大人同様、赤ちゃんも日焼けのリスクがあります。赤ちゃんが日焼けした場面で、どのような手順を取れば適切なのでしょう？
この記事は、赤ちゃんの日焼け後の手当てや、予防方法に関する詳しい情報を提供します。肌の問題を未然に防ぐため、迅速な対応が鍵となります。
赤ちゃんが日焼けする背後にあるメカニズム
日焼けは、太陽の放つ紫外線の影響で生じる現象とされています。紫外線を受けると、肌は赤みを帯びたり、熱を持ったり、色が濃くなったりします。
さらに、紫外線の影響は、乾燥肌を引き起こす要因でもあるので警戒が求められます。
紫外線は、皮膚の表層のバリア機能を低下させるとされています。
この皮膚のバリア機能には、「外部刺激からの肌保護」と「肌の水分を維持する機能」が含まれ、その機能が低下することで水分の喪失が起きるのです。
日焼けによる色の変化は、数ヶ月の間に皮膚のターンオーバーを経て、元の色合いに戻ることが多いです。なので、「少しの日焼けなら、時間が解決してくれる」と感じる人もいます。
しかしながら、紫外線を繰り返し受け取ることは、シミやしわのような老化のサインを引き起こす可能性があります。
過度な紫外線は、赤ちゃんの繊細な肌に悪影響をもたらすので、守ることが大切です。
赤ちゃんが日焼けした際のケア方法
赤ちゃんが日焼けの症状を示した場合、速やかに適切な手当てを行い、皮膚のダメージを最低限に留めることが大事です。
以下で、日焼け後のケアのポイントを説明しますので、ぜひ参考にしてください。
焼けた部位の冷却
赤ちゃんが日焼けの跡を見せたら、先ず焼けた部位を冷やすことが肝心です。日焼けの後の肌は、軽度のやけどのような状態です。それゆえ、炎症を抑えるために、速やかに冷却することを心掛けましょう。
焼けた部位に日焼け止めが塗布されている場合、冷却する前に優しく洗い流してその日焼け止めを取り除いてください。強くこすることなく、軽く洗うことをおすすめします。
焼けた部位を冷やす際、冷たいタオルを用いると効果的です。タオルの位置を時々変えたり、すすいだりしつつ、冷却を続けることで、炎症は次第に和らぐでしょう。直接水で冷やす方法も良い方法です。
加えて、冷凍パックを使用する場合、直接肌に触れさせずにタオルで包んでから使用するよう心掛けてください。
皮膚の保湿
焼けた部位を冷やして炎症を鎮静化した後は、肌の保湿が次のステップです。日焼けした肌は乾燥する傾向があり、そのため保湿は欠かせません。
保湿製品には、ローション、乳液、ジェル、クリームなどの種類がありますが、赤ちゃんの皮膚に適したものを選んであげてください。夏のシーズンでは、ベタつかないテクスチャーのローションや乳液、ジェルが推奨されます。
日焼けにより、肌が非常にデリケートになっているため、赤ちゃんの肌に適していて、低刺激な保湿製品を選択してください。
水分の取り入れ
日焼けの後、十分な水分を摂取することが非常に重要です。日焼けや汗をかくことで体内の水分が減少しやすくなるため、水分の取り入れを意識しましょう。
体の水分が不足すると、脱水症状が発生するリスクが高まるので、水分補給は適切に行うよう心掛けてください。特に、赤ちゃんは大人よりも汗を出しやすく、脱水症のリスクが高いので注意が欠かせません。
皮膚科にて診断
冷却後、十分な保湿とケアを施したものの、「水ぶくれ」が形成された場合、医療の専門家の介入が求められます。早急に皮膚科での診察を受けることをおすすめします。
「水ぶくれ」がないとはいえ、「継続する赤い炎症」「湿疹が現れる」「体温が上昇している」などの症状が見られる場合も、同様に皮膚科への受診が必要です。症状が重い際は、早めに医師の意見を求めることが大事です。
赤ちゃんの日焼け対策
今回紹介した通り、赤ちゃんが日焼けをした際、迅速なアクションが大事です。しかしながら、その前に、日焼けのリスクを避ける手段を講じたいと思いますよね。
日常の中で、両親が注意深くケアをすることにより、赤ちゃんの日焼けリスクは最小限に抑えられます。
これから、赤ちゃんの日焼け対策の具体的な方法をお伝えしますので、ぜひ取り入れてみてください。
直接の日光を防ぐ
基本的に、赤ちゃんには直接の日光を避けさせるための様々なアプローチが考えられます。
以下に、赤ちゃんの日焼けを予防するための方法を示します。
■大きなツバの帽子を着用させる
大きなツバの帽子は、顔や首への紫外線の直接的な影響を軽減します。外に連れ出す際や、日が差し込む場所で赤ちゃんがいるときには、このような帽子を選びましょう。
■長い袖の洋服を選ぶ
長い袖の洋服は日焼け予防に効果的です。衣類によって皮膚を守ることで、直射日光を防ぎます。
但し、長袖を選ぶ際は、暑さでの発汗を考慮して通気性が良いものを選ぶこと。また、紫外線のカット率が高い濃い色の服、例えば黒やネイビー、深めのグレーなどが良いでしょう。
■屋内においても紫外線対策を実施
外出時には紫外線を意識しますが、室内での対策も見逃せません。「屋内では安全」という先入観は危険。窓ガラスを通して紫外線が入ってきますので、屋内でも紫外線対策が必要です。
近年、紫外線をカットするカーテンや窓ガラスのフィルムも登場しています。また、赤ちゃんを窓辺で過ごさせない工夫も、簡単ながら効果的な対策と言えます。
追記として、日影での過ごし方も紹介します。
■外出のタイミングを工夫
特に10～14時は紫外線が多い時間帯。外出は、早朝や夕暮れの涼しい時間がベストです。（猛暑の中、赤ちゃんとの散歩は控えるべきです。）
■影の場所を選択
日影の場所では、日向に比べて紫外線は約半分。必要な外出時は、影を利用することを心掛けましょう。
■屋内での紫外線予防策の継続
屋外での紫外線を気にする一方で、「屋内だったら安全」と過信は禁物。窓ガラス越しにも紫外線は届きます。屋内での紫外線対策を怠らないようにしましょう。
UVカットのカーテンや窓ガラスフィルムの使用は、紫外線対策として効果的。また、窓近くでの過ごし方を避ける心掛けも、簡単ながら実際に効果的です。
日焼け対策クリーム
子供も大人も、日焼けから守るために日焼け対策クリームを使用することは大切です。しかし、子供の皮膚はデリケートなので、使用する際には特別な注意が求められます。
日焼け対策クリームの中には、子供の皮膚に過度な刺激となるものも存在するため、子供向けの低刺激性のものを選ぶことを心がけましょう。
子供の肌を思いやるなら、ノンケミカル（紫外線吸収剤無配合）、無香料、無色素の日焼け対策クリームが推奨されます。さらに、スムーズに塗れるタイプは、ムラなく塗布できるので、良い選択となります。サンプルやテスターを活用して、使用感を事前に確かめるのがおすすめです。
パッケージには、SPFとPAの値が表示されていることが多いです。その数値に基づいて、適切なものを選びましょう。
・ 日常的な外出やちょっとした散歩には、SPF10 ～ 20・PA＋～＋＋が適しています。
・ 短時間の屋外アクティビティには、SPF20～40・PA＋＋～＋＋＋が良いでしょう。
・ 海やプール、または長時間の屋外活動には、SPF30～50＋、PA＋＋～＋＋＋＋が適切です。
日焼け対策クリームを塗る際、首の裏や手の甲、膝や肘など、焼けやすい部位を重点的にケアすることで、ムラなく守ることができます。
■日焼け対策クリームの正しい塗り方
子供の顔に日焼け対策クリームを塗る時は、一定量を取り、手の中でよく伸ばした後、顔の中央から外側へと塗り広げます。目や口を避けるよう心掛けましょう。
体には、顔と同じ方法で、手全体を使ってしっかりと塗り込みます。特に、焼けやすい部分には、注意深くケアしてください。
ただ、「日焼け対策クリームを一度塗れば1日中安全」とは限りません。汗をかいた後や、一定時間が経過した後は、効果が薄れるので、2～3時間おきに再塗布することを忘れずに。
また、日が暮れた後のバスタイムでは、日焼け対策クリームを優しく洗い流しましょう。石けんだけで落ちるタイプを選ぶことで、クレンジングを使わずに済むのが便利です。
総括
この記事で触れた通り、もし子供が日焼けを受けた際には、以下の手順で適切に対応しましょう。
1.焼けた部分を冷やす
2.しっかりと保湿を行う
3.十分な水分を取る
これらの対応を終えた後、子供の様子を注意深く観察してください。もし、症状が続く、または水ぶくれのような変化が見られた場合には、皮膚科や小児科の受診を検討しましょう。
今後は日焼けを避けるための予防策をしっかりと実施していくことが重要です。子供が日焼けしないよう、今回紹介した手段を効果的に取り入れてください。
更新日：投稿日：2024.03.02
