私は体を洗うとき、石けんを使います。

化粧品やトイレタリー商品を開発・販売しているため、テストとしてボディソープを使うことはありますが、そのたびに「やっぱり体を洗うのは、石けんがいいな~」と実感します。

では、なぜ私がそう実感するのか?
今回は使用者&開発、2つの視点から、その理由を述べます。

なお、最近は、石けん・ボディソープともに多種多様なものが出ていますが、一般的な定義を前提に話をさせていただきますので、あらかじめご了承ください。

1.石鹸は、肌に残った時でも安心

ご存じのとおり、洗い残しなどの汚れがあると、肌への刺激となります。敏感肌には避けたいものです。

しかし、石けんは万が一洗い残してしまった場合でも低刺激です。これは洗浄成分の違いによるもので、石けんの洗浄成分はアルカリ性なので、時間が経つと肌の上で中和されるからです。中和されると無害になります。

その点の安心感が、ボディソープとは異なります。

2.石鹸は、すすぎがカンタン

石けんで作られた泡の大きな特長は、その泡切れの良さです。

難しい話は省きますが、水道水で流すと、石けん成分は泡とともに簡単に流される構造なのです。

だから、シャワーでさっと流すだけでOK。ゴシゴシ洗い流さなくてもいいし、変な肌残りもありません。ものすごく楽です。

3.石鹸は、体の汚れをしっかり落とすだけの洗浄力がある

石けんは、90%以上が洗浄成分(石けん素地)です。一方ボディソープは、多くても30%程度で、残りの70%は水です。

そのため、石けんの方が圧倒的に洗浄力が強いです。やはり、体を洗うことが目的なので、洗浄力の強さは大切な要素です。

ただ、洗浄力の強さは、敏感肌には刺激にもなりえます。ですから、石けんだからなんでもいいというわけではありません。

「洗浄力が強い」と感じる場合には、使う量を減らしたり、同じ石けんでも『機械練り石けん』ではなく、比較的、洗浄力がまろやかな『枠練り石けん』を使うなどの工夫が必要です。

4.石鹸は、機能性を鑑みると
コストパフォーマンスが高い

容器には、コストがかかります。石けんの場合は、(荒っぽい言い方ですが)外装は、紙でOKです。その場合、かかるコストは数円で済むでしょう。

ボディソープの場合は、紙というわけにはいきません。使うためにはポンプ容器などが必要です。この容器は、ピンキリですが最低でも紙の20倍します。

このように、用量の多さと容器によって、体を清潔にするため以外のコストがボディソープには余分に必要となります。つまり、同じ価格なら、石けんの方がそれだけ中身にお金をかけることができます。

最近は、格安のボディソープがドラッグストアで売られていますが、「一体、中身はいくらなんだろう?」と不思議でなりません。100円均一の店でもたまに売られています。超がつくほど敏感肌の私は、さすがにテストでも怖くて使い続けることができませんが(;’∀’)

5.石鹸は、使い勝手が良い

敏感肌の私は、体を洗う前に、体全体に洗浄剤を塗ります。摩擦を無くすためです。その後、背中などの皮脂の多い部位はボディ用タオルで洗います。タオルと体、双方に塗っておけば、肌に摩擦が起きることはほぼありません。(このように体の部位によって『手』と『ボディタオル』で分ける洗い方は、小さいお子さんはアトピー肌・敏感肌の方などには特にお勧めです!)

ボディソープだと2プッシュぐらいを手に取って体に広げるものの、それだけでは足りないので、もう2プッシュ足そうと思っても、このとき手はボディソープでヌルヌルしています。そのためポンプが押しにくい・・・。 私の『体の洗い方』によるところが大きいのですが、私にとってはボディソープは使いにくいのです。

その点、石けんならそのまま手にもって塗ればいいだけです。 わざわざ補充する必要はありません。とても簡単で、効率的です。

石鹸とボディソープ
洗い上がりの差

ボディソープの洗浄成分は、界面活性剤です。特に、量産されているものは、石油系の界面活性剤です。石油系の合成界面活性剤は、くっつきやすいという性質があるため汚れ落ちがいいものの、体を洗った後もどうしても肌に残りやすいものです。

特に、石けんと比較すると使用感がヌルヌルするのです。 このヌルヌルが気持ち悪い!まぁ、使用感は個人によるところが大きいので、これはさておき、このヌルヌルには他の問題があります。

実は、ヌルヌルするは石油系の界面活性剤が残っている証拠です。残留しているということは、それが肌への刺激となりえます。私は界面活性剤そのものが肌に悪いとは思っていませんが、肌にとっては異物です。特に、私のように敏感肌にとっては、このような異物が肌の上に残ることは避けたいところです。

石鹸とボディソープ
売り方の差

化粧品メーカーによっては、このヌルヌルをあたかも保湿効果のように、「洗い上がりもしっとり」と宣伝してるところがあります。何度も言いますが、これは保湿効果でしっとりしているのではなく、洗浄目的で配合された活性剤が残っているのです。

ここからはかなり私見ですが、そもそもボディソープが生まれた理由も胡散臭いと思っています。

石けんの起源は、紀元前3000年ごろに古代ローマだと言われています。 体に使う商材としては断トツで古い歴史を持っています。そのため、処方も完成されており、機能性や安定性が確立されています。

そういった意味では、化粧品の中でも非常に優れた商品と言えます。ただ、これは裏を返せば、差別化が非常に難しいということになります。 つまり、どこもかしこも似たり寄ったりの商品になるということです。

製造法も『機械練り』と『枠練り』の2種類ぐらいしかありません。ほとんどが石けん成分となるために、他に有効成分を配合することができません。 もし配合したとしても、石けんそのものの容量が小さいために、大して配合できません。そのため、洗浄効果以外の目的を持たせることができません。「高価なオイルを贅沢に配合」と謳っているものもありますが、保湿効果が期待できるほどは配合できません。

後は、せいぜい色や香り、パッケージを変えることぐらいです。香りに関しても、無理やり天然由来のものを使って、付加価値を付けている石けんをよく見かけます。当然、洗浄効果や安全性とは無関係です。そのため、生産者から見ると、石けんは日常的に使われる『おいしい市場』でありながら、手詰まりだったのです。

そこに、新たにボディソープが生まれました。ボディソープ最大のメリットは、洗浄成分は30%程度で残りの70%は水分だということです。これは、容量の70%を有効成分で置き換えることができるということです。

つまり、売り文句をたくさん増やせるのです。だから、ボディソープには、洗浄以外の効果を宣伝することがよくあります。保湿効果なんかは、もう定番ですよね。

本来、洗浄効果と保湿効果は相反するものです。だから、一緒にするとどちらかの効果が落ちます。もしくは、双方の効果が著しく落ちます。これは当然です。『洗浄』は、汚れ以外にも肌の上にあるものを落とすことが目的です。『保湿』は、肌のうるおいを守るために、保湿成分や油分を肌に残す必要があります。これを完全に両立することは不可能です。

洗浄効果が高ければ、油分は落ちてしまいます。逆に、油分が残るということは、他の汚れや皮脂も残るということです。でも、ちまたのボディソープには、この相反する効果がもたらされています。

ただでさえも洗浄力が弱いのに、こんな余計なことしたらどうなるんでしょうか?
想像してみれば分かると思いませんか?このようにボディソープは、売り手のメリットによって生まれた一面があるように感じます。

だから、私は石けんで体を洗っています

  1. 万が一の洗い残しも安心
  2. 使用後の肌状態の良さ
  3. 肌を清潔に保つための洗浄力を備えている
  4. コストパフォーマンスが高い
  5. 使い勝手の良さ

 
以上の理由から、私は石けんで体を洗っています。それも、自分で作った石けんです。『やさしい石けん』という商品で、保湿成分を配合し、石けん特有の強い洗浄力を調整しました。だから、乾燥肌や敏感肌の方には特にお勧めしています。

追伸

『ソープ』『石けん』と名前についているものでも、私が今回お話しした『石けん』とは異なるものがあります。

原材料を見ると、主成分が『石けん』かどうかわかります。商品名や売り文句に惑わされず、ぜひ、内容成分もチェックしてお使いください。