乾燥肌は、肌のバリア機能が低下しており、外界からの刺激に弱くなっています。そんな乾燥肌に刺激は大敵。特に、乾燥肌によって肌にかゆみを感じている場合は要注意!刺激のある化粧品を使うと、肌荒れ部分にヒリヒリと痛みを感じてしまいます。

だから、安全な化粧品を選ぶことは自然な流れと言えるでしょう。でも、あなたは何をもって安全な化粧品と判断しているでしょうか?

もしかしたら、危険な化粧品を安全だと思い込んでいるかもしれません。そんな化粧品を使っていると、乾燥肌対策は失敗してしまいます。肌のかゆみもおさまらず、肌荒れも治りません。

そのためにも、本当に安全な化粧品の選び方を手に入れましょう。『無添加化粧品』と安全性は関係がないことは、以前に説明しましましたので、今回は割愛いたします。

それでは安全な化粧品の見つけ方を見ていきましょう。

    本記事の内容

  • 化粧品選びで必要な”安全性”の意味がわかる
  • ランキングサイトに惑わされず、安全な化粧品選びができるようになる
  • 安全な化粧品をつくるメーカー選びが容易になる

 
私は今から約20年前、1997年に美容業界に入りました。基礎化粧品や、シャンプーなどトイレタリ―商品の製造・開発研究、OEMという化粧品ブランドの企画・開発・委受託製造から、企業に向けた営業販売、美容室向け商品のセミナー講師など、美容にまつわるあらゆる仕事を経験をしてきました。

そして、2001年にはこれまでの美容に関する経験を活かして、自社ブランドの化粧品を開発して、今まで10万人を超える乾燥肌の方に使っていただきました。現在も愛用者の方たちと協力して、乾燥肌に対する知識と経験を積み重ねています。今回は、これまでの化粧品、スキンケアの経験をもとに説明をさせていただきます。

安全な化粧品は、安全化粧品ランキング1位の化粧品ではない

化粧品についてインターネットで検索をすると、『化粧品ランキングサイト』がたくさん出てきます。あたかもすべての化粧品を試して、その結果をランキングしてあるように見えるのですが、大半はウソです。

化粧品ランキングサイトを作ってる人はほぼ皆、アフィリエイターと呼ばれる人たちです。彼らは、商品を紹介することで報酬を得ることができます。だから、もらえる報酬の高い化粧品を紹介します。

そのため、ランキング上位は、紹介することで報酬がたくさんもらえる化粧品になります。

安全化粧品ランキングでも同じです。安全な化粧品ランキング1位の化粧品は、安全性が高いのではなく、紹介料が高額な化粧品である場合がほとんどです。

だから、インターネット上の化粧品ランキングサイトは参考にしないようにしましょう。アフィリエイターに化粧品の安全性を検証することは不可能です。

安全な化粧品は「赤ちゃん用化粧品」「こども用化粧品」ではない

赤ちゃんやこどもの肌荒れに使う化粧品は安全にこだわりたいものです。そのため、『赤ちゃん用化粧品』や『こども用化粧品』には、安全性を謳った化粧品がたくさんあります。

でも、安全な化粧品である根拠を見ると疑問があります。

よくよく見ると、多くの赤ちゃん用化粧品・こども用化粧品は、「香料、着色料、アルコール、鉱物油、バラベンなど」の成分が配合されていないだけです。

これらの成分にマイナスイメージをもっている人は多いのですが、実際には、配合していないからといって、安全な化粧品というわけではないのです。むしろ、パラベンなどの防腐剤は配合しないと危険です。

関連記事>>>パラベンフリー化粧品は安全?危険?

だから、安全性の根拠を見ずに、一般的な赤ちゃん用化粧品・こども用化粧品を安全な化粧品だと思うのは止めましょう。

逆に、赤ちゃんやこどもの肌に刺激を与える恐れだってあります。化粧品の安全性は、特定の成分を配合しないだけで確立できるほど単純なものではありません。

安全な化粧品は「危険な美容成分が無添加の化粧品」ではない

私の周りにいる人や、問い合わせをしてくる人たちに、「安全な化粧品とは何だと思うか?」と聞いてみると、「刺激になる『危険な美容成分』が配合されていない化粧品が安全」だと考えているケースがよくあります。

ここでいう『危険な美容成分』にあげられるワードはいくつもありますが、例えばこんな成分が危険だという声をよく耳にします。

  • 合成着色料が危険な成分
  • 合成香料が危険な成分
  • アルコール(表示名称は、『エタノール』)が危険な成分

では、あなたに質問です。

  • これらの成分が危険である根拠を知っていますか?
  • 単なるイメージで、危険だと思い込んでいませんか?
  • このような成分が配合されていない化粧品を、なんとなく安全な化粧品だと思っていませんか?

 
危険と判断する美容成分は、化粧品メーカーによってそれそれ違いますが、上記の成分は多くの場合に「危険」だと判断されています。「当社の化粧品は、合成香料、合成着色料、アルコール無添加です」という一文をあなたも目にしたことがあるかもしれません。

でも私は、「これらの成分が危険だと判断する根拠」を示した化粧品メーカーを目にしたことがありません。せいぜい、「アレルギーが起こる可能性の高い、元・表示指定成分だからです」など、ちっとも危険な根拠にはならない程度の話で、人の肌を使った実験結果など明確なものを示されたことがありません。

私が危険だと判断する根拠

私は自分で開発する化粧品には、アルコールは配合しません。その理由は、乾燥肌にとって、アルコールの高い揮発性が刺激になるからです。同じ理由から、揮発性の高いメントールなども配合しません。これらの成分は高い揮発性によって、使用後にスーッとしてある種の爽快感があります。男性はこの感覚を好む傾向にあるのか、男性化粧品によく配合されていますね。

でも、乾燥肌の私がこれを使うと、ヒリヒリとした刺激を感じます。ひどいときは、塗った部分だけ赤くなったり、しばらく服が着られないほどに痛みがあり、肌荒れが続きます。私が開発する化粧品の目的は、乾燥肌を改善するためのものなので、乾燥肌の自分が使って刺激になるアルコールやメントールは配合しません。

ちなみに、普通肌の人には、アルコールやメントールは刺激になりません。使用後に爽快感を得られる安全な化粧品成分ということです。このように、使う人の肌質によって化粧品成分が安全か危険かは決まるのです。

もっと言うと、同じ成分名称でも、その品質はぜんぜん違います。それなのに、成分名称だけで単純に、「この成分は危険だ」と考えるのは、あまりにも浅慮だと思います。

あなたにとって、危険だと判断すべき点は何か?

アルコールやメントール無添加の化粧品だからといって、あなたにとって安全な化粧品というわけではありません。アルコールとメントールが無添加でも、ほかに刺激になる成分が配合されている可能性もあります。

また、私は、合成・天然に関わらず、可能な限りは着色料や香料を配合しません。理由は単純で、乾燥肌に効果のない成分だからです。着色料で見た目をきれいな色にしても、いい香りがしても、乾燥肌対策にはならないからです。

このように、化粧品に配合する成分は、化粧品メーカーの考え方や使用用途によって決まります。また、どのような肌質の人に使うかによって、安全な化粧品になるか、危険な化粧品になるかが決まります。だから、成分名を基準に、安全な化粧品だと判断するの止めましょう。

安全な化粧品は「新しい美容成分が入った化粧品」ではない

もう一つ、あなたが乾燥肌なら知っておくべきことがあります。それは、化粧品メーカーが開発した『新しい美容成分』も、乾燥肌の人にとって危険だということです。

多くの化粧品会社は、自社の化粧品をより良く見せるために差別化を行います。パッケージや容器を変わった形にしたり、使い方を珍しいものにしたり、売り方を変えたり、あの手この手を使います。その中でももっとも効果的なのが、『新しい美容成分の開発』です。

自社で新たに開発したすごい成分。自社の化粧品にしか配合されない特別な成分。こうした謳い文句は、化粧品販売をする上で大きな武器です。そのため、どこの化粧品メーカーも開発に必死です。特に、大手は資金力に物を言わせて、ガンガン研究します。

他には配合されていない、特定の化粧品にのみ配合されている新しい美容成分は、たしかに魅力的に見えますよね。でも、乾燥肌の方にとっては、その魅力以上の危険が潜んでいます。

乾燥肌にとって新しい美容成分が危険な理由

化粧品メーカーが新しい成分を開発する際は、必ず安全性のテストをします。そうしないと厚生労働省が認可してくれませんから。

『人の皮膚』でテストをするのですが、実は、せいぜい数十人程度です。大手の化粧品メーカーの化粧品なら、数百万個は売れます。ということは、単純計算をすると、使う人が10万人に対して、テストした人は1人という計算になります。

1人の人に試して安全だったからといって、10万人もの人の安全性が証明できるのでしょうか?

特に、私のように超がつくほど乾燥肌だと、普通肌の人は問題のない刺激でも強く刺激を感じますし、小さな刺激でものちにシミやシワの原因につながりかねません。この程度の安全性テストでは、気休めにもなりません。

実際に、白斑問題が起きました。安全性のテストをクリアして、厚生省に認可を受けた成分だったにもかかわらず、です。白斑問題が起こった背景や問題点などは別ページで説明していますので、安全性を知る参考にしてください。

関連記事>>>白斑問題に関するシリーズ

だからこそ、乾燥肌の人は、ある程度の実績が出ている成分で構成された化粧品を使いましょう。少しひどい表現ですが、先に多くの人に使ってもらって、安全性が証明された成分を使うことをおすすめします。

私の個人的な見解では、最低10年の配合実績がある成分は、安全です。使われている期間が長ければ長いほど、安全性が高い証明です。

私が化粧品を開発するときは、長い使用の歴史のある安全性に優れた美容成分のみ使います。

そもそも新成分を詳しく調べてみると、それほど既存の美容成分と効果が変わらない場合も多いんですよね。効果が変わらないのに、いくら新成分で売れるからと言って、リスクが高い成分を使って化粧品の安全性を損なうなんて、馬鹿げていると思います。

安全な化粧品は、「オーガニック化粧品」ではない

オーガニック化粧品とは、オーガニック成分で作られた化粧品です。オーガニック成分とは、農薬を使わない植物成分で作られている成分です。

オーガニック化粧品と通常の化粧品の違いは、「オーガニック原料を使っているかどうか」です。

オーガニック原料は、農薬を使っていないのが特徴です。ということは、「通常の化粧品に配合されている植物原料に、農薬が含まれているかどうか?」が気になるところです。

そこで、今まで日本の化粧品原料に農薬が含有されていたことがあるかを調べたのですが、そんな事実はありませんでした。日本の歴史上、化粧品原料のみならず化粧品から農薬が検出されたことはないのです。だから、オーガニック成分を使っても、通常の成分を使っても同じということです。

でも「オーガニックだから安心」と言われると、「オーガニック化粧品以外は危険」だとイメージし、勘違いをしますよね。

こうした勘違いは、繊維の世界でも同じです。

オーガニック繊維を使った『オーガニックコットン』があります。化粧品のパターンと同じで、「なんとなくオーガニックコットンのほうが安心」だと思っていませんか?

今年の夏、肌に優しいタオルについて打ち合わせをするために繊維会社2社を訪れました。両方の会社とも社長に対応していただき、その際にオーガニックコットンについて確認したみたのですが、通常のコットンから農薬が検出されたことは今まで一度もないそうです。

「オーガニックコットンだから安全」と言われてしまうと、それ以外のコットンは安全ではないような気になります。でも、本当はそうではありません。どちらも農薬が検出されない同じコットンです。

そもそもオーガニックとは、素材を生産する人の健康に配慮したものです。後進国では、格安のコストを実現するために、過酷な労働環境で働いている人がたくさんいます。そういった人の労働環境を少しでも改善し、安全性を高めるために生み出された生産手法です。決して、製品の安全性を担保するためではないのです。

しかも、オーガニック成分のみで作られている化粧品は存在しません。オーガニック原料だけでは、化粧品は作れないからです。だから、オーガニック化粧品とは、オーガニック成分がごく一部だけ含まれた化粧品というだけです。もしオーガニック成分以外の成分が危険というなら、ここまでですでに論理が破綻しています。

だから、オーガニック化粧品を「植物成分を製造する人たちの労働環境を改善するために使う」というのであればいいのですが、安全な化粧品として使うのは間違いです。

現在、オーガニック化粧品メーカーの販売方法を見ていると、オーガニックが生み出された本当に目的はどこかにいってしまい、捻じ曲げられています。あたかもオーガニック化粧品の安全性が高いように間違った宣伝されていることがは、非常に残念です。

「合成成分は危険」「天然由来成分は安全」は大間違い

安全な化粧品を求める多くの人は、「合成成分は危険で、天然由来成分を安全」だと思っています。でも、これは大間違い。むしろ逆です。

「自然界にあるものだから安全」という考えのもとに、「だから天然由来成分が安全」だと考える方は多いです。しかし、天然由来成分とは、あくまでも”由来”なだけであり、自然物から抽出された成分ばかりではないのです。

ただ同じようなものが、自然界に存在しているというだけなので、実際の化粧品に使われる原料としては、合成して作られている”天然由来成分”がたくさんあります

合成とはいえ、自然界にある成分

そもそも、ほとんどの化粧品成分は自然界に存在しています。界面活性剤は、牛乳やマヨネーズ、私たちの体内にも存在しています。

鉱物油は、簡単にいうと『石』なので、自然系のそこら中にあります。石油系成分は、石油なので、これも自然物です。

こう考えると、多くの合成成分と思われている成分が天然由来成分です。ミネラルオイルなどのように名前を変えてあたかも天然由来成分っぽいイメージの成分も、実際は『鉱物油』ですしね。

100%成分なのに、不純物を含有

他にもこんなこともあります。人気の高い『ホホバ油』を例にしてみましょう。

ホホバ油とは、自然に存在するナデシコ目に属する常緑低木であるホホバから抽出されるオイルです。では、このホホバ油が100%純粋なものかというと、実はそうではありません。精製度によりますが、約2~4%ホホバ油以外の不純物が含まれます。たとえ不純物が含まれていても、『ホホバ油100%オイル』だと謳えるので、この事実は一般的には知られていません

この不純物に対しては、原料会社が検査をして安全性の担保しているので問題はありません。ただ、すべての自然物から抽出した天然由来成分に含まれる不純物が安全かどうかはわかりません。また、単体で安全だったとしても他の成分と混ざったときにどうなるかまではわかりません。

つまり、このような自然物から抽出された天然由来成分には一定のリスクが付きまといます。

その点、合成成分は純度100%で作れます。不純物なんて、まったく発生しません。合成成分の構造は自然物に含まれる成分と同じなので、効果も同じと言えます。

ではなぜ、「天然由来成分が安全」だと勘違いしてるのか?

これは、化粧品メーカーのイメージ戦略です。女性誌やテレビコマーシャルで、キレイな植物が出てきて、そこからエキスのようなものが滴って化粧品の中に入るような映像を見たことがあると思います。

わざわざ意識しては見ていないのですが、頻繁に目にすることで、いつの間にか「天然の植物から作られる化粧品は効果が高く安全だ」と思い込んでしまいます。

このように接触回数を高めて、いい印象をもってしまう心理をザイオンス効果と言います。

化粧品メーカーは莫大な広告費を投じて、ザイオンス効果を狙い、自分たちに有利な情報をあなたに刷り込んでいます。テレビコマーシャルは、その典型ですね。いつの間にかイメージが、確信に変わってしまうのです。

だから、テレビコマーシャルには『※』にいろいろ注釈が書かれています。あれは注釈『※』を書かないと、放送してもらえない内容だからです。つまり、ミスリードを狙い、間違ったイメージを植えつける戦略なのです。

もし、本当に問題のないテレビコマーシャルなら、注釈なんて必要ありません。注釈の数が多いほど、誤解を狙った宣伝だということです。そして、その誤解のもっとも深刻な勘違いが、合成成分は危険で天然由来成分は安全という事実とはまったく逆の知識です。

この話からも、化粧品成分だけで、化粧品の安全性を判断するのは危険だということがわかります。

成分名だけで化粧品の安全性を判断していると、いつまでたってもあなたが美肌に手に入れるために必要な化粧品に出会えないかもしれません。

「医薬部外品」は安全な化粧品ではない

最後に、もうひとつ、乾燥肌の人にとって非常に大切なことがあります。それは、「化粧品よりも、医薬部外品(薬用化粧品)の方が安全」という間違った考えです。

医薬部外品はその名称に『薬』という文字が入っているために、薬と同等の効果があるように感じるかもしれませんが、安全性とは関係がありません

安全性の順位でいうと、

  • 化粧品
  • 医薬部外品(薬用化粧品)
  • 医薬品

です。

ちなみに、効果は、

  • 医薬品
  • 化粧品
  • 医薬部外品(薬用化粧品)

です。

実は、医薬部外品より、化粧品のほうが美容効果は優れています。医薬部外品は美容成分の含有量が定められています。つまり、配合する上限が決められています。

一方、化粧品には、上限が設定されていません。だから化粧品は、美容成分を医薬部外品よりたくさん配合することができます。もちろん、美容成分を配合すればするほど、効果があるというわけではありませんが、10%ほどの増量であれば、総じて医薬部外品より化粧品のほうが効果が高いということになります。

でも、医薬部外品には化粧品にはないメリットがあります。

医薬部外品にするメリット① 名称によるイメージ効果

一番のメリットは、やっぱり医薬部外品という医薬品に近い呼び方です。やはり『医薬』という名詞が入っているので、いかにも効果がありそうです。

実際に、医薬部外品を化粧品より、医薬品に近いものとして考えている人もたくさんいます。

医薬部外品にするメリット② 魅力的なキャッチフレーズが使える

特別な効果を宣伝に使えます。有名な効果でいうと『美白効果』です。

化粧品は、仮に本当に美白効果があったとしても『美白効果』と宣伝することは薬機法で禁じられています。

一方、医薬部外品は、決められた成分を決められた量配合するだけで『美白効果』を宣伝することが許されているのです。

医薬部外品にするメリット③ 医薬部外品だけが配合できる成分がある

医薬部外品にしか配合できない成分があります。こうした成分には、過去に医薬品で使われていたものもあり、効果を認める代わりに副作用も認められています

例えば、熱が出たら病院に行きますよね。その帰りに薬をもらいます。この薬は、熱を下げるものですが、胃薬などその他のものが必ず入ってます。この薬を飲むとすぐに熱が下がり、とても効果があります。でも、熱を下げる薬品には、胃に負担をかけるという副作用があります。

つまり、医薬部外品に含まれる成分は、効果が期待できるものの、医薬品同様に副作用が許容された成分が含まれているのです。

副作用被害が相次いで発生しているという事実

2014年には、日本弁護士連合会から『医薬部外品等による副作用被害の防止及び救済制度の在り方 についての意見書』が提出されました。

近年、加水分解コムギ末であるグルパール19Sが配合された石鹸による小麦依存性運動誘発アナフィラキシー(WDEIA)の発症をみた、いわゆる茶のしずく石鹸被害(以下「茶のしずく石鹸被害」という。)や、美白有効成分ロドデノールが配合された化粧品による脱色素斑(白斑)の発症をみた、いわゆる美白化粧品白斑被害(以下「美白化粧品白斑被害」という。)といった医薬部外品による副作用被害が相次いで発生している。
(中略)
茶のしずく石鹸被害においては、アナフィラキシーショックを発症して死の危険に瀕した例もあり、美白化粧品白斑被害でも、顔や首筋や腕・手などに広範かつ難治性の白斑が生じているなど、被害も重大である。

2014年4月18日 日本弁護士連合会 医薬部外品等による副作用被害の防止及び救済制度の在り方についての意見書

上記のような前置きがあり、その中で、医薬部外品の製造販売の承認に係る安全性審査が慎重かつ充分に行われるように、以下の3点に言及しています。

  1. 医薬部外品の審査手続及び体制について
  2. 医薬部外品等による副作用被害の報告制度について
  3. 医薬部外品等による副作用被害の救済制度について

「医薬品部外品だから効果が高く、安全」は、大間違いです。正しく作られていれば、効果も安全性の高さも化粧品が上だと私は思います。

医薬部外品は、美白効果のような一部の医薬部外品専用の効果を、ただ宣伝できるだけです。だから、医薬部外品という名称に惑わされず、配合成分や製造メーカーの姿勢などをしっかりと見て、使用を検討してください。

と言っても、医薬部外品には、全成分表示義務がありませんが…。ですから、乾燥肌は医薬部外品の化粧品は使わないほうがいいと思います。安全性を重視したほうが、結果的に乾燥肌の肌トラブルを防ぐ事に繋がります。

のっぴきならない事情があって、どうしても医薬部外品を使いたい場合は、配合されている全成分や、これまでにあった副作用の報告などをメーカーに直接聞くなど、少しでも多くの情報を集めるようにしましょう。

そうそうあともう一つメリットがありました。医薬部外品にすると、配合している全成分を表示しなくてもいいことも大きなメリットですね。

極端な話ですが、防腐剤無添加と宣伝しながら、防腐剤が配合されていてもわかりません。成分分析をすればわかるのですが、一般の人にそこまでする人はいないでしょう。副作用のない安全な化粧品には全成分表示義務があるのに、副作用が認められていて化粧品よりも刺激に寛容な医薬部外品に、全成分表示義務が免除されているのは不思議です。

安全な化粧品を装った危険な化粧品メーカーの存在

今まで、安全な化粧品についていろいろ話してきましたが、最終的には、「化粧品メーカーがどれだけ真剣に化粧品の安全性に取り組んでいるか?」がその化粧品の安全性を図る、もっとも重要な要素だと思います。

宣伝文句だけで、「うちの化粧品は安全だ」と言っている化粧品メーカーは山ほどあります。「無添加化粧品は安全」、「オーガニックコスメは安全」、「天然由来成分は安全」など、本来、安全な化粧品とは無関係な宣伝文句を垂れ流している化粧品メーカーも山ほどあります。

ちょうど、これを書いている2018年11月にも、化粧品の安全性に無頓着な企業の記事が出ていました。これは、製造販売元が化粧品製造許可・化粧品製造販売業許可を取得していないにも関わらず、許可を必要とする製造行為が行われていたという事件です。

製造認可のない工場で商品が作られていた事件

対象事業者は、化粧品製造販売業及び化粧品製造業の許可を受けていないにもかかわらず、これらの許可証を偽造した上で、「MEDULLA(シャンプー及びリペア)」他4品目の化粧品を製造販売した。
このことは、法第12条第1項、第13条及び第62条において準用する第55条の規定に違反する。このため、法第70条第1項の規定に基づき、当該品の販売・授与の中止及び回収を命じるものである。

引用元:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に基づく行政処分(回収命令及び報告命令)について/2018年11月1日東京都福祉保健局

 
これだけを読むと、化粧品メーカーが被害者のように感じます。でも、化粧品製造を依頼した先が、製造許可を取得していないことを知らないのは化粧品メーカーとしてありえないことです。

例えば、この化粧品製造製造会社の住所をGoogleマップで調べてみてください。アパートの2階の1室です。この部屋に化粧品を製造する設備はおけませんので、調べればわかります。

会社の信頼性を見た目や規模だけではかるべきではありませんが、最低でも、実際に化粧品を製造する現場まで、足を運ぶべきでしょう。なぜなら、このような化粧品製造業者は、結構多いからです。

2000年に創業した当初、私は日本中の化粧品製造会社を回りました。元々は化粧品製造会社で会社員をしており、簡単な研究・化粧品の製造・充てん・箱詰め・美容師への化粧品研修・化粧品のセミナー講師・野外での手売りなど、化粧品にかかわるあらゆる経験をしてきました。だから、現場に赴いて、そこで働いている人や使われている設備を見れば、出来上がる化粧品の質がおおよそわかります。

化粧品製造工場を名乗る会社の中には、プレハブ小屋にビーカーと計量器など、おおよそ設備とは言えない最低限の機材だけで、化粧品製造の認可を受けているところもありました。だから、今でも特殊な技術などが必要な化粧品を作るために新しい会社に依頼するときには、製造現場を見に行きます

何度も言いますが、この程度の労力を惜しんでいるようでは、安全な化粧品なんて絶対に作れません。そんな初歩的な確認を怠ること自体が、化粧品メーカーとして化粧品の安全性を重視していない証拠です。

ほかにも、こんな記事も目にしました。

有害物質「ホルムアルデヒド」を含有するマニキュア事件

ハローキティなどで知られるサンリオ(東京都)が販売していた子ども向けマニキュアなどから2016年、有害物質「ホルムアルデヒド」が検出されていたことが、関係者への取材でわかった。同種のマニキュアなど約6300本が販売された可能性がある。サンリオは、検出が微量だったなどとして公表していなかった。

引用元:子ども向けマニキュアから有害物質 サンリオ、公表せず/2018年11月14日朝日新聞digital

子供向けのマニュキュアは、数年前にも海外で事件化しています。その際は、子供の指を切除する事態が起こっています。だから、このようなことが判明したなら、すぐさま公表して回収する必要があります。でも、大企業ゆえの大企業病なのでしょうか?化粧品に対する安全意識が欠落しています。

あくまで私見ですが、単純に事なかれ主義なのか、もしくは化粧品の安全性に関する意識及び知識がなかったのか、両方だったのかわかりませんが、このような会社は化粧品を取り扱うべきではありません。このような事件が発覚した化粧品メーカーは、氷山の一角です。

世の中には、水面下で化粧品の安全性を無視した危険な化粧品メーカがたくさんあることをご承知おきください。

安全な化粧品を作っている安全な化粧品メーカーの見つけ方

残念ながら、あなたにとって100%安全な化粧品メーカーはこれだ!と言い切ることはできません。なぜなら、あなたの肌の状態によって、安全な化粧品、危険な化粧品が変わるからです。

ただ、ある程度、安全な化粧品メーカーを見つける方法は存在します。

安全なメーカーを見つける方法1:情報の質と量

化粧品やスキンケアに関して、多くの情報を発信している化粧品メーカーは安全な化粧品を作っている可能性が高いです。なぜなら、発信している情報が多いということは、それだけ化粧品やスキンケアに関する知識が多いということです。

  • その化粧品メーカーが危険だと言っている成分は、本当に危険なのか?
  • 危険だという根拠は?
  • 危険と言っている成分を配合していないことで、そのほかの点で安全な化粧品と言えるのか?

などを、しっかりと検証しましょう。

また、あなた自身も、その情報の真意を調べて確認することができます。正しければ信用できるし、間違っていればその化粧品メーカーの化粧品を使わなければいいだけです。

安全なメーカーを見つける方法2:情報の発信者

化粧品やスキンケア情報を発信していても、「それを誰が発信しているか?」が明確に表記してあるかどうかです。よく見るのは、『美容家』や『コスメ好き』などよくわからない肩書きとともに、顔を隠した写真のプロフィールです。

どんな情報でも誰が発信しているかわからない状態であれば、その情報の信頼性が大きく揺らぎます

顔や素性が公開できない理由は、発信する情報にそこまでの責任を持ちたくないからです。読み手からも信頼を得たいと考えている人ならば、個人が特定できる情報を出しているはずです。それが、情報の信頼性に繋がります

安全なメーカーを見つける方法3:発信者の経営状況

最後に、企業年数と会社の場所です。創業当時であれば小規模だという理由もわかりますが、数年が経過しているのにマンションの一室というのは、ビジネスがうまくいっていない証拠です。つまり、化粧品の効果や安全性が低いという証拠です。

また、設立年度が新しいのに『銀座』など、高額で有名な場所にに本社を登録している化粧品メーカーも注意が必要です。

化粧品は、薬機法を無視すれば、いくらでも売れます。何の効果もない化粧品を、「この化粧品を使えば、シミやシワが6か月で治ります。もし治らない場合は、全額返金します」と宣伝すれば、結構な売り上げになるでしょう。もちろん、薬機法違反なので、そのままではいずれ見つかり、罰せられます。だから、こういった企業は半年程度でわざと倒産します。そして、ドロンします。こうすれば、返金する必要もなく、利益を自分の懐に入れることができます。

このような化粧品メーカーは、いつの時代も存在します。その特徴は、少しでも会社を良く見せるためにネームバリューのある地域である銀座に本社を置きたがります。実際は、古いオフィスビルの一室に、転送用の電話がポツンと置いてあるだけです。会社を作ってはつぶすを繰り返しているので社歴が浅いです。もちろん、このような化粧品メーカーが安全な化粧品を作るわけがありません。

うその多い企業は、化粧品の安全性など何も考えていない可能性が高いので避けましょう

私の経験上からいうと、10年以上の化粧品販売期間と賃貸ではなく不動産を保有していれば、例にあげたような詐欺的な手口を使えないので、その部分は安心だと言えます。

情報発信、発信者の身元公開、化粧品販売期間、不動産保有で、100%ではないものの、ある程度の安全性は担保できます。自分の肌を守るためにも、安全性をはかる手段をいくつか持っておくと安心です。

まとめ:安全な化粧品の見分け方

安全な化粧品は、外側から見ただけでは分かりません。

専門機関に持ち込んで、配合されている成分を詳細に分析すれば可能ですが、高額な費用が掛かるため現実的ではありません。

そこで、化粧品を販売している化粧品メーカーで判断しましょう。
化粧品メーカーの姿勢と化粧品の中身は連動するので、かなり参考になります。