細胞間脂質とは?

細胞間脂質とは、角質層にある角質細胞の間を埋める”脂質”のことで、細胞と細胞をつなぐ接着剤の役目を果たしているものです。

角質層にある細胞間脂質

角質層内は、10〜20層の角層細胞と細胞間脂質で構成されており、構成比率でいうと、角質層の90%が角層細胞で、残りの10%が細胞間脂質です。

わずかな水分を含むケラチン(タンパク質の一種)でできた角質細胞の間を、隙間なく細胞間脂質が埋めることで、肌の水分が外部に蒸発するのを防ぎ、外部からの水の透過や刺激物質(異物)の侵入を防ぐバリア機能としての働きをしています。

細胞間脂質のラメラ構造とは?

細胞間脂質の構造は、『ラメラ構造(液晶構造)』と呼ばれ、脂質を保有する層と水分を保有する層が交互に繰り返し重なる層状になっています。この構造を持つことで、脂質でありながら、水分をかかえこむことができ、細胞間脂質自体が角質層に必要な水分を保つことができます。

ラメラ構造は、水分と油分の層が交互に重なって構成されます。

水分層と脂質層が交互にあり、しかもそれが多層になる形で細胞同士の間を埋めることで、緻密な柔らかさを持ちつつ、異物を通さないバリアとして働いています。

また、比熱の高い水分層があることで、気温(暑さ・寒さ)や温度(熱さ・冷たさ)に対しても緩衝材となるため、ラメラ構造が健全であれば肌に刺激が伝わりにくくなり、過敏な反応を抑制してくれています。

ラメラ構造を壊すもの

緩衝材としての働きがあるラメラ構造ですが、体温を超える熱いお湯に弱い傾向があります。

熱いお湯を使うと、肌表面を覆う皮脂膜が流れてしまい、次には細胞間脂質が溶けだします。皮脂膜は皮脂が分泌されると再形成されますが、細胞間脂質のラメラ構造は簡単には再生されません。

日本人の女性は冷え性が多いため、冬には熱いお湯の長風呂を好む人が多いのですが、乾燥肌や敏感肌の人は、熱いお湯の長風呂やシャワー、洗顔は避けましょう。

細胞間脂質とセラミドの関係性

細胞間脂質は、セラミドやコレステロール、遊離脂肪酸、コレステロール硫酸で構成されています。

構成比率でいうと、セラミド約50%、コレステロール約25%、遊離脂肪酸約21%、コレステロール硫酸約4%。細胞間脂質の約半分をセラミドは占めています。

細胞間脂質は一種類の脂質からなるのではなく、セラミド類をはじめとして、遊離脂肪酸(FFA)、コレステロール、コレステロールエステルなどで構成されています。中でもセラミド類が全成分のうち約半分%を占め、量的にも多いことが分かっています。

セラミドは加齢とともに体内で作られる量が減り、成分量が減少していきます。セラミドが減少しても、細胞間脂質を組成する他の成分がその役割を補いますが、セラミドが組成の多くの割合を占めるため、すべてを補いきることはできません。そのため、セラミドが減少すれば、細胞間脂質の働きも弱まり、肌は乾燥しやすくなり、また敏感にもなっていきます。

肌の健康を保つのに細胞間脂質とセラミドが果たす役割が大きいため、「年齢とともに減少するセラミドは化粧品で補おう」と謳われ、多くの化粧品にセラミドが配合されるようになりました。また、セラミド配合の化粧品の使用が推奨されるスキンケア方法も、とても多いです。

しかし、化粧品原料のセラミドが化粧品が細胞間脂質に置き換わるわけではありません。化粧品原料のセラミドは固形の脂質であり、クリーム類に用いられやすいので、肌を乾燥から保護するための成分です。

細胞間脂質やラメラ構造は、肌自身がターンオーバーの過程で生み出す緻密な構造です。ここを強固なものにするためには、健やかな肌を作るためのスキンケアという視点でケアを行う必要があります。