「乾燥の原因は、化粧品に含まれる防腐剤だと思っています」
先日、このような話を受けました。

肌が乾燥する状況とは・・・

  • 肌中の水分量が減る
  • 皮脂の分泌が減少して皮脂膜を作れなくなり、肌の水分蒸散量が増える

概ねこの2つが起こっています。

では、防腐剤に肌をこのような状況にする働きがあるのか?

詳しく見ていきましょう。

防腐剤を使用した化粧品は、肌を乾燥させる?

結論から言うと、冒頭にあげたような状況にする働きは、防腐剤にはありません。

では、肌が乾燥する状況を起こすきっかけとなる刺激はあるのか?
他の化粧品成分と比べても、防腐剤にだけ特別な刺激があるわけではありません。

異常な量を配合でもしていれば話は別ですが、世の中の流れとしては、防腐剤を複数組み合わせる相乗効果で機能を高めて配合量を減らしたり、防腐剤濃度を低くする研究など進んでいます。日本製のきちんとした化粧品メーカーが使う防腐剤であれば、特に心配する必要はありません。

ただし、防腐剤として配合した成分にアレルギーを持っていれば話は別です。その場合は、防腐剤は刺激になります。でも、これは防腐剤に限らず、美容成分すべてに言えることですね。

例えば、ヒアルロン酸に対してアレルギーを持っていれば、肌はアレルギー反応を起こし、ヒアルロン酸は刺激になります。プラセンタに対してアレルギーを持っていれば、同じくプラセンタは刺激になります。

この場合は、受けた刺激により乾燥をする可能性はありますから、アレルギーの元は避けたほうがいいでしょう。

アレルゲンではないのに、防腐剤を使用した化粧品で肌が乾燥する?

アレルゲンではないのなら、防腐剤が乾燥の原因とは考えられません。でも、そう思うのには理由があると思います。

一定数、化粧品に含まれる防腐剤を「悪い成分」だと考えている人はおられます。これは、防腐剤無添加化粧品メーカーが防腐剤を悪いものとするイメージ戦略を行っていた時代があり、そのタイミングで化粧品を使い始めたり、化粧品に興味を持っていた方は、それを信じてしまったためです。

今の時代、化粧品は世の中にあふれていますから、そんな中、普通の化粧品を作っても売れません。でも、化粧品は薬機法で管理されており、それほど過激なものは作れません。

そこで、防腐剤を悪者にして、「悪者である防腐剤が配合されていない防腐剤無添加化粧品だ」「防腐剤は、肌に悪いものだ」と宣伝するのです。

読んだ人の多くはこれを信じてしまいます。特に、権威を持った医師や有名人がそう言っていたり、女性誌などに書かれていて何度も目にするなどすると、だんだんと信用してしまいます。

防腐剤が肌に悪い根拠は?

でも、よく考えてみてください。

もし、あなたが防腐剤が肌に悪いと考えているなら、防腐剤が肌に悪い根拠を理解していますか?

例えば、今回の場合で言うと、防腐剤が乾燥を引き起こすメカニズムやその実験結果、化学的根拠となるエビデンスなどを目にしたことがありますか?

私はありません。もし、あったらぜひ知りたいので、教えてください。

目にするものは、せいぜい、「ある機関が調べたところ…」と機関名も実験内容もまったく明かされないものや、「一説には危険だと言われる」や「悪影響があると発表された」など誰が何を行ってどうしてそうなったのかまったくわからない程度の情報です。

つまり、実際には、防腐剤が乾燥肌を引き起こす根拠はないのです。

ただ、宣伝文句としてウソをそれらしく飾って、言っているだけです。そして、そんなウソを信じこまされた人がたくさんいるのです。

化粧品に防腐剤を配合する義務

そもそも、化粧品に防腐効果を持たせることは薬機法によって決められています。化粧品は人の肌に使用されるため、製造工程や消費者の使用中における微生物汚染を防ぐ必要があるからです。

日本では薬機法によって化粧品の微生物汚染防止が明記されており、その目的のために防腐剤が使用されています。

【医薬品医療機器等法(薬機法)】
『医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律』第56条に規定される『製造,販売等を禁止される医薬品(化粧品)』
第4項『その全部又は一部が不潔な物質又は変質若しくは変敗した物質からなっているもの』
第5項『異物が混入し,又は附着しているもの』
第6項『病原微生物により汚染され, 第56条に規定される『製造,販売等を禁止される医薬品(化粧品)』:第4項『その全部又は一部が不潔な物質又は変質 又は汚染されている恐れがあるもの』などに該当し,製造,販売することが禁止されている.
厚生労働省 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

このように、安全な化粧品には、防腐剤は必要不可欠であり、有用な成分なのです。

『防腐剤無添加化粧品』には、防腐剤は含まれていないのか?

その1:原料そのものに、すでに防腐剤が配合されている場合

通常の化粧品原料を使って作られた化粧品には、防腐剤が含まれています。これは当然ですよね化粧品原料にきちんと防腐剤を添加しておかないと、すぐに腐ってしまいます。

腐った化粧品原料は商品になりません。だから、原料屋さんは、化粧品原料自体に防腐剤を配合しておきます

ただ、原料屋さんが配合した防腐剤は、化粧品およびパッケージに表示する必要はありません。これは、キャリーオーバー成分とみなされ表示義務がありません。いわゆる抜け道ですね。

だから、一般の人には、無添加化粧品に防腐剤が入っていても分かりません。成分分析をすればバレますが、一般の人でそこまでやる人はいないでしょう。

だから、原料屋さんに防腐剤をしっかりと配合してもらった化粧品原料を使えば、『”防腐剤がしっかりと入った”防腐剤無添加化粧品』が出来上がります。

その2:防腐剤以外を入れる。ただし、配合量は多くなる

もうひとつの手としては、普通の化粧品原料を使いつつ、化粧品原料は触らずに、防腐効果のある防腐剤以外の成分を配合するという方法があります。

この場合、防腐剤より防腐効果は少ないので、防腐剤並みの効果を出すために、大量に入れる必要があります。

そして、単一の化粧品成分を大量に配合することで、刺激になる可能性もあります。こうした商品は、敏感肌の方には使えないことが多いですね。

このように、多くの防腐剤無添加化粧品には、防腐剤や防腐効果のある化粧品成分が含まれています。

だから、本当の意味での防腐剤無添加化粧品とは言えません。

”本当の”防腐剤無添加化粧品は作れないのか?

化粧品に防腐効果のある成分を完全に排除しようと思うと、原料を自社で用意する必要があります。

先ほども言いましたが、通常、私たちが使う化粧品原料には、すでに防腐剤が配合されています。だから、通常の化粧品原料は使えません。なんとか自前で用意する必要があります。

用意したとしても、管理が大変です。

防腐剤が入っていないので腐りやすくなります。常温に長期間置いておくことはできません。すぐに製品化する必要があります。

製品化した後も大変です。酸化を防ぐ特殊な容器に充てんする必要があります。一度でも使用すると空気中の菌が浸入するので、1回使い切りタイプにする必要があります。

防腐剤の配合された化粧品に比べて、莫大なコストがかかります。そもそも肌に刺激のない防腐剤を排除するために、莫大なコストをかけることにどれほどの価値があるのでしょうか?

いくら売れるとは言え、私はバカげた行為だと思います。

防腐剤が配合されていない無添加化粧品を使うと、乾燥肌になる

『本当に防腐剤が配合されていない』もしくは、『防腐剤の配合量が少ない化粧品』を使うとかえって乾燥肌になる可能性が高いです。

なぜなら、化粧品の微生物汚染が起きる確率が飛躍的に高まるからです。

微生物汚染が起きると、化粧品は腐敗などの変質が起きます。

当然、腐敗した化粧品の使用は肌への刺激となります。そのような刺激が続けば、いずれは肌に異常きたし、正常な働きを阻害します。

その結果、乾燥肌だけでなく、敏感肌など、肌トラブルを引き起こしやすい状態となります。防腐剤無添加化粧品は安全どころか、むしろ肌にとって危険と言えます。

そのような危険を犯す必要があるのか、疑問です。

ウソに振り回されるのは止めにしませんか?

私は、20年前に化粧品メーカーとして独立しました。今まで10万人以上の人に私が開発した化粧品を使ってもらいました。

その中で、現状はお客さんの約8割が、化粧品を継続的に使う定期便を利用しています。もちろん、止める人もいます。1か月で定期便を解約する人は全体の2%です。手前味噌になりますが、この解約率の少なさは驚異的だと、ありがたく受け止めています。

ここで、あなたに質問です。

私の会社は、『株式会社アースケア』と言います。あなたは、この会社名を知っていましたか?たぶん、知らなかったでしょう。今、初めて知ったと思います。

私たちは、すごく小さな会社です。広告も最低限しか出していません。雑誌の取材も断ります。だから、知らなくて当然です。

ここまで読んで違和感を感じませんか?

なぜ、こんな無名な会社の化粧品を10万人以上の人が使うのか?
なぜ、誰も知らない化粧品を98%の人が継続して使うのか?
不思議じゃありませんか?

自分で言うのもなんですが、私は不思議です。無添加化粧品のようなキャッチーで売れる特徴のある商品ではありません。大きな会社でもありません。有名人を使ったCM宣伝もしたことがありません。雑誌にも広告を掲載したことはありません。

常に意識しているのは、例え、化粧品が売れなくてもウソは言わない。この考えは、化粧品作りにも徹底しています。

私は、基礎化粧品の役割は、マイルドな洗顔・メイク落としと、特化した保湿効果と考えています。

使い心地や見た目、香りなんかは、二の次です。純粋に、肌を守る皮脂膜を落としすぎない洗顔とメイク落とし、特化された保湿効果を追い求めた化粧品を開発しました。ただ、これだけです。

たったこれだけですが、私の想像を超えるたくさんの人に愛用してもらっています。

そして、その方たちの多くは、「防腐剤は危険」「防腐剤無添加化粧品は安全」という考えを信じていたり、また逆に、その考えに疑問を抱えた人たちでした。そんな人たちが、ありがたいことに、私の言ったことを信じてくれて、私の提案するスキンケアを続けてくれています。

それまでの考えを手放したからこそ、新しいスキンケアを試すことができたのです。

もし、あなたも今までがんばってスキンケアをしてきたのに、満足する効果が得られていないのであれば、一度、お持ちの考えを手放してみてください。そして、何かの成分を悪者にするような化粧品ではなく、本当にあなたの肌に合った化粧品選びに挑戦してみてください。

この話が、キレイ肌を手にするきっかけになれば嬉しく思います。