ターンオーバー

ターンオーバーとは?

ターンオーバーとは、細胞が日々生まれ変わり、排せつされるまでのすべての過程のことです。
具体的には、表皮の角質細胞が入れ替わることです。

毎日基底層で誕生する細胞は、角質細胞になる準備を整えながら、上へ上へと押し上げられていきます。

図のように細胞は平坦になってゆき、核を消失させ、死細胞の角質として完成します。
このような角質細胞が十数層重なり、肌を形成します。

最表層の角質細胞は、最後には垢となって肌から剥がれ落ちていきます。

この新陳代謝の過程をターンオーバーと言います。

基底層から角質層へと肌細胞が上っていく過程をターンオーバといいます

細胞がきちんと入れ替わり、肌が、常に健康で新しい細胞で構成されると、

  • 肌のキメが整う
  • 肌がうるおう
  • 透明感が出る
  • メラニン色素がきちんと排出され、シミを防ぐ

など、トラブルのないキレイな肌をつくることができます。

ターンオーバーのしくみ

肌の一番表面に位置する表皮は、表面から順に次の4つの層で構成されます。

  1. 角質層(かくしつそう)
  2. 顆粒層(かりゅうそう)
  3. 有きょく層(ゆうきょくそう)
  4. 基底層(きていそう)

最下層の基底層でつくられた新しい肌細胞は、さまざまに分化(その組織の働きに合わせて形や機能を変えていくこと)しながら、角質層に達し、最終的に、アカとして体外に排出されます。
この一連の流れをターンオーバーと呼びます。

ターンオーバーの周期

健康な肌は、およそ28日周期で生まれ変わります。

基底層から角質層に達するに約14日間、角質層において角質細胞が皮膚内部を保護する働きを終えて剥がれていくまでにさらに約14日間、合計約1ヵ月(約28日)かかるといわれます。

しかし、さざまな要因により、ターンオーバーの周期は乱れやすくなります。
そして、ターンオーバーが早すぎても遅すぎても、肌には問題が起こりやすくなります。

ターンオーバーが早まる場合

ターンオーバーが早すぎると、正常な角化がおこなわれず、NMF(天然保湿因子)や細胞間脂質が十分につくられなくなります。
結果として、肌は未熟な細胞で構成され、バリア機能が弱くなり、水分がどんどん外気中に逃げて行き、乾燥肌、敏感肌、肌荒れを招きます。

ターンオーバーが早まる例

一般的に皮膚が炎症を起こした場合

乾癬(かんせん)やアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患で、表皮のターンオーバーが早まり、通常28日間かかるところが、短期間になることがあると言われています。

肌をこすりすぎた場合

肌をこすりぎす、角質細胞を無理にはがし取ってしまうと、肌はその部分を修復しようとします。
そのために一時的にターンオーバーを早めることがあります。

ターンオーバーが遅くなる場合

逆にターンオーバーが遅くなると、剥がれるはずの角質細胞が剥がれ落ちないため、角質は厚くなってしなやかさが失われ、透明感がなくなり、くすんだ肌になります。

また、メラニン色素が排出されにくくなるためシミができやすくなったり、肌が潤いにくくなる、毛穴が詰まりニキビができやすくなる、といったさまざまな肌トラブルを招きます。

ターンオーバーが遅くなる例

加齢

ターンオーバーは、加齢に伴い遅れがちになります。
これは、肌の新陳代謝の衰えや、水分維持能力の低下など、さまざまな要因が影響しています。

20代の頃のターンオーバーが28日周期で行われやすいのに対して、40代では40~50日、50代では50~60日、60代では100日かかると言われることもあります。
年齢を重ねるとともに肌トラブルが増えることには、このターンオーバーの遅れが深く関係しています。

このように、ターンオーバーは早くても遅くてもいけません。
適正な周期でターンオーバーが行われることが、肌トラブルを改善し、キレイな肌を作るポイントです。

ターンオーバーを適正な周期に整える3つの方法

ターンオーバーの周期は、基本的な生活習慣とスキンケアによって、整えることができます。

1.栄養バランスの良い食事を摂る

まず、健康な肌細胞を生成することが、健康でキレイな肌をつくるための大前提です。
これは、化粧品によるスキンケアだけでは対処できません。
肌の細胞は、私たちが食事で摂った栄養素で作られるからです。

解決する方法はただひとつ。
毎日の食事で、豊富な栄養をバランスよく摂取することです。

特にきちんと摂りたい栄養素
・ 肌細胞の材料となるタンパク質
・ 肌細胞を組み立てるときに使われるビタミン類・亜鉛

毎食ごとに栄養バランスをとることができれば理想的ですが、難しい場合もあります。
その場合は、1日・1週間など、少し長い期間の中でバランスが取れるように調整しましょう。

2.質の良い睡眠をとる

眠っている間には、体に必要な様々なホルモンが分泌されます。
その中でも、ターンオーバーに直接的に関係が深いのが、『成長ホルモン』です。
体の新陳代謝を促し、私たちの筋肉や骨、髪や肌を作ります。

成長ホルモンは、入眠後3時間(その中でも特に最初の90分間)に分泌が高まります。
そのため、この間に目覚めることなく深く眠ることが『質の良い睡眠』の一つの条件です。

3.適切な保湿をする

ターンオーバーの周期が乱れると、NMF(天然保湿因子)や細胞間脂質が減少し、皮脂を分泌する皮脂腺の働きも低下します。

これらは全て、肌のうるおいを保つ働きをしています。
そのため、ターンオーバーが乱れることで、肌はどんどん乾燥します。

また、乾燥した肌は、外部の刺激(紫外線・ホコリ・ウイルスなど)を受けやすくなります。
そして、このような外部刺激から体を守るために、角質層を厚くすることがあります。

だからこそ、毎日のスキンケアでしっかりと保湿を行い、肌の潤いを守ることが重要です。

保湿を続けることで、肌の機能が正常に働き始めると、乱れてしまったターンオーバーの周期を適正にすることができます。

ここに挙げた3つの点をもう一度振り返って、足りないと思う点があれば、今日から取り組んでみてください。

投稿日:2018.12.03

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