『無添加化粧品』と聞くと、あなたはどんな化粧品を連想するでしょうか?

『刺激のある化粧品成分を配合せずに、天然成分を配合した安全性の高い化粧品』おおよそ、このようなイメージではないでしょうか?

でも、実際は違います。
無添加化粧品は、必ずしも『安全』ではありません

あなたの乾燥肌対策がうまくいっていないなら、もしかすると、危険な無添加化粧品を使っているからかもしれません。

    本記事の内容

  • 無添加化粧品が、どんな化粧品なのかわかる
  • 無添加化粧品と、普通の化粧品との違いがわかる
  • あなたの肌に、無添加化粧品が必要かどうかがわかる

 
私は今から約20年前、1997年に美容業界に入りました。
基礎化粧品や、シャンプーなどトイレタリ―商品の製造・開発研究、OEMという化粧品ブランドの企画・開発・委受託製造から、企業に向けた営業販売、美容室向け商品のセミナー講師など、美容にまつわるあらゆる仕事を経験をしてきました。

そして、2001年にはこれまでの美容に関する経験を活かして、自社ブランドの化粧品を開発して、今まで10万人を超える乾燥肌の方に使っていただきました。
現在も愛用者の方たちと協力して、乾燥肌に対する知識と経験を積み重ねています。
今回は、これまでの化粧品、スキンケアの経験をもとに説明をさせていただきます。

乾燥肌に人気がある『無添加化粧品』

最近は乾燥肌の方が急増しているため、肌への刺激に対して敏感です。
そのせいか、多くの方は化粧品に高い安全性を望みます

私自身も乾燥肌ですから、「安全性を重視する」ことは刺激による肌トラブルを未然に防ぐことにつながるので、非常にいいことだと思っています。

「安全な化粧品」というと、無添加化粧品に人気があります。

一般的にはどうも、『無添加』=『安全』と考えられているようですが、乾燥肌に人気の無添加化粧品は本当に安全なのでしょうか?

20年以上化粧品業界に身を置く私には、『無添加化粧品』という言葉に踊らされているだけのように見えます。

無添加化粧品とは?

『無添加』って、そもそもどういう意味なんでしょうか?

多くの人は、添加物が配合されていない化粧品だと思っているのではないでしょうか。

添加物とは、商品の安全性や防腐性を高めるために、配合される成分です。
化粧品の場合、防腐剤、香料、着色料、界面活性剤などです。

このような添加物が一切配合されず、美容成分だけで作られた化粧品を無添加化粧品だと思っている人がいますが、これは大間違いです。
添加物が一切配合されていない化粧品は存在しません

中には、オーガニック化粧品と同じ意味で使っている人もいます。
オーガニック化粧品は、オーガニック成分を通常の化粧品に配合した化粧品です。

無添加化粧品とオーガニック化粧品は、まったく別物です。

無添加化粧品の定義とは?

無添加とは、「添加されていない」という意味です。
つまり、「配合されていない」ということです。

だから、『無添加化粧品』とは、「特定の成分が配合されていない化粧品」を指します。

例えば、以下のような化粧品です。

  • 香料が配合されていない「香料無添加化粧品」
  • 着色料が配合されていない「着色料無添加化粧品」
  • 防腐剤が配合されていない「防腐剤無添加化粧品」
  • 界面活性剤が配合されていない「界面活性剤無添加化粧品」
  • アルコールが配合されていない「アルコール無添加化粧品」

市販の無添加化粧品は、おおよそ上記のいずれか、もしくはすべてを配合していない化粧品となります。

このように、無添加化粧品に決まった定義はなく、化粧品メーカーによって異なる定義が存在するため、非常にあやふやなものだと言えます。

無添加化粧品の効果

無添加化粧品だからといって、美肌効果はありません。
ですから、乾燥肌にも効果はありません。
何か特別な効果を持つ美容成分を配合するなら、その成分による美肌効果や乾燥肌対策には効果があります。

でも、無添加化粧品の場合は、特定の成分を配合しないことなので、美肌効果はありません
この点にはどうぞお気をつけください。

ただ、無添加化粧品が何の役にも立たないかと言えば、そんなことはありません。

無添加化粧品として、「どのような化粧品成分が配合されていないか」を明確にすることで、特定成分にアレルギー反応を持っている人にとって有効です。
アレルギーを引き起こす可能性を、肌荒れを未然に防ぐことができます。

でも、困ったことに『無添加化粧品』としか書かれていない広告や宣伝で多いんですよね。

『無添加化粧品』だけ書かれると、何も配合されていない化粧品ということになっています。
「この化粧品は何も配合されてませんよ。」とわざわざ宣伝しているようなものです。
つまり、「何も美肌効果がない」という意味です。

このような「何も美肌効果がない」という意味の無添加化粧品なら、使う意味がありません。
このような無添加化粧品には、何のメリットもないと言えるでしょう。

では、なぜ、『無添加化粧品』としか宣伝しないのか?
そこには、化粧品メーカー側の思惑があります。

無添加化粧品とだけ宣伝される理由

無添加化粧品とだけ宣伝される一番の理由は、「安全性が高い」と勘違いさせることで『売れる』からです。

インターネットの普及によって、『無添加化粧品』という名前だけで化粧品を購入する人は、さすがに減りました。

でも、まだ『無添加化粧品』の正しい定義を知らない人は一定数いて、無条件で安全な化粧品と思い込んで(思い込まされて)います。
このような人がいなくなるまでは、漠然と無添加化粧品と宣伝されることはなくならないでしょう。

逆に、無添加化粧品の正しい定義を知る人が増えてくれば、徐々にこのような宣伝は減っていくことでしょう。

無添加化粧品の正しい定義を知って、勘違いする人が少しでも減ることを祈るのみです。

無添加化粧品メーカーの罪

無添加化粧品メーカーには、特定の成分が配合されていないことを分かりやすく伝える義務があると私は思っています。

もちろん、何の成分が配合されていない無添加化粧品かをしっかりと表示している化粧品メーカーはあるものの、相変わらず無添加化粧品とだけ宣伝している化粧品メーカーもたくさんあります。

先ほども言ったように、単純に安全だというイメージだけを植え付けて売れることを目的に行っている悪質な化粧品メーカーがたくさんあります。

さらに、問題を抱える化粧品メーカーもあります。
一般の人は信じられないかもしれませんが、実は、化粧品メーカーの中には、まったく化粧品の知識がない企業もたくさんあります。

化粧品知識のない化粧品メーカーが存在する

1年に1度ぐらいの頻度で、日本で最大規模の化粧品製造業者が集まる展示会があり、そこでは化粧品の知識がない化粧品メーカーによく遭遇します。

その場では、色々な技術を持った化粧品製造業者と交渉するのですが、人が多い場合は、ひとりの化粧品製造業者と複数の化粧品メーカーで質疑応答をする場面があります。
化粧品製造業者は、化粧品メーカーから仕事が欲しいので営業も兼ねています。
だから、話を誇張したり、ミスリードを誘います。
悪質な業者は、平気でウソをつきます。

そんなとき、知識のない化粧品メーカーは真剣な顔でうなづき、場合によってはウソの情報を信じて契約しています
たとえば、こんな感じです。

知識のない化粧品メーカー:「乾燥肌でも安心して使える安全な化粧品を作りたいんです。」
 
化粧品製造業者:「当社は安全な無添加化粧品を作ることが得意です。過去にもいくつも開発しております。」
 
知識のない化粧品メーカー:「本当ですか、それはすごい。ぜひ、安全な無添加化粧品を作ってください。」
 
化粧品製造業者: 「お任せください。ちなみに、無添加化粧品の価格はいくらぐらいで販売される予定ですか?」

簡略化しましたが、この程度で本当に話が決まったりします。

私も昔は、化粧品製造業者でした。
当時も、化粧品知識が皆無の人が「化粧品を作ってほしい」とよくやってきていました。

ひどいときは、「売れる化粧品なら何でもいいから作ってよ」なんて依頼もありました。
そんな依頼者が、誰でも知ってる大きい化粧品メーカーだった時は本当に驚きました。

むしろ、化粧品の知識がある化粧品メーカーに出会うことなんてほとんどありません。
まぁ、それが嫌でOEMを引き受けることを止めたのですが…。

このように知識のない化粧品メーカーが、大量に、簡単に作れる無添加化粧品を生み出すことが世の中に無添加化粧品が溢れている理由です。

このような化粧品メーカーは、すべてを丸投げしているので化粧品製造業者を妄信してしまい、「無添加化粧品=安全」と思い込んでしまいます。
だから、「無添加化粧品ということですが、一体何が無添加なんですか?
どうして無添加だと安全なんですか?」と質問しても適切な答えは返ってきません。
知らないので答えようがありません。

また、このように何ら説明のない化粧品メーカーの無添加化粧品を買う人は、無添加化粧品の中身に対して、疑問を持たないことが多いです。

つまり、このような肌荒れに悩みながらも知識のない人と知識のない化粧品メーカーが、意味のない無添加化粧品を量産しているというわけです。

乾燥肌対策に役立つ無添加化粧品とは

2001年までは、『無添加化粧品』と言えば、表示指定成分を配合していないものでした。

『表示指定成分』とは、ごくまでにアレルギーなどを起こす成分として、1980年に薬事法(現在の『医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)』)により、表示することを義務付けられた103種類の成分のことをいいます。

当然ながら、良識のある化粧品メーカーは、『表示指定成分無添加化粧品』と、明確に表示していました。

個人的には、表示指定成分を避けることは私の考えとは違うものの、考えそものもが違うことはいいことだと思います。
なぜなら、乾燥肌の原因は無数にあり、わからないこともたくさんあります
乾燥肌を改善するための乾燥肌対策も同様です。

だからこそ、いろいろな考えをもった化粧品メーカーが自ら信じるコンセプトにしたがって化粧品を作ることは、肌トラブルが改善する可能性を広げることにつながります。

だから、指定成分が刺激を与えると考え、それをわかりやすく表記して指定成分無添加化粧品を販売している化粧品メーカーは、素晴らしいと思います。

  • 化粧品成分の何が無添加なのか?
  • なぜ、無添加にするのか?
  • 無添加にすることによって、どのような優れた美容効果が期待できるのか?

この3点を明確にして、わかりやすく誤解なく説明しており、その内容が納得できる無添加化粧品は、使う価値があるかもしれません。

乾燥肌にとって無添加化粧品は危険!

先ほどもいったように、化粧品を選ぶときは、『無添加化粧品』という言葉だけを前面に出し、「何が無添加なのか?」がわかりにくい、誤解を招く表現を多用しているメーカーは、避けたほうがいいと思います。

無添加化粧品=安全ではありません。ある原料が配合されていないだけです。

無添加が安全性を保証するわけではありません。
まぎらわしい広告に惑わされないでください。
むしろ『無添加』とだけ主張する化粧品は、危険です。

売らんがために適当なことをいうってことは、化粧品の中身もアフターケアも、同じように適当にされる可能性が高くなります。
適当な化粧品は、適当な研究で、適当に成分を配合しているし、質問をしても適当に返すのでしょうから、安全性に疑問が残ります

  • わかりにくい、誤解を生む表現を使っていないか?
  • 「何が無添加か」をわかりやすく表現しているか?
  • その成分を無添加にすることが、本当の意味で安全性につながっているのか?

化粧品の安全性を重視するなら、このような表現にも注意を配りましょう。

また、積極的に化粧品メーカーに上記の質問をしてみるのもいいでしょう。

無添加化粧品メーカーの返答内容によって、その無添加化粧品の中身を推し量ることができます。
そうすることで、乾燥肌を改善してあなたが美白を手に入れる日が近づくことでしょう。

世の中のすべての化粧品は無添加化粧品

無添加化粧品とは、特定の成分を配合していない化粧品です。
だから、見方を変えれば、世の中にあるすべての化粧品は無添加化粧品と言えます。

たとえば、私が開発した保湿に特化した化粧品は、「香料・着色料・アルコール無添加化粧品」です。(もちろん、無添加化粧品などとバカげた宣伝はしていません。)
一方、シャンプーには、「香料」を配合しています。これは原料臭が強烈で、香料を配合しないと使い勝手が悪いからです。
だからシャンプーは「香料無添加」とは言えませんが、「着色料・アルコール無添加」だと言えます。

このように、すべての化粧品には、何かしらの成分が配合されていません
そして、すべての化粧品成分が配合された化粧品は世の中に存在しません
つまり、すべての化粧品は、何かの成分が配合されていない無添加化粧品ということになります。

何の価値も意味のない、『無添加化粧品』という言葉が、『安全な化粧品』と同義に考えられていることは、乾燥肌に悩んでいる人にとってデメリットでしかありません。

そもそも私は、すべての美容成分には適量があり、その範囲内で使用していれば安全だと考えています。
どんな優れた美容成分でも少なすぎれば効果がないし、多すぎても肌に刺激を与えます。
だから、無添加化粧品のように、何か特定の美容成分が悪いから一切配合しないという画一的で単純な考えには賛成できません。

いたずらに特定の成分を否定して、不安をあおる『無添加化粧品』のような言葉遊びをするのでなく、それぞれの目的に合った美容成分を組み合わせ、適切に適量配合することこそが乾燥肌対策に役立つ化粧品作りだと考えています。

次の乾燥肌の人が知るべきポイントは、『安全な化粧品の見つけ方』です。化粧品を選ぶ基準に安全性を重視している方も多いのではないでしょうか。
でも、何を基準に化粧品の安全性が高いと判断していますか?
誰も教えてくれない、化粧品の安全性をはかる基準をお教えしますので、ぜひご覧ください。