背中のかゆみは、まさに気になるものですよね。特に手の届きにくい部位であるため、「もう我慢できない!」とストレスを感じている人も少なくないかと思います。夜間のかゆみは、寝付くのが難しくなったり、眠りから覚めてしまう原因ともなり得ますので、できるだけ早く対応したいですよね。
この記事では、背中のかゆみに悩む方向けに、それがなぜ起こるのか、そしてどのように対応すれば良いのかをご紹介します。具体的な対処方法が知りたい方は、是非とも参考にしてみてくださいね。

背中のかゆみを速攻で落ち着かせる!方法は?
誤った対処法を取ってしまうと、背中のかゆみは逆に悪化するリスクがあります。すぐにかゆみを落ち着かせたい場合、以下のアドバイスをお試しください。
掻くのはNG!背中は冷やして鎮めよう
背中がかゆくなった際の適切な対応は、やはりその部分を冷やすことにあります。患部を冷やすことで、毛細血管が収縮し、一時的に炎症を抑える効果が期待できます。
冷凍した保冷材を包んだタオルや、冷水を含ませたタオルで、背中を冷やす方法を試してみてください。特に夏場は、冷水をかけるのも効果的です。
掻くことにより、皮膚が傷つけられると炎症が起きやすく、かゆみが増してしまうので控えましょう。この点に関しては、後ほど詳しく触れます。
昼間は我慢することができても、夜間になると知らず知らずのうちに掻いてしまうことがあるかもしれません。寝ている間に背中を傷つけないよう、指の爪は短く整えておくと良いでしょう。
原因を特定したら、薬局での対応が可能
かゆみの原因を理解していると、薬局で手に入れる薬での対処が望めます。しかし、原因や具体的な症状に合わせて最適な薬を選ぶことが大切ですので、購入前には、薬局のスタッフや薬剤師にご相談されることを強く推奨します。
市販の薬を活用すれば、効果的な成分がかゆみや炎症を緩和し、安心させてくれるのです。
塗布する市販の薬として、ローションやクリーム、また軟膏が挙げられます。かゆみが広範囲にわたる際には、スムーズに塗布できるローションやクリームが適しています。皮膚が傷んでいる場合、メントールなどの清涼成分を含まないものや、水分を持たない軟膏がお勧めです。
背中に手が届かないと感じる場合、専用の「背中にクリームを塗るツール」を使用することで、手軽に塗ることが可能になります。
かゆみが生じる背後にあるメカニズム
一体、どうして背中がかゆくなるのか、疑問に思うことでしょう。
皮膚の表面に何か外的な刺激が与えられたり、体内でアレルギーが引き起こされると、ヒスタミンといったかゆみを誘発する物質が放出されるのです。
このように放出されたヒスタミンなどが神経に影響を与えることで、我々はかゆみを実感すると言われています。
かゆいと感じても、掻いてはダメなわけ
肌を掻くと一時的な快感が得られ、かゆみが緩和されるように思えますが、実は冷やすことが最適な方法であることには確かな根拠が存在します。肌を掻いてしまうと、肌の保護機能が低下し、バリア機能が破壊されてしまいます。
私たちの体は、この皮膚のバリア機能により外からの刺激を受けにくくしています。掻いてそのバリアを破壊すると、微小な刺激にも敏感に反応し、かゆみがさらに増す可能性が高まります。
一時的には掻くことでかゆみが軽減されるかもしれませんが、その結果、皮膚の保護機能が損なわれ、継続的にかゆみが悪化→掻く→バリア機能が弱くなる→さらにかゆみが増す、という状況に陥り易くなります。また、掻きすぎて患部が赤くなったり、かゆみの範囲が拡大するリスクも考えられます。
こういった理由から、かゆい場面でも掻かないように心掛けることが大切です。
背中がかゆくなる主な刺激源とは?
以前触れた通り、皮膚への刺激や体内でのアレルギー反応が引き金となり、ヒスタミンをはじめとする物質が放出されてかゆみが生じるとされています。
それでは、背中のかゆみを起こす主な原因や刺激について、詳しく掘り下げてみましょう。
乾燥する皮膚
特に秋や冬など、空気が乾燥する時期に背中がかゆく感じるとき、その背後には皮膚の乾燥が関係していることが考えられます。
外部環境の変化により、皮膚の一番外側に位置する角層の保水能力が低下すると、皮膚の保護機能も弱まってしまうのです。それがもたらす結果として、少しの刺激でも簡単に「かゆい」と感じるようになります。
だけれど、乾燥するのは寒い季節だけの話ではありません。室内のエアコン利用が増える現代では、一年を通じて皮膚が乾燥しやすい状況にあるのです。
このような背景を考慮すると、皮膚の乾燥からくるかゆみを避けるためには、常日頃からの保湿対策が欠かせません。
お風呂の時には、力強く皮膚をこすることなく洗うよう心がけましょう。強くこすってしまうと皮膚の保護機能が失われ、乾燥が進行します。ボディブラシや硬めのタオルの使用は避け、石けんやボディソープはきちんと泡立てて、やさしく手で洗ってください。
入浴後は速やかに保湿ケアを施し、乾燥を予防するのがポイントです。ボディローションやクリームを活用し、乾燥によるかゆみを撃退しましょう。
詳しい入浴のコツについては、当サイト内の関連記事も参照してくださいね。
アレルギー反応
背中のかゆみのもととなることがあるアレルギーについても注意が必要です。特定の物質に接触した際、体の防御メカニズムが反応してしまうと、炎症やかぶれ、さらにはかゆみが生じることがあります。
食品や金属、動物や植物、日常生活での衣服や洗濯洗剤、さらには一部の医薬品や日差しまで、アレルギーを引き起こす原因となる要素は多岐にわたります。
このようなアレルギーによるかゆみを避けるためには、問題となる原因物質を適切に避けることが大切です。特に衣類や洗剤の成分が疑われる場合、肌に優しいものを選び、使用することがおすすめです。もし日光が原因となる場合は、日焼け止めや適切な衣服で肌を守る工夫が求められます。
その他の要因について
背中のかゆみの他の要因として、背中のニキビや毛穴の炎症(毛のう炎)が考えられます。
多くの人々が知る「ニキビ(尋常性ざ瘡)」は、皮脂の分泌が活発になり毛穴が閉じてしまい、アクネ菌がその皮脂を養分として増加することが一因とされます。従って、背中のニキビ対策としては、清潔な肌を維持することが重要です。
しかし、背中の小さなできものが「毛のう炎(毛包炎)」である場合も。この毛のう炎は、黄色ブドウ球菌やマラセチア菌というカビ(真菌)に起因する場合が多いのです。これらの菌は私たちが常に持っている常在菌で、通常は問題ないのですが、背中に擦り傷や切り傷が生じた際に毛穴内で繁殖することがあり、それが毛穴の炎症やぶつぶつを生む原因となります。
アクネ菌のための薬を試しても、効果が現れないときは、カビや黄色ブドウ球菌が関与している可能性が考えられます。それに対応する治療が必要なので、早急に医師や薬剤師の助言を求めてください。
症状の進行を感じたら、速やかに診察を受けること
自己ケアでの効果が感じられない際には、確実に皮膚科の受診をおすすめします。また、発熱や体のだるさが伴う場合には、内科の受診も考慮するようにしましょう。なぜなら、背中のかゆみの裏には、肝臓のような内臓の異常が隠れている可能性があるからです。
かゆみが広範囲に広がってきたり、強烈なかゆみが持続する場合や、原因が特定できない場合は、そのまま放置せず、早めの医師の診療を受けることを強く推奨します。
総括
背中のかゆみには、皮膚の乾燥、アレルギー、ニキビ等、様々な要因が存在します。
皮膚が乾燥している場合、きちんとした保湿ケアで対策を取ることが大切です。そして、アレルギーの場合、原因となる物質を避ける行動が求められます。原因を特定できるならば、接触を避けるよう心がけるとともに、肌に優しい洗剤や衣服の選択を考慮してみることも一つの方法です。
もし、自己対処や市販の薬での改善が見られない場合、その理由を探るための正確な診断と適切な治療を受けることが肝心です。それにより、健やかな日常を取り戻しましょう。
更新日:投稿日:2024.03.02