日常の中で、日焼けを避けるための注意を怠らずにいても、時々焼けてしまう時があるかもしれませんね。日常生活での日焼け対策が大切である一方、一度日焼けしてしまった後は、適切なケアが肝心です。
このページで、日焼けによって肌が受ける影響や、日焼けの後の正確なケア方法について深く掘り下げて説明します。日焼け予防のヒントも一緒にお伝えするので、日焼けケアのガイドラインとしてお役立てください。
日焼け後、肌の反応は主に2つのタイプに
日焼けによる肌の反応や変化は、主に2つのカテゴリーに分類されます。日焼けの基本的な知識として、これらの反応を知っていると良いでしょう。
肌が紅潮する「サンバーン」とは？
紫外線に晒された数時間後に感じる、肌の紅潮した反応をサンバーンと称します。このサンバーンの状態に陥ると、肌の熱さやほてりが明らかになることがよくあります。
火傷の後のようなピリピリとした不快な感覚や、重度の場合には水疱が生じることも考えられます。
大抵の場合、この不快な感覚や熱さは、2〜3日の間で和らぐことが多いです。しかしながら、広範囲にわたる症状や水疱が現れた時は、迅速に皮膚科を訪れることをおすすめします。
肌の色が深まる「サンタン」の現象
サンタンとは、紫外線の影響を受けた数日後に顕れる特定の日焼けを指します。肌がブロンズのような色合いに変わり、この色調は数週間から数ヶ月にわたって継続することがあります。
この肌色の変動の背後には色素の沈着が主要な要因として存在しています。紫外線が肌に触れると、肌を守るために、肌の深層に位置する「メラノサイト」細胞が、紫外線を吸収するメラニン色素を積極的に生成します。
サンタンの現象は、事実上、肌の自衛メカニズムと捉えられます。メラニンが持つ色が黒味を帯びているため、肌はブロンジーな色に変わります。特に、肌が赤みを帯びたサンバーンの後、サンタンの状態に移行するケースが頻発しています。
日焼けの後のケアを軽視すると、シミやシワ、たるみのトリガーとなる
時が経つにつれて、シミ、シワ、たるみのような肌のトラブルに悩む人が増えてきます。だけど、これらの肌の問題は純粋に歳をとることの結果だけでなく、実際には紫外線が大きな役割を果たしているのです。
紫外線の継続的な影響による肌のエイジングは、長年にわたり継続的に紫外線を受け入れることで引き起こされます。
たとえば、高標高の場所は紫外線が強く、そのような地域に住む人々は、若くしてシワやその他の肌の問題を経験することがあります。
それでも、紫外線を完全に避ける生活は容易ではない。日焼けの後、適切なアフターケアを施すことで、紫外線の肌へのダメージを最小化することがキーとなります。
日焼けを乗り越えるためのアフターケアのアプローチ
日々の生活で、肌を紫外線から保護するための日焼け予防はもちろんのこと大切ですが、たまには焼けてしまう瞬間もあるでしょう。
日焼けした後、絶対に避けるべきは、何も手を加えずに放置すること。さらに、独自の方法で不適切なケアを試みるのも、皮膚の問題を引き起こす可能性が考えられます。
以下で、日焼け後の正確なアフターケアの手順をご紹介いたします。もし日焼けの経験がある場合は、このガイドラインを是非ともお試しください。
1.肌の熱を落ち着かせるクールダウン方法
日焼けにより、肌が赤みを見せたり、ヒリヒリとした感覚を持つとき、または肌の熱さを感じる際、最初にやるべきことはその部分を冷やすことです。
この状態は、まるで軽い火傷を受けたようなもの。すぐに、できる限りの対策をして熱を落としましょう。
日焼けを冷やす手段として以下の方法をおすすめします。
- 冷水を直接流してみる
- 湿らせたタオルで冷やす
- 氷のうや保冷剤をタオルで包んで当てる
広い範囲で日焼けしてしまった時、冷たいシャワーが全体的にクールダウンの助けとなります。
柔らかく肌触りのいいタオルで肌を冷やす場合、優しくタオルを置くことを心がけましょう。また、シャワーを使うときや水を流す場合、水の圧力が強すぎると肌へのストレスとなります。やさしく冷水を流すことを意識してください。
日焼けした部分の熱を冷ましてくれる、保冷剤や氷も有効。この際、直接肌に触れないように注意が必要です。タオル等でくるむことをおすすめします。
2.乾燥から肌を守る保湿ケア
日焼けによる熱が落ち着いたら、次は肌にうるおいをしっかりと補給するタイミングです。
日焼け止めを使用していた際は、保湿する前にきちんと洗い流しましょう。洗う際も、繊細になった肌にやさしく対応することが求められます。きめ細かく泡立てた石けんで、手を使いながら丁寧に洗います。水分を取るときも、タオルで軽く押さえる感じにして摩擦を避けるよう心がけてください。
日焼け後の肌は乾燥しやすく、水分が不足しています。従って、化粧水や乳液、クリームで十分に保湿することが必要です。
ただし、日焼け後の肌は特に敏感。普段のスキンケアアイテムが刺激に感じることも。特に、アルコール成分が含まれるものは避け、敏感肌向けや子供用の低刺激な製品を選びましょう。炎症を鎮める成分が入った製品もおすすめです。
保湿する際も、肌を傷めないようなテクニックが大事。適量の保湿剤を肌にポンポンと置き、手の温もりでゆっくりと伸ばしていきましょう。
3.重症のときは速やかに専門家の診察を
日焼けした部分を冷やしても、強いヒリヒリ感が続く場合や、水ぶくれが出てくる場合、専門の皮膚科での診察をおすすめします。
前述の通り、日焼けは火傷の一種と見なされることも。医学的には「日光皮膚炎」という名で知られています。日焼けの深刻さにより、以下のような症状の変動が考えられます。
・軽度：赤みが見られる範囲
・中程度：ヒリヒリとする痛みがある範囲
・重度：広範囲に渡る強いヒリヒリ感や、水ぶくれが発生
特に重症の際は、発熱や体調の低下も伴うことがあるため、早めに皮膚科への受診を考えましょう。
日焼け後のスキンケアはどのように注意するか
日焼けの直後、肌が特に炎症を起こしている時には、スキンケア製品の選び方とその使用法に注意が必要です。紫外線の影響で、皮膚の防護機能が弱っており、普段よりも外部の刺激に非常に敏感になっているのです。 「日焼けが気になるからといって、いつもとは異なるスキンケア製品を試すのは」と焦りがちですが、逆効果となり、肌のトラブルを引き起こすリスクがあります。
誤解されやすいケアの一例として、美白化粧水の使用が挙げられます。日焼けによるシミや黒ずみを避けるために美白化粧水に頼りたくなる方も多いのですが、日焼けの直後の肌には、それが強い刺激となることが考えられます。
確かに、シミの予防や美白に有効な美白化粧水は、日常のケアとしては推奨できるアイテムです。ただし、肌の炎症が落ち着いてからの使用をおすすめします。
そして、日焼けをした顔を思いやってシートマスクを試す人もいます。とはいえ、シートマスクも日焼けした肌には過剰な刺激になることがあるので、使用は肌の状態が安定してからにしましょう。
日焼け後の肌に適したスキンケア製品としては、敏感肌の方やお子様にも安心して使用できる低刺激の製品を選んでください。
日焼け後の体と髪のメンテナンスも大切
日焼けの後、顔だけでなく、被害を受けた体と髪へのケアも念入りに実施しましょう。具体的にどんなケアが適切か、体と髪の部分ごとに詳しくご案内いたします。
体へのアフターケア
顔と同様、日焼けの後は、第一に体を適切に冷却することが重要です。
日焼けの影響を受けた部分が限定的であれば、冷却ジェルや冷たくしたタオルを利用して、優しく冷やしてください。タオルを少し動かしながら、日焼けしたエリアの熱を落とし、炎症を鎮静化させます。
もし、背中全体や腕、足など、大きな範囲で日焼けの影響を受けていたら、シャワーで優しく体を冷やしてください。シャワーの水流が強すぎると、すでにダメージを受けている肌にさらなる刺激を与えかねませんので、水の流れは控えめにしてください。
体をきちんと冷やしたら、タオルで軽く押さえるようにして余分な水分を取り除きましょう。その後、顔のケアと同じく、保湿クリームやローションを使って肌の乾燥を防ぎます。
ローションや乳液などの保湿アイテムは、大きな範囲にもスムーズに伸ばしやすく、特にお勧めです。保湿する際も、肌を摩擦することなく、やさしくケアすることを心掛けてください。
髪への愛情あるケア方法
日の光が強い時期には、髪の乾燥や傷みが気になりますね。放っておくと、パサつきや髪の毛の先の切れ、枝毛などの問題が出てくると言われていますので、日常よりも丁寧なケアが求められます。
ブラッシングを開始する前に、髪のもつれを優しく解消してください。特にロングヘアの方は、下の部分から始めて上へとブラッシングしていくと良いでしょう。
髪を洗う時、まずはぬるま湯で優しく洗い、シャンプーを手の中で良く泡立ててから、頭皮をマッサージしながら優しく洗ってください。日焼けしてしまった頭皮は、ソフトなタッチで洗いましょう。
十分にシャンプーを洗い流したら、コンディショナーやトリートメントを均等につけます。特に毛先は乾燥しやすいので、しっかりとケアをして、髪を蒸しタオルで包んでしばらく放置しましょう。
5分ほどで、髪が潤った感じになりますね。その後、しっかりと水分を取り、ドライヤーで髪を乾かしてください。
髪のケアは肌よりも難しいことがあります。そういった場面では、日常的に帽子を着用する、あるいは髪用のUVスプレーを使うなど、予防策をとるのがベストですよ。
日焼けした肌への注意点
化粧水を肌に浸透させようと、たたいたりこすったりすると、それが肌への余計な刺激になってしまいます。保湿の際、力強く肌に触れることなく、優しくスキンケアを行いましょう。日焼け後、時間が経つと肌がめくれることも。それを見て無意識に取り除きたくなるかもしれませんが、自然に落ちるのを待ちましょう。無理やり剥がすと、新しい皮膚まで取り除いてしまい、さらなるダメージの原因となります。
日焼けを防ぐ日焼け止めの正しい活用法
日焼け止めを塗っていたはずなのに、なぜ日焼けしてしまったのかと思ったことはありませんか？日焼け止めの選択や使用方法に何か誤りがあったかもしれませんね。
次からは、日焼け止めに関する基本的な情報や、更に効果的な使用法についてお伝えします。
日焼け止めでガードできる2つの紫外線の特性
日焼けとは、紫外線の影響によって生じる現象です。日焼け止めは、この紫外線から肌を守るために使用するスキンケアアイテムとなります。
私たちの周りには、波長によって2つの主要な紫外線が存在します。日焼け止めの活用をより効果的にするため、それぞれの紫外線の特性を正確に把握しておくことが大切です。
- UV-A
UV-Aは長い波長を持つ紫外線で、日常生活中に知らず知らずのうちに浴びていることが多いのです。実際、太陽が放つ紫外線の内、大体9割がUV-Aとされています。
このUV-Aは、波長が長いために肌の真皮層に到達し、その結果、サンタンと呼ばれる濃い日焼けを生じさせます。この影響により、肌のハリや弾力を維持するエラスチンやコラーゲンが傷つき、時間の経過と共にシワやたるみが現れやすくなります。
特に注意したいのは、日が薄い早朝や夕方、あるいは曇りの日でも、日中と変わらないUV-Aが存在することです。また、建物の中にいても窓ガラスを通過し、肌に直接影響を及ぼすのです。
- UV-B
UV-Bは、短い波長の紫外線で、太陽が放つ紫外線の中でその比率は少ないものの、人体への影響は非常に大きいです。
特にアウトドアやレジャーなどで外に長時間いる場合には、UV-Bによって肌が痛みを伴う日焼けや赤くなる炎症が生じることがあります。
UV-Bは、サンバーンや日焼けだけでなく、数日後に肌の色を変えるサンタンももたらすもの。シミの元となるだけでなく、肌の細胞やDNAにダメージを与える可能性があるため、しっかりと対策を取ることが求められます。
日本においては、夏にUV-Bの量が最も多く、冬にはその5分の1程度まで減少することが知られています。しかし、冬でもUV-Bは存在しているので、年間を通じて紫外線へのアプローチが必要です。
日焼け止めのラベルに書かれたSPFとPAの意味って？
日焼け止めを手に取ったとき、SPFやPAの表記に目を向けたことはありますよね。これらのSPFとPAは、上記で触れたUV−AやUV-Bから私たちの肌をどれだけ守れるのかを示す指標となっています。
SPFは、主に波長の短いUV-Bへの防御効果を示すもの。「Sun Protection Factor」の頭文字からきていて、数値は大体1〜50まであり、それを超える場合は50＋という形で表示されます。この数字が増えるほど、肌を赤くなるような炎症から守る能力が強まります。
一方、PAは、波長が長いUV−Aの防御度合いを伝えてくれます。「Protection Grade of UVA」の略称として使われ、その効果はPA＋からPA＋＋＋＋までの「＋」の数で知ることができます。
このような情報から、日焼け止めのパッケージには、どの紫外線タイプにどれだけの効果があるのかが、数字や記号で示されているわけですね。
だからといって「どちらの防御も強力なものを選んでしまえば大丈夫」と安易に考えるのは避けましょう。一番大事なのは、その日の予定や場所に合わせて選ぶこと。
そして、日焼け止めを塗る際のキーポイントとして、定期的に塗りなおすことが挙げられます。
たとえば、アクティブにスポーツを楽しむ際には、汗をしっかりとかくことが予想されますよね。そんな時、日焼け止めは汗やタオルで簡単に落ちてしまうので、こまめな塗り直しを心掛けてください。
海やプールでのアクティビティの際は、水に強いウォータープルーフタイプを選ぶと良いでしょう。
また、日焼け止めの効果を継続させるためには、2〜3時間毎の塗り直しが推奨されています。もしクリームやローションタイプの塗り直しに時間が取れない場合、手軽に使えるスプレータイプも利用してみてください。
日焼け止めを上手に塗るためのコツ
日焼け止めを適切に選ぶスキルを身につけたら、その次は正確な塗り方を習得することが大切です。適切な塗り方を実践することで、日焼け止めのパワーをしっかりと活かすことが可能になります。
顔への塗り方:
手のひらに大きめのパールほどの日焼け止めをとり、額、鼻、両頬、そしてあごの5つのポイントに、それぞれ少量ずつ置いてください。
そして、指の平でその日焼け止めを、顔の中心から外へとゆっくり広げていくように塗っていきます。この際、指先に過度な力を加えずに、柔らかく肌に馴染ませるよう心掛けましょう。
髪の生え際や小鼻の辺り、そして耳の裏など、塗り漏らしやすい場所は特に丁寧に伸ばしてください。そして、再度パール大の量を取り、同じ5つのポイントに乗せ、重ね塗りすることで、均一に塗ることができます。
腕や足の塗り方:
腕や足に日焼け止めを塗る際は、ストレートなラインで出してみてください。容器から直接、腕や足の塗りたい部分へと直置きしていきます。
次に、両手のひらで円を描くような動きで、日焼け止めを腕や足全体にきちんと伸ばしてください。このときも、強く押し付けることなく、肌を優しく包み込むような気持ちで塗り広げましょう。特に肘の内側やひざの裏、さらには側面など、塗り残しやすいポイントには気をつけてしっかり塗布してください。
日常でのスマートな日焼け対策のコツ
日焼け止めの利用はもちろん大事なのですが、日々の生活の中で紫外線対策を行うことも、日焼けのリスクを低減させるカギとなります。普段から心掛けたいアクションを取り入れて、紫外線からのダメージを手堅く守りましょう。
紫外線が強まる時間には外出を控える
日中、特に太陽が高く昇っている正午前後は、紫外線の影響を強く受ける時間帯とされています。できる限りこの時間帯の外出は避け、安全を優先して行動しましょう。
ただし、朝や夕暮れの時間帯でも、UV-Aの影響は変わりません。ピーク時以外でも、日焼け止めをきちんと塗布して外出すること、そして日陰を賢く使うことが、肌を守る上で欠かせません。
衣服や帽子、日傘でスマートに紫外線対策
長袖のトップスや肌を隠すアイテムは、紫外線から肌をしっかりガードしてくれる助けになります。暑い夏でも、露出を控えめにして皮膚を守る工夫をしましょう。長袖はもちろん暑さを感じやすいので、涼しげな通気性の高い素材を選ぶことがポイントです。
さらに、強烈な日差しの中での移動には、広いつばの帽子や日傘を持参すると、紫外線からの保護がより強化されます。
顔や身体だけでなく、目も紫外線のダメージを直接受けやすいので注意が必要です。外出の際には、UVカット機能付きのサングラスや眼鏡を使用すると、目を紫外線からしっかり守れます。
スタイリッシュな大きめのサングラスは、顔全体にもシェードを提供してくれるので、おしゃれを楽しみながら紫外線対策もできる一石二鳥のアイテムと言えます。
雨の日や部屋の中でも紫外線への備えは必要
「天気が悪いから紫外線の心配はない」「家の中だから大丈夫」と考えるのは誤りです。晴れていない日や雨が降っている日でも、紫外線は私たちの周りに存在しています。
さらに、紫外線は窓ガラスを透過する性質があるので、室内や車の中でも紫外線からの保護が求められます。特に、オフィスの窓側の席に座っている方や、日当たりが豊富なお部屋に住んでいる方は、知らず知らずのうちに紫外線に晒されていることも考えられます。
屋内での滞在中でも、日焼け止めを適切に塗ることや、UVカット機能を持ったカーテンを活用することで予防を図りましょう。
車の窓に取り付けるUVカットフィルムも市販されており、頻繁に車を利用する方々には特に効果的です。
総括
日焼けの主な原因となる紫外線は、季節や天候に関わらず私たちの身近にあります。紫外線による日焼けは、肌の乾燥やシミの形成、シワやたるみの原因となるなど、肌の健康に悪影響を及ぼします。
日常的な紫外線対策は欠かせませんが、もし日焼けしてしまった場合も、正しいケア方法でしっかりと対応し、肌のダメージを最小限に抑えるよう努力しましょう。
更新日：投稿日：2024.03.02
