可能です。
皮膚との接触を避けたとしても、服や髪に付いた花粉が間接的に肌トラブルの原因になることも。ですから、毛織のように花粉がつきやすい衣類よりも、滑らかな表面の衣類を選ぶと良いでしょう。なめらかな素材は花粉がつきにくく、取り払うのも容易ですからね。
さらに、外から帰ったらすぐに衣服や髪から花粉をしっかりと払い落とすことが大事。そして、顔に付いた花粉を迅速に除去するため、家に帰ったら早めの洗顔を心がけると良いでしょう。
皮膚の健康を守るスキンケアの秘訣
前回触れた通り、皮膚のバリア機能の低下は、花粉による肌トラブルを引き起こすリスクを増加させます。
花粉による肌の悩みを予防するため、バリア機能をサポートする適切なスキンケアを実践しましょう。
基本として、洗顔後やお風呂上りには保湿の手段をしっかりと取り入れることが大切です。洗顔後、化粧水で肌に潤いをしっかりと与えた後、乳液やクリームで保護してください。
特に乾燥肌の方は、ヒアルロン酸やコラーゲン、アミノ酸、グリセリンなどの保湿成分を豊富に含む商品を選びたいところです。
乾燥はバリア機能の弱まりを引き起こすため、潤いをキープすることが肌の健康を守る秘訣です。
その上で、バリア機能を損ねる可能性のあるスキンケアは避けることも心掛けてください。
例として、熱いお湯での洗顔や強く肌をこすることは避けたい行為です。また、洗顔後のタオルでの拭き取りも、摩擦を避けるよう配慮しましょう。
症状が改善しない際は、専門家のアドバイスを
花粉への対策やスキンケアを丁寧に行っていても、「かゆみが和らがない」「肌の赤みや炎症が続く」と感じる場合、皮膚科の受診を考慮してください。
皮膚科での診察では、症状を鎮静化する外用薬や、必要に応じて内服薬などの処方が行われることがあります。正しい治療を受けることで、肌の不調を効果的に和らげることが期待できます。
さらに、受診を通じて、花粉皮膚炎以外の疾患である可能性も明らかになることも。何かしらの持続的な症状に悩んでいる場合、早めの専門家の意見を求めるのが良策といえます。
花粉のシーズンに向けたメイクのアドバイス
花粉のピーク時、肌のトラブルやマスクの摩擦でメイクが崩れやすいと感じる方は少なくないでしょう。
さらに、この時期の肌は敏感化しているため、普段使用しているファンデーションでも違和感を覚えることがあるかもしれません。
そこで、花粉が気になるこの時期に適したメイクのコツを、ベースメイクとアイメイクの観点からお伝えします。
ベースメイク
花粉による皮膚の荒れが気になる季節、メイクをせずに自然な顔を保つ方向けに、「すっぴんも悪くないかな?」と感じるかもしれません。しかし、花粉が飛ぶこの時期、実はメイクを適切に施すことがおすすめなのです。
ベースの美容技は、肌の美しさを引き立てるだけでなく、私たちの大切な肌を外の刺激から守るためのシールドの役割も果たします。素肌だと花粉が直接肌と接触しやすいですが、しっかりとベースメイクを施すことで、花粉が肌に付くのを防げるのです。
特にこの季節、肌が普段よりもデリケートに感じることが多いため、肌に優しい製品の選択が欠かせません。低刺激性のファンデーションや、微粒子の紫外線やほこりから守るBBクリームを利用することで、肌へのストレスを少なくすることができるのです。
また、この時期、肌のかゆみが増え、思わず掻きむしってしまうこともあるでしょう。そのため、ベースの美容技は軽めに、そして、優しくていねいに行いましょう。
アイメイク
花粉の季節には、目元のメイクが落ちやすいという問題が頻繁に起こります。特に、アイライナーやマスカラをしっかり施したにも関わらず、涙でメイクが流れてしまうことが多いのです。
そんな方々へのアドバイスとして、ウォータープルーフタイプのアイテムの使用がおすすめとなります。
ウォータープルーフのジェルライナーやペンシルライナーを活用して、目のラインをしっかりと描き、その印象を強化することができます。リキッドタイプのものも、好みに応じて選ぶとよいでしょう。
まつげもビューラーを使用してしっかりとカールさせ、ウォータープルーフのマスカラで強調することで、さらに目元の印象を強化することが期待できます。
ウォータープルーフの商品を使用すれば、一度乾かせば目をこすっても簡単には落ちにくくなります。また、目薬を使った際にも、流れる心配が軽減されるのです。
まとめとアドバイス
花粉の時期には、肌や目のトラブル、特に花粉皮膚炎の症状が増加しやすい季節となります。
肌のトラブルを最小限に抑えるためにも、花粉が肌に触れないような対策が重要です。日々のスキンケアもこの時期には特に大切です。
毎年のように同じ症状に悩まされる場合、早期の予防策や対処法を考慮して、花粉の影響を緩和する工夫が求められます。
更新日:投稿日:2024.03.02